紙の本
“尋問のエキスパート”の手法。
2008/01/17 11:24
3人中、3人の方がこのレビューが役に立ったと投票しています。
投稿者:四月の旅人 - この投稿者のレビュー一覧を見る
「このミステリーがすごい!」2008年版海外部門1位。
シリーズ7作目の今回は、カリフォルニア州捜査局の“尋問のエキスパート”
キャサリン・ダンスがライムのチームに加わる。
「尋問者の第一の仕事は一つは、
相手の人格タイプ──内向的か外向的か──を見きわめることだ。
...内向タイプは、論理や理屈ではなく、直観や感情を基準に判断を下す。
外向タイプはその逆だ。
相手の人格のタイプがわかれば、質問をどう組み立てたらよいか...わかる」。
ん? これってMBTI(Myers‐Briggs Type Indicator)じゃないか──。
前世紀の初めにカール・ユングによって始められた性格の類型化は、
キャサリン・ブリッグスとその娘イザベル・ブリッグス・マイヤーズによって
1962年に『MBTI』初版として結実する。
その後、45か国以上で活用され、現在では年間500万人が利用しているという。
MBTIでは、性格を4つの側面から検討する。
どちらかを選択していくことで、16タイプの性格に分類されることになる。
【意識】 Extroversion(外向型) or Introversion(内向型)
【情報収集】Sensing(現実型) or iNtuition(直観型)
【決断】 Thinking(思考型) or Feeling(感情型)
【生活】 Judging(規範型) or Perceiving(柔軟型)
それぞれのタイプは、大文字の組み合わせで表わされる。
たとえば、すべて左側の人は──ESTJ。
外向的で決断力があり、現実的で自信家なので──男性的?
ということになるらしい。
どうも日本語のニュアンスがあいまいだが・・・
詳しくは、下記のサイトあたりを参照してほしい。
http://www32.ocn.ne.jp/~emina/
http://www5.big.or.jp/~seraph/zero/mbti.cgi
こうして
ふだん無意識にくり返している思考や行動のパターンを被験者が理解し、
本来の自分をとり戻すことがゴールとなる。
しかし、キャサリン・ダンスはさらに先へ行く。
「荒っぽくそっけない態度を取ると、内向タイプは殻に閉じこもってしまう。
しかし...は典型的な外向タイプ、しかも傲慢な外向タイプだった。
...キャサリン・ダンスがもっとも好むタイプの相手だった。
こちらもひたすら押せ押せでいくのがいい」
『ウォッチメーカー』は、ハリウッド映画のように(!)おもしろい。
これはもう、アメリカ文化の特質なのだろう。
しかし、宮部作品ほどの深さもない。
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リンカーン・ライムシリーズの第7作(らしい)。そのすべてを読んでいるけど、今回もライムと容疑者とのせめぎ合いにドキドキさせられた。このせめぎ合いにさらなる臨場感を醸し出せないかと、舞台であるニューヨークの地図を傍らに置いて通りや場所を確認しながら読み進んだら、まるで自分が容疑者になったような気分になってきて、大いに焦った。
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ライムシリーズの7作目。ディーバー節炸裂の畳みかけてくるどんでん返しの連続。ライムとサックスの関係に微妙な変化を予感させる。
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ここ数年のライム・シリーズに対して何となくストレスを感じていたが、本作品はそれを見事に払拭してくれた。
今回のキーポイントとなるキャラは尋問のスペシャリスト。被害者側にこの重要キャラを持ってこられると、その人物の生い立ちやバックボーンにページが割かれて不快だったが、捜査陣に加えることで、いつものプロセスとは違った興味深い捜査が展開され、ページを繰るスピードが緩むことはなかったように思う。
ディーヴァーと言えばどんでん返しの名手だが、今回のサプライズには舌を巻いた。二転三転するその先のストーリーが、全くもって予測不可能なのだ。前半のライムVSウォッチメイカーの攻防だけでも充分面白いが、後半のサプライズを含んだ怒涛の展開には、驚きを通り越して少し感動してしまった。完全なるプロットの勝利。思いついても形にすることは困難だろうに、それを易々とやってのける作者に改めて敬意を表したい。
と、ここまでが文句のない出来なだけに、サックスと父親のパートが残念でならない。不信感に端を発した彼女の暴走ぶりは必要だったのか疑問は残るが、今年読んだ海外ミステリで本作品が一位なのは疑問の余地がない。稀代のストーリーテラーとしての作者に、今後も期待していいんだと実感できた一冊だった。
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“究極の安楽椅子探偵” リンカーン・ライム、
その手足であり弟子であり恋人であるアメリア・サックス、
そして個性豊かな仲間たち...
残酷な手段で殺人を繰り返し、不気味な置時計をひとつずつ残していく“ウォッチメイカー”
捜査の結果、“ウォッチメイカー”の購入した置時計は全部で10と判明...
ライムは“彼の事件”を解決できるのか
そしてアメリアの“もうひとつの事件”とは...
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J・ディーバーのリンカーン・ライムシリーズ第7弾。そろそろ飽きがくるかなと思っていたら、今回もノンストップで読ませる。お決まりのどんでん返しも健在。ただ、少しソフトになったかも。それでも、普通の小説に比べれば、月面宙返りのようです。今回は時計に関する薀蓄も披露。それも多分、読者に対するトリックなんだけど。
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鳥肌もののどんでん返しは相変わらず健在で、結末は最後のページをめくるまでわかりません。新キャラクタのキャサリンも魅力的で、本国では彼女を主人公にした長編も刊行済み、今年には邦訳も出るという事で、こちらも非常に楽しみです。ただ、ビックリ度で言えば「12番目のカード」の勝ちかも知れません。
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リンカーン・ライムシリーズ第7作目。今回の相手は自称ウォッチメイカーと名乗る容疑者。この作品の中で新たに登場した尋問のエキスパート、キャサリン・ダンスのキネシクスというボディランゲージや言葉の選択、質問に対するストレス反応、さまざまなテクニックを使い相手の嘘を見抜く手法が面白い。リンカーンとサックスの関係にも要注意☆ルーキーのプラスキーの活躍にも思わず笑みがこぼれる。
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▼王様のブランチに出てた、筑摩書房の社長さんのお勧めにつられてつい買っちまった。▼うーん、ちょっと期待し過ぎた(というか、若干その番組でネタバレしていた部分があったので、新鮮な感動に繋がらなかった)けれど、文句なく面白かった。捜査ミステリーってこうでなくちゃな〜!▼うわあピンチ! と読者側に思わせておいて、やっぱり大丈夫で〜す、とか、これは平気みたいと思わせておいて、やっぱりダメ〜、って展開などという小技のせいで随分引っ張られた。▼この分厚さが信じられないくらいハイペースで読んでしまった。ウォッチメイカーが異常にクールでした。(08/1/12読了)
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このミステリー...で ライムシリーズ新刊が発売されたことを知り 早速図書館にて予約。栄光の1位作品を拝読させていただこうと意気揚々と読み始めました。
前作がなかなか波に乗れず かなりの時間を費やしたので..今回に期待していたのですが...。
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08/02/04〜08/02/16読了。「ボーンコレクタ」のリンカーンライムシリーズ第7作。シリーズ物ですが、知らなくても大丈夫でした。なかなか面白かったです。
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リンカーンライムシリーズ第7作。永遠に変わってしまったニューヨークの街に、犯行現場に時計を残していく、ウォッチメイカーを名乗る殺人鬼が現れた。
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これは、もちろん、リンカーンライムシリーズのの最新作。
どんでんがえしの連続。伏線が複雑で、ウォッチメーカーとライムとの頭脳戦がたまらなく面白いです。
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ここ数年で自分の読んだ翻訳小説の中では、J・ディーヴァーの作品は突出して面白かった。キャラクターの魅力も勿論だけど、何しろストーリーに力がある。翻訳小説が苦手でなければ是非一度読んでみるといい。本当に面白い。
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週刊文春ミステリーベスト10
2007年海外1位。
2008年4月11日(金)読了。
2008−29。