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有斐閣が新進気鋭の若手学者を登用して始めたシリーズ本の第一作。
それだけあって、かなりの良書となっている。
細谷准教授の著書のよいところは、大量の引用で読者にわかりやすく説明している点である(当然検証もできるので、科学という観点からも非常に有効)。
さらにこの本の参考文献を見るとわかるのが、かなり幅広い分野の本を読んでいることである。しかも新旧問わない。
それだけに視点がぶれず、偏らず、納得できるものとなっている。
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終章の、「21世紀の外交」という章が素晴らしいです。
対テロ戦争の時代において、日本外交に何が可能であるか示唆されています。
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日本若手No.1国際政治学者といわれている細谷先生が、専門の外交を教科書向けに書いたものです。
わかりやすく書いてくれているので、私は重宝してます。
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「外交論」入門書・案内書として読みやすいが、旧外交と新外交の対比に力を割きすぎているためか、ややもの足りず、といったところ。
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慶應義塾大学法学部准教授(国際政治史、国際関係論)の細谷雄一による「外交学」の入門書
【構成】
序章 「外交学」のすすめ
1 三冊の『外交』
2 外交研究の発展 「技術としての外交」から「対外政策」へ
第1章 外交とは何か
1 「外交」とは何か
2 「外交」の起源
3 「外交」の発展
第2章 「旧外交」の時代
1 イタリアからフランスへ
2 フランスからイギリスへ
3 「旧外交」の成熟と衰退
4 近代日本の外交
第3章 「新外交」の時代
1 「新外交」の登場
2 「新外交」と国際連盟
3 「新外交」の没落
第4章 現代外交の時代
1 イデオロギーの交錯
2 第二次世界大戦後の外交
3 冷戦後の外交
終章 二十一世紀の外交
1 「対テロ戦争」の時代へ
2 日本外交に何が可能か
「外交」とは何か?という問いについて、古代ギリシャからはじまる「交渉」から15世紀イタリア都市国家間の「外交」、そして17世紀から19世紀にかけて西・中央ヨーロッパで徐々に形作られる「旧外交」の姿を簡潔に描くことで、歴史的な「外交」が提示されている。
アーネスト・サトウ、ハロルド・ニコルソンといった「旧外交」を熟視しているイギリス外交官の言説をしばしば引用しながら、貴族的で秩序のある同質的な「旧外交」の姿はわかりやすい。
そして、この「旧外交」を否定する形で登場するウィルソン大統領の非妥協的・理想的な「新外交」は、第二次大戦後のケナン、モーゲンソーといった理論家たちが主張するようにより現実的な妥協を探る路線へと転換・修正されていく。
文体・内容とも非常に簡明であり、入門書としての質は高い。ニコルソンの『外交』を再読したくなるとともに、遅々として進まないキッシンジャーの『外交』の早期読了を決意させられる良書である。
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[ 内容 ]
「外交」とは何か。
「外交の本質」とは何か。
グローバリゼーションを中心とする二十世紀の国際社会の歩みは、古典的な外交像、すなわち「旧外交」から大きく異なる現実を生み出した。
ハロルド・ニコルソンが外交論の古典『外交』を著して七十年、その間に第二次世界大戦が終わり、冷戦も終結し、九・一一テロ事件が起こった。
新しい時代に、外交はそれまでとどのように変わり、私たちの社会に外交はどのような位置を占めているのか。
古典的な外交理論や「外交学」の成果、偉大な外交官たちの回顧録などをふまえ、歴史的視座から外交を問い直す。
[ 目次 ]
序章 「外交学」のすすめ
第1章 外交とは何か
第2章 「旧外交」の時代
第3章 「新外交」の時代
第4章 現代外交の時代
終章 二十一世紀の外交
[ POP ]
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[ 関連図書 ]
[ 参考となる書評 ]
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商人的外交観 - 主として、宥和・和解・妥協および信用に関心を置く。お互いに妥協する方が敵を完全に壊滅するよりも、普通、利益があるものだという仮定に基づく。
武人的外交観 - 敵を包囲し、戦略地点を占領し、それをただちにしっかり固めてから前進し、あらゆる種類の攻撃で戦線の背後にある敵を弱め、主要敵国とその同盟国の間に楔を打ち込むためのあらゆる機会を求め、他の攻撃にたいする攻撃を計画している間、敵を一地点に釘付けする努力をする。
パブリックディプロマシー - 自国の対外的な利益と目的の達成に資するべく、自国のプレゼンスを高め、イメージを向上させ、自国についての理解を深めるよう、海外の個人および組織と関係を構築し、対話を持ち、情報を発信し、交流などの形で関わる活動
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「外交」入門書としては優れている。旧外交から新外交、現代外交への歴史的変遷が主な内容。その後、現代の日本外交の問題点をいくつか述べている。
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とりあえず、外交の入門書・導入書としてはいいんじゃないでしょうか。具体的な外交交渉記録を何冊か別に検討すれば、多面的な視点が得られるように思う。
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「西洋外交史」という科目の必修参考文献。
「外交」という概念の歴史的変遷、つまり外交史について。
米国大統領ウィルソン(1856~1924)が一次大戦後に提唱した所謂「新外交」の欠陥についてもアーネスト・サトウやハロルド・ニコルソンなどの歴史的外交官の主張などを基に言及されており、非常によくまとまっています。
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外交官同士の外交が主だったのが、近代になって首脳同士の外交、さらにNGOや企業なども含んだ多角的な外交になっていった
外交というのは西欧文明から発達しているため、非西欧文明との外交ができない
民族自決の原則によって非キリスト教、異なる宗教や文明が国際社会に登場できるようになり、それまでの西欧的な外交ができなくなった
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長く積読になっていて、引っ越しの時に処分してしまったらしく、見つからないが、在庫切れ(絶版?)。
図書館で借りて読了。
増刷または改訂されると良いなあ。