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【広告代理店営業部長の佐伯は、齢五十にして若年性アルツハイマーと診断された。仕事では重要な案件を抱え、一人娘は結婚を間近に控えていた。銀婚式をすませた妻との穏やかな思い出さえも、病は残酷に奪い去っていく・・・・】
歳をとって物忘れが激しくなるのは「仕方がない」ですまされるだろうが、
若い時のこの病気は耐えられないものがあるでしょうね。
しかもその「耐えられない」と思う気持ちさえ忘れてしまうなんて・・・
この病気の恐ろしいところは自分が自分でなくなるというところ。
この病気に詳しくなればなる程、読んでいる方も辛さが増してきます。
もし自分がそうなったら。もし家族がそうなったら。。
色々と考えさせられました。
もし自分が若年性アルツハイマーと診断され、
それを自分自身でも感じてしまうようになったら・・・
決して許されない道をとってしまうかもしれません。
この本の主人公や奥様はほんとに強い!
自分にはその強さがないような気がします。。。
映画化されました。
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著者の他作品も幾つか読んだが、作品によって、まるで違う著者が書いたように全く作風が異なる。それぞれ良いと思った物と、首をかしげたくなる物とあったのだが、これは素晴らしかった。他作品に共通していた事として、最初から中盤辺りでMAXになり、後半勢いが落ち、結論的なものを、うやまうやにしてしまう作品が多かった様に思う。この作品は話の流れ上、右肩上がりな展開になる事は間違いなく、最後どうするのだろうかと思ったが、やはり最後は結論から逃げた感じだった。
しかしこの作品に置いては、それが逆に良かったと思う。けしてハッピーエンドではないが、悪くもない。なんとも言えない読後感だった。そして何よりアルツハイマーについて考えさせられた事は、この作品を読むことをオススメしたい大きな理由となると思う。
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主人公が自分の異変を感じてから
アルツハイマーとわかり、妻のことさえも
誰かわからなくなるまでを
スローだけどしっかり描かれています
こわい。
ラストには、悲しさがこみあげてきます
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09/03/15読了 若年性アルツハイマーにかかった男の話。冷静に考えると恐怖でしかない。人は脆い。
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アルツハイマーという重たい題材からなかなか読む気がせず、ずっと放っていた小説をついに読み終えました。
読み始めたら、結構スラスラと読んでいけました。荻原浩の文体が重い題材をいい意味でそこまで重たくしなかった。
アルツハイマーの初期症状がこの小説で描かれる中心。病床での物語が中心というわけではない。主人公はまだまだ普通に日常生活を生きるのだが、その分、じょじょに記憶を失っていく過程が浮き彫りになった。自らの身に起きたらという、近さがあり、リアルに感じられた。
結末はついにそこまで来てしまったかという悲しさもあったが、「記憶を失っても…」という点では暖かさもあった。やや美談にも思えるが、適当な筆の置き所を選んだと思う。
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若年性のアルツハイマーに侵された主人公。
記憶が消えていき、思い出も消えていく。
本当に怖い病気。
もし自分が、嫁が、家族が、と想像したら
これ程、惨めなものはないと思う。
事実を受け入れ、理解し、それを支える。
お金もかかるだろう。
きれい事では片付けられない。
何ができるのか、何をすべきなのか。
実に色々と考えさせられた。
ラストのシーンは、あまりにも哀しく美しい。
希望をもちたい。
傑作です。
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あの名作「アルジャーノンに花束を」を彷彿させる作品だった。
主人公の様子がわざわざひらがなで記載されている個所は拝借したのだろうか。
もし自分自身も原因不明のアルツハイマーにかかったなら。
考えさせられる。
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【・・・消えてしまったゆめはもうもどってこなかった。】
読みやすかった。文章の書き方がうまいと思う。
映画にもなったし大体のあらすじは知っていたけど、アルツハイマーに限らず大病を患った時どうする?と考えさせられるね。
なかなかそのときにならないと考えられないものだけど。。
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若年性アルツハイマーを扱った作品。
娘の結婚を控える中、懸命に自分の「記憶」と闘う主人公の姿がとても緻密に描かれている。
この著者の作品全般に言えることだが、登場人物すべてに魅力があり、妻、娘、職場の仲間、陶芸教室の先生など主人公以外のキャラクターが際立っている。
特に主人公と妻との最後のシーンでは、涙が止まらなかった。
アルツハイマーに関する知識はこの本を読むまで皆無に等しかったが、その内実は驚愕だった。身の回りのことから徐々に失っていき、友人や自分の愛する人を忘れ、そして最後には自分が生きていることさえも忘れて死にいたる。「記憶」は普段当然のもののように考えられるが、だからこそ、それを失うことにはとても大きな恐怖を伴うのだと知った。
「生きる」ということの意味を考える上で、最高の良書である。
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主人公が若年性アルツハイマーにかかる系のお話です。この人の話はわりと救いがあると知っているから読みました…!
(そうでなければ読めません。)…いやー…なんか、小説の中では救われてますが、ほんと、明日はわが身というか…どうするんでしょうね、自分だったら。
ということを考えてしまいますね。そして考えるだけで死にたくなる。正直。何を失っても、人格だけは失いたくないと思うのですがどうでしょう。そんな思いも一緒になくなってしまうんだろうか。
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荻原浩さんのストーリーはいつでも生々しく現実と向き合って行くけれど、それを重く感じさせすぎず、程よく導いてくれます。
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広告代理店勤務の佐伯は、齢五十にして若年性アルツハイマーと診断された。仕事では重要な案件を抱え、一人娘は結婚を間近に控えていた。銀婚式をすませた妻との穏やかな思い出さえも、病は残酷に奪い去っていく。けれども彼を取り巻くいくつもの深い愛は、失われゆく記憶を、はるか明日に甦らせるだろう! 山本周五郎賞受賞に感動長編、待望の文庫化。
解説・本間 昭
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広告代理店営業部長の佐伯は、50歳にして若年性アルツハイマーと診断される。一人娘の結婚を間近に控えて、妻との穏やかな思い出さえも、病は残酷に奪い去っていく・・・。
自分がこの病を発病した場合の、自分が自分でなくなっていく恐怖について考えさせられた。もう一点は、家族がこの病を発病した場合、どれだけ自分が支えることが出来るか。あとがきにあるように、普段からの「人との信頼関係」の大切さを、あらためて思い知らされた。
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経理のおばさんが「荻原浩」はいいと言っていたので
手にとりました。
アルツハイマーになった広告代理店の営業マンのお話。
読むと暗くなりますね。あと、老いとか人生とか考えちゃいます。
読んで損はない本ですな。
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アルツハイマーと失明だけは本当に怖いのでどうにかしてくれないものかね…。
ものすごくリアルな切なさ。どうしようもないね。