投稿元:
レビューを見る
1年前に6人の人間が死んだ館に集まった田宮弥三郎のひ孫たち。1年前の事件で死んだ従兄弟たち。密室の館の中で『7匹の子ヤギ』に見立てられた被害者たち。凶器に残された指紋から互いに殺しあい最後に死んだのは管理人である曽根源次。しかし源次も何者かに毒殺された攻勢が高い。1年後に集まった乙彦、杏奈たちの前に現れた謎の人物・中里辰夫。弥三郎の妻・エリザベートの裸体の絵画にかくされた秘密。弥三郎、存命の時代に館で無理心中を遂げた瀬川直吉の子供の謎。
2010年11月1日再読
投稿元:
レビューを見る
子やぎたちはびっくりして、かくれようとしました。
一匹目はテーブルの下に、二匹目はベットの下に、三匹目はストーブの中に、四匹目は台所に、五匹目は戸棚の中に、六匹目は洗面器の下に、七匹目は柱時計の箱の中に飛び込みました。
☆グリム童話「狼と七匹の子やぎ」
金雀枝(えにしだ)の木々に囲まれた古びた洋館は、今は誰も住んでない。
八月の暑い中、若いいとこ同士が4人集まった。
彼らは、ここで起きた事件を考えるために集まったのだった。
去年のクリスマス・・・。
金雀枝荘にいとこ同士の男女5人と管理人が殺されたのだった。
一人はテーブルの下で、一人は寝室のベットの上で、一人は暖炉に頭を突っ込み、一人は台所で、一人は屋根裏部屋の戸棚のそばで、一人は浴槽で洗面器をかぶって、殺されていたのだった。
この殺人は、連鎖的(殺した人が次に殺されて、その殺した人が次に・・・)に指紋が残り順番に殺されたと言う。
館内は、施錠が完璧に施され全ての窓には、板が内側から打ち付けられてたのだ。
さらに30年以上過去に金雀枝荘で、管理人の家族が無理心中して赤ん坊だけ助かった過去を持っていた。
彼らの曾祖父が若い頃ドイツ人の妻の為に建てられた洋館だった。
そして妻は、2年ほど住んで故郷に帰ったと言うのだが・・・。
今は、「呪われた館」。
いとこ同士4人の他に霊が見える少女がいとこの一人に連れられて来た。
この少女が、曾祖父の妻の若い姿を見たという・・・。
そして、この金雀枝荘の興味を持ち写真を撮っていた中年の男が訪れた。
招かざる中年の男は、言葉巧みにこの館に入る。
去年の事件を聞き興味を持ち、事件の謎に迫る。
招かざる探偵は、信頼できるのか?
去年のクリスマスの事件と密室の謎とは?
過去の事件は関連があるのか?
そして、彼らがたどり着いた事とは?
今邑彩が送る本格ミステリです。
やっぱさ〜今邑彩の昔の本格ミステリは、とっても面白いです
この面白さは、読めば解ります。
お勧めですよ
投稿元:
レビューを見る
2009/7/9
救いのある終わり方でまあ何となくよかったよかったって終わったけどよくよく考えると人死に過ぎだね。
精神病むレベル。
丈夫だね。
しかしミステリとして素晴らしい。
投稿元:
レビューを見る
完璧に封印された館で発見された、不条理極まる6人の死。事件から1年近くが経ち、警察も見放した謎を解明すべく新たな6人の男女が「呪われた館」を訪れる。過去にも多くの血を吸った館でまたしても繰り広げられる惨劇。そして戦慄の真相とは…?息もつかせぬ、恐怖と幻想の本格ミステリー―――――6人の死体が発見された館は、全ての窓という窓が内側から打ち付けられた密室! また6人はそれぞれ「七匹の小ヤギ」になぞらえて殺されていたという所謂見立て殺人! 「呪われた館」を舞台に過去の事件がどのように起きたかという章と現在の事件究明の章とに交互に書かれる形式になっています。とても読みやすい所為か、賑やかにクリスマス(確か?)パーティーをする登場人物たちに、思わずこちらもほんわかしてしまうんですが、その後に起こる惨劇にこれまた恐怖に打ちひしがれる登場人物たちに、思わずこちらも戦慄してしまいます。さっきまでのほんわかさも手伝ってか余計にゾクッとしました(描写は普通の連続殺人ですが笑)。密室と見立ての推理ももれなく。一応最後まで読み終わるとプロローグに続きます。
投稿元:
レビューを見る
やっぱり新本格っていいですね。館、見立て、意外な犯人・・・たまりません。序章が物語の終わりという構成も好きです。
投稿元:
レビューを見る
クローズドの怖さは無かったけど、全員狙われている感は良かった。
登場人物がそんなに多くないので、誰だっけ?ということもなく、ストーリーに集中できる気がする。
ちょっと犯人がわかりやすいのが残念かな…。
投稿元:
レビューを見る
見立て殺人の必然性は巧い。最後に明かされる真実が哀しすぎる……。弥三郎の受けた衝撃は想像に余りある。
投稿元:
レビューを見る
これは2回読んでて読みながら思ったことが違う‥。
1回目に読んだときはなぜか主人公っていうか探偵役はこの人だと決めつけて読んでた‥。
なぜ‥?
その前に読んでた小説がそんな感じのばっかりだったからかな。
2回目に読んだのはしばらくたってからまた読みたくなって。
1回目図書館だったし、題名覚えてなかったから間違えて違う本を買ってしまった思い出あり。
なんでそんな風に思って読んでたのか不思議に思いながら読んでた。
最後まで読んだら初めに戻りたくなるのは同じだったけど。
投稿元:
レビューを見る
真っ当に上手いし面白い。
グリム童話「狼と七匹の子やぎ」に見立てられ、殺害方法もばらばらな死体。しかもAはBに殺され、Bはcに殺されて、という具合に次々と殺害犯と被害者が連鎖したかのような異常な事件。こういう事件が推理によって合理的に紐解かれていくというのはやはりいい。
見立てという要素と、ミステリの推理・真相とでどう必然性をともないながら結びつけるかというのは難しい部分だと思うけど、本作はこの点、成功作に入る。
投稿元:
レビューを見る
密室や見立ての真相は既視感がありましたが、実行する必然 性があったので納得出来ました。動機や設定なども含めてよく練られていると思います。序章が終章になるという構成も良かったです。
霊感少女は不要な気がしたのと、お屋敷にこれといった特徴がなかったのは残念でした。
投稿元:
レビューを見る
今邑彩作品初読み。
やはり本格ミステリーは面白い。
一見なんの意味もなく登場する人物が事件のキーパーソンであるのもミステリーの王道かと。
一番可哀想なのはやはりエリザベートだなあ。
ラストまで読んでやっと不率が登場人物紹介に出てこない訳が分かったよ(¯―¯٥)
投稿元:
レビューを見る
とても素敵で残酷なミステリ。
どうしようもない性格のお嬢様とお坊ちゃんが盛大に出て来た時点では特になんとも思っていなかったのだが、館で起きた事件を振り返るうちに、これは誰が物語ったことなのだろうか、と思いながらも不思議と入り込んでしまった。
嵐の山荘という恐怖よりも、最初の掛け違いから起きてしまったこの事件がただただひたすら切ない。でもそんな恐怖の裏にも一抹の幸せがあるから読後感も悪くはない。
いくつか小さな謎が残りつつも、血筋というものの残酷さと美しさを感じた。
投稿元:
レビューを見る
面白い/ 一気に読んでしまった/ ただ、母親が色覚異常だと男子はすべて色覚異常になる、と書いた数ページ後に、色覚異常の母親から色覚異常の男子が産まれる確率は1/2だと書いているのはどうなんだ/ 謎の重大な部分を占める重要なワードだからおかしいだろ/
投稿元:
レビューを見る
面白かったです。本格ミステリです。ある館で大量殺人が起き、それは「狼と七匹の子やぎ」の見立て殺人。そして半世紀以上前に起きた無理心中事件と繋がっていく。謎を解くべく集まった人々と突然の招かれざる客。客人が探偵役となりお話は進みます。犯人は探偵なのか。プロローグからどんどん時代を遡り、そしてまた戻ってくる。序章が終章であるという構成で、最後に改めて序章を読むと作品の違う横顔が感じられました。