紙の本
大手出版社などはトヨタの悪口が書けない
2008/01/14 14:44
7人中、6人の方がこのレビューが役に立ったと投票しています。
投稿者:ふるふる - この投稿者のレビュー一覧を見る
大手出版社、新聞社、民放などはトヨタから多額の広告料をもらっているので悪口を報道できない。そこで、雑誌などの広告媒体を持たない弱小出版社(?)が出版したのが本書だ。報道の問題、過労死、労働組合、リコール、下請けいじめなどについて書かれている。過労死の問題は、実際にトヨタの職場で突然亡くなられた方の妻の視点から書かれていて、涙が出そうになる。
ただ、トヨタに対して非常に批判的な視点から書かれているので、それを意識しながら読んだほうがよい。リコールなどの問題で、トヨタの不具合発生率が非常に低いのはクレーム隠しのせいだとしているが、品質がいいからという見方も当然できる。
投稿元:
レビューを見る
2兆円の裏に隠された真実と言う体で。
日本一の広告費100億円超をかけてテレビ・出版社などマスコミの情報操作をして実状を隠していると言うトヨタを企業ミシュランの渡辺さんが切る。
(ちなみに広告費と言えば携帯電話などがかかってそうだがKDDIで45億円)
元勤務者などに聞いた事実ベースで書いてある。どこの会社も実状は黒いものだが
臨場感のある形で聞くと、なんとも言えない。
最も印象に残ったのは
トヨタがジャストインタイムの名前で知られる効率的なラインを実現するのに
有名な『業務改善シート』
これが毎月提出で、内容如何で500円〜のお金出るが、業務時間外扱い。"残業代"は出ない。
グループで取り組む場合などもあるが、やはり"残業代"が出ない。
実際にそのシートのコピーがこの本にも載っているが、30分や1時間で終わるような
内容ではない。これはすごいことだと思った。
その他も以下に記すような事実はある。
・・それでも。
あれだけの利益。今、世界で勝負出来る数少ないメーカー。と言うのはすごい。
やっぱり大衆的にはトヨタはイイ会社である。
その他。トヨタの真実。ネタバレも含みます。
・低い給料水準(利益の割りに)
・娯楽の無い名古屋で本当に4畳半の寮(東京に帰りたいとの声も)
・3交代(徹夜三回)などが当たり前の風土から来る過労死
→過労死が出た際に遺族が労働組合を強くして従業員の声を
聞き入れる署名集めるも、クビや左遷につながると恐れみんな嫌がる。
豊田市にみんな住んでいるのでそれもあり、そのけん制がより強い。
・トヨタの社員は優秀。
他の自動車メーカーと取引あるデンソー社員に言わすと、他のメーカーで気付かない細かなことも気付く提案型営業。
・デンソーからの出向者へのパワハラ
デンソーの役員とトヨタの課長は同レベルの扱い。
そんな上下関係が存在し、デンソーからの出向者は非常に肩身の狭い
パワハラ状態が起こる。
・現地法人の従業員に対する仕打ちが問題で世界中で巻き起こる反トヨタキャンペーン
しかし、日本人はメディア操作により知らない。
投稿元:
レビューを見る
世界No.1の販売台数。
という、まぎれもなくすごい企業であるトヨタ。
ただし、そういった業績を築く上で犠牲になっている人達、企業は確実にいるということを思い知った。
トヨタは日本一の広告費をメディアに垂れ流し、自社に不利な情報はオープンにさせない。
超優良企業の2面性、およびマスコミの情報というのも所詮自社の利益を鑑みて取捨選択されているというこを思い知らされる。
だから、これはトヨタだけにとどまらず、自分が日々接する情報の捉え方に対する鵜呑みの危険性を示唆してくれたと思います。
投稿元:
レビューを見る
世界ナンバー1の生産台数を誇るトヨタ。でも、裏ではいろいろやってるんだな。まーそういうことしているから、今のトヨタがあるんだと思うけど。
投稿元:
レビューを見る
数々の出版社に断られ、トヨタとの利害関係が一切ないビジネス社で発刊された本書は、普段マスメディアで書かれることのない、日本一の広告料、社員の問題、欠陥率、世界での評判等のトヨタの闇の部分について書かれています。
本書に書かれていることは事実であろう。
しかし、この本だけではトヨタの一面しか見ることができない。
本当のトヨタを知るには他の本も読む必要があるが本書は必読である。
そしてこれらの問題はトヨタだけでなく、日本企業共通の問題ではないだろうか?
私たちは、もうそろそろ、本当の真実を知るべきでしょう。
投稿元:
レビューを見る
トヨタについて、働いている側から書かれたもので明るいものが見当たらないのは…。日本経済の牽引役の企業であることは間違いないのだが。
投稿元:
レビューを見る
ウォルマートでは社員全員で「W」とプリントされたTシャツをきて、万歳しながら合唱するらしいし、HPでは社交はほとんどが社員同士で外部とのかかわりは少ないらしいし、思想統制と社員管理なんて大企業では当たり前のこと。それでも、みんな望んで入社しているのは、優れた制度やシステムならば隷従してもいいと考えているから。
外国の労働者にはヒドイ仕打をしているトヨタだけど、トヨタの躍進に私達は民族的優越感をくすぐられてしまう。ヒドイ仕打は私じゃない誰かに向けられているから無関心でいられる。
Just in timeとか言って在庫リスクから逃げたり、規模にかまけて下請けをいじめるトヨタはどうなのかなと思う。そして、悪いトヨタを報道しないマスコミもどうなのかなと思う。
でも一番罪深いのは一般ピープルたち。プリウスを買う時にトヨタの清廉さなんて考えない。そこで私たちは悪意の知らんぷりをしている。
投稿元:
レビューを見る
評価の難しい本。
他の本がトヨタの光の面についてばかりあてているとするなら、こちらはタイトルの通り闇の面についてばかり。
両方を足したものが会社であって、どちらも極端という感が。
あとがきの形で社風の「カイゼン」についても取り上げているから、極端というわけでもないのかな。
社員を犠牲にしているとは言うけれど、では製造業で勝つ(=倒産せず、社員を養っていける)ためには、
他にどのような手段があるのだろう。
トヨタ社員で私が知っている人はめちゃめちゃ優秀で、
給料を吸い上げていると言われていても、それでも能力と労働時間を考えると給料が低い感が。
これだけの多数の社員を抱えていればトヨタに歪みがない方がおかしいというか、
普通の会社なんだと思えるだけで、別にたいしたマイナスイメージにはなりませんでした。
例えば研究所が娯楽のない僻地にあるとか、他の大企業でもあるじゃないさとか。
ま、これまでに無かった情報が、利害関係のないメディアから出てきたというのは大きいのかなと。
思い込みではなく、裏付けを取った形で。
この本を問題提起として、「ではどうすればいいのか」を考えてみると良いんじゃないかなと。
投稿元:
レビューを見る
地元にある大手企業なので
親族でも数名がお世話になってますが・・・
内容はトヨタの特色をよく現していて興味深く読めました。
お金で買われるマスコミも悪いけど、
企業側に立って消費者をないがしろにする行政の方がたちが悪い(笑
国土交通省と厚生労働省は社会保険庁と同じく根本から改革しないといけないって
痛切に感じました。
投稿元:
レビューを見る
トヨタの真の価値がもうすぐ分かる, 2009/3/13
トヨタの闇というのは、実はトヨタだけに限らず日本の多くの企業に内在する問題だと思いました。トヨタの全部を否定はしませんが、良くない部分、尊敬できない部分はたくさんありますし、本書を読んでもそう感じます。
ここに書かれているような人間を機械や部品と同等に扱う事(ジャストインタイムが顕著ですね)が、結果としてしっぺ返しとして、昨年のトヨタ・ショック(2兆円超の黒字から赤字への転落)に直結したのだと思います。
トヨタの車は性能が良い(実際に元ユーザーですし、レンタカーにしょっちゅう乗る実感です)のですが、その車がどんな形でできているのか、生産している人達がどんな気持ちで、どんな顔で作っているのか。30台の方の自殺やデンソーからの出向社員の話などを読むとかなり重苦しくなります。せっかく、昨日、環境に良いプリウスに乗ったばかりでしたが、なんだか悲しい気分になりました。
そして今、トヨタが人間を機械・部品として扱っていた事が、恐らく08年度決算、09年度で明らかになるように思います。利益の追求が結果として、従業員の幸福にも繋がらない会社であれば、誰も尊敬されなくなると思います。
良い車を作れる会社なのですから、その努力の一部を従業員らに還元してあげればいいのにと思いました
投稿元:
レビューを見る
トヨタも一企業なんだなと思った。
ただ、豊田市で働く人のトヨタグループとの関わり合いの記述にはびっくりした。
投稿元:
レビューを見る
今話題のトヨタはこんなにひどい会社という本。出版は2007年なので少し前。巨大な広告費で反対意見を抑えてきたというのは、最近の報道でよく言われているが、少し早めにちゃんと指摘しているのは偉いのだろう。
しかし、その「闇」の内容を見てみると、それほど特別には思えない。過労死・第二労組・下請けいじめ等。あまり誉められたことではないが、統計的には示されておらず、特殊ケースの羅列で、それで企業の体質を判断できるというほどではない。リコール問題についても、出荷台数が多いんだから、まあこれくらいはあるのでは、という気になってしまう。タイトルほどは刺激的な内容ではない。
投稿元:
レビューを見る
現在、自動車会社の工場に勤めてる私にとっては、非常に身近に感じる内容だった。言葉がでないが、身に染みる思いをした。
巨大な車を1分に1台作る自動車工場は、徹底した効率化とムダの排除が行われている。その分、何か大切なものが欠けている気もする。
世界を牽引する日本の自動車会社。
その裏側には決して妥協の許さない組織体制が成されている。
投稿元:
レビューを見る
トヨタの中で働く人達の苦労と巨大企業としての影響力の高さの悪い部分を書いてある。中で働く部分に関しては、特にトヨタが…という気はしない。労働組合側の弱さや大企業病は、他の企業にも見える部分だ。影響力は、広告おスポンサーとしてメディアから、マイナスイメージの記事を見ないことも確か。
投稿元:
レビューを見る
日本の自動車業界のみならず、経済界そのものの中核とさえ言えるトヨタの内情を知らしめる本。
過重労働、危険な工場、多額の広告費によるメディア制御など、華やかなイメージとは対照的な闇がある。
一寸先は闇という経済の中、清廉潔白な企業など稀有であろうことは想像に難くない。だが従業員、ひいては顧客の安全を軽視する言い訳にはなりえない。
しかし、トヨタ以上に悪質な企業が多数存在するのも事実。クソみたいな国だ。