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若者論のような題名だが、どうも問題はさらに根深い。かつて言われた〈私〉探しやニート・フリーターの労働疎外の問題として捉えると問題の矮小化に思える。日本の閉塞感からの避難といえば聞こえはいいが、「国際的ひきこもり」「外こもり」として物価の安い海外で生活し、日本へ逆出稼ぎする日本人が増え、その人々が高齢化していく様は、国際労働力移動というより「難民」である。日本の抱える難民問題が、難民受け入れ問題だけではなく、難民流出問題でもある現状を、日本の政治家や企業経営者がどのように感じているのか是非その考えを聞いてみたいものだ。経済的にもコミュニケーション的にも日本社会に馴染めない日本人が、フラット化した社会の恩恵を受けつつ、異国の地で細々と貧しく食いつなぐ。贅沢よりも「ゆるさ」を求める者を逃避や怠惰として非難し事足れりとするなら、そのことがまさに日本が閉塞しつつあることの証左なのだろう。
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この本は、日本を降りるとうか日本を出て海外で
引きこもる若者の現状を書きつづった内容になっています。
内容をまとめると
1.タイのバンコク:カオサンに日本人が引きこもる
2.物価が安く、交通費が安いところに集まる
3.日本で挫折又は心を病んでしまい適応不可の人が多い
の三点ですね。
私自身、良く知りませんが海外へ留学とかワーキングホリデーとか
かなり羨ましかったのですが、実態はそうでもなく、英語も特に
使えるようになるわけでもなく、遊んで終わる事が多いようです。
また、当初はかなり積極的に夢と希望を持って行っても、結局
現実的に海外で働く事は厳しく(給与面・技術的面において)、
日本で稼ぎ、そのお金でまったり長期的に暮らす事に慣れてしまう
ようです。(一度ぬるま湯に浸かるとなかなか抜け出せないですよね)
総じて、日本の引きこもりより幾分ましだが、対して変わらない感じが
します。ただ、これが良いか悪いかは論じる必要もないし、正直な話
誰も分かりません。
彼らが、そのような生き方で幸せであるなら良い、と思います。
そして、そのような生活が出来る(円が強く、発展途上国の通貨が弱い)事は
やはり日本が豊かな証拠であり、そういった生活は豊かの証拠かもしれません。
ただ、この本に記載されていた人達は、あまり幸せそうではありませんでした。
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タイなど東南アジア諸国と日本を行ったり来たりしながら現実逃避的な生き方をしている若者の様子を取材したルポ。
よく就活本に出てくるようなバックパッカー全般を「外こもり」と(悪意を込めて)名づけているのかと思ったら、本当に外国で引きこもりをしている人種がいるらしい。その事を知れただけでも十分価値があり、面白かった。
でも新書で出すような内容ではない気が…。独善的でもいいから若者論的なものを展開してくれるのを期待してたのに、ちょっと淡々とし過ぎだと思った。よくある旅本(読んだことないけど)の域を出てはいない気がする。
200円。
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日本で数ヶ月集中的に働いて金をため、残りの期間はバンコクのカオサンでなにをするでもなく、過ごす人々について。
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バンコクをはじめアジアの街で、何もせずただダラダラと生活する「外こもり」の若者が増えている。なぜ、彼らは海外で「こもる」のか? 彼らの生き方から日本社会の現実を映し出す。(TRC MARCより)
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忘年会が続き疲れていたので、軽めの本が読みたくなり、なんとなく本棚から取り出した。
日本で生きることを降り、タイでのんびりと生きることを選択した人間たちの話。
東南アジアを旅行していると、そののんびりとした時間の流れを居心地よく感じることがある。
実際にタイ人は、「いかに楽をするか」ということばかりを考えており、「汗水流して働く」ことを美徳だとは考えていないらしい。
特に印象的だったのは、タイ人女性と結婚した日本人の話だ。タイで務めていた会社を辞め仕事がなくなりタイ人女性の故郷に戻っても、女性の両親は咎めることもない、というエピソードだ。
男性だからお金を稼ぐ、お金がなければ何もできない、そういった日本社会の常識とは異なる文化が存在するらしい。
日本社会のギスギスした競争社会に疲れた若者たちはタイを目指す。
本書の趣旨とは違うが、僕は「発展」とは何なのか考えてしまった。
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きっかけは、年間ほとんど会わない妹が海外に行きまくってるって聞いたことと、R25かなんかで「外こもり」をする若者が増えてるって記事を読んだこと。
「もしか、妹もそうなんじゃねーの?」なんて兄貴らしく心配してみたりして。
そこから、「いつか読む本リスト」に入ってた本。
結果として、当たらずも遠からずかな、、、。とか言ったら怒られるかもしれないけど、雰囲気的にはそんな側面もあんだろなって思いました。
と、まぁまぁ妹の話は置いといて。
<本の紹介>
日本で悩み続けたことがバカみたいに思えてきた。バンコクをはじめ増え続ける「外こもり」。彼らがこの生き方を選んだ理由とは。
日本の社会で、若者世代は冷遇されてる。それは間違いないと思うし、それを国策として「いいのか?」って思う気持ちと、「当然だろな」って思う気持ちと、俺はどっちもあります。
だって、なんかおかしいこと言うけど一般的な若者像ってのだと俺は好きになれない。自分の仲間内を見てるとそうでもないぞって思うけど、一般的には若者って「今」が良ければって思いが強くて、視野が狭すぎる。未来の見通しって聞くとあんま見えてない人が多すぎて…そんな中だと、こんな若いうちからマンション買って借金返済に追われてるような俺は浮きます。話が合わなかったりして。
かなり切実に辞めさせられるのは困るから仕事できるようにならなきゃ、必要とされる人間にならなきゃって頑張ってるけど、俺は自分の人生考えたらこれが今普通にやるべきことだと思ってます。
ただ、この本を読んである種そういったことを放棄した人たちもいることを知ったりして。東京は時間の流れが早いって、地方から来た人がよく言うけど、確かにそうは思う。それに比べて、カオサンにいる人たちは同じ24時間を何もせずに過ごしているそうな。俺にしてみれば、「金も仕事も人間関係も取り返せるけど、時間だけは2度と戻ってこない。その時間をこんな使い方するなんてもったいない!」とか思うけど、どうなるんだろう。
例えば10年間外こもりを続けたとして、短期的に日本に稼ぎに帰ってくることはあれど社会に10年後に復帰するとして、35歳前後。一般的な企業側が転職を受け入れる最高年齢に近いとこで、何もスキルを身につけず、社会人経験もほぼゼロで、頼みの親は年金生活で援助できるような立場にない。もしくはいない。素晴らしい資産家で遊学をしてるってんならまだしも、現実逃避じゃ何も解決しない。今は確かに楽かもしれないけど、俺はそんなことしてても未来が不安で楽しめないだろな、と思います。だって、できることがあるし年齢的にはチャンスもまだあるんだ。そこでやるべきことをやってない人が、いつかツケを払うことになるのは当たり前なんじゃないか。
半年や1年、精神的な回復をする為に外こもりをするってんならわかるけど、この本に出てくる多くの人は外こもりになったが最後、日本に帰ってくることを拒否しているような人たち。
どうするつもりなんだろう。
昔、日本の賢者中嶋さんに「日本という国は海外移住者を見捨ててきた過去がある、現代���入っても人身売買をしているような、国民の人権をないがしろにしている国だ。」って聞いて、「そうなんだ。」って思ったことがある。ちょっと詳しい情報は覚えてないけど、海外移住者の場合年金受給資格にも影響するんじゃなかったっけ?25年ちゃんと納めるつもりで60歳でもらうつもりなら、35歳はリミットだ。
日本が住みづらい国になってて問題山積みなことは間違いないと思うけど、それでもなんとかやってかないと、何も起こらない。人のフリ見て我がフリ直せ、じゃないけど、世の中見えないし不安があるうちはどうにか頑張っていかないとな、と思いました。
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社会現象はすべて関連している。もちろん、外こもりも、ワーキングプアも、年金崩壊も。
日本で短期間働いて、残りはタイなど物価が安いところで、何もせず生きている-暮らしているとはいえない-姿を、アジア滞在を啓蒙した著者によるレポート。彼らはなぜ帰って来れなくなってしまったのか。
日本で生活費を稼ぎ、日本人で集まり、ネットカフェで日本のサイトを見ている生活は、日本と切り離せない実態を際立たせているだけで、国際、もしくはその社会の構成員となるというグローバルやボーダレスで語られる生活とはまるで違う。
この外こもり問題を若い世代だけだと考えてしまいがちだけど(ワーキングプア問題もね)、年金が崩壊し、ただ死ぬまで生きるために生活費の安いタイに移住した老人の姿には、思っていたより日本の病は進行してると知って、心底ぞっとした。
これは、早急に解決しなくてはいけない日本の国内問題なんだ。
安易な解決策を示すわけでもなく、学術的でもなく(統計をとろうとか、分類しようとかしなかったという意味でね)、外こもり像をインタビューによって明らかにした良書。
社会現象がすべて関連しているなら、良い影響も連鎖してくれると信じるしかない。
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今後社会に出る若い人に読んでもらえればわかると思うが、この本に共感出来る人は正常な人ではないか?
今の日本は正直言って住みにくい…
正社員としてのレールから外れてしまうとお先真っ暗。読んでいて自分もそんな人の一人になりそうで途中から読むのが怖くなってきた。
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まったく縁の無い若者達だが、他人事とは思えない、妙な感じが残った。
日本で歯を食いしばって働くサラリーマン達と彼らは紙一重なのかもしれない。何かが足りずに、日本から降りてしまうのだろう。それは、機会なのか、努力なのか、仲間なのか。
あまり、深刻に考えずに、日本で上手くやっていきたいもなです。
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引きこもりのように仕事もせずタイにひっそりと生きる「外こもり」、それぞれのエピソードに20代の時の自分が重なる部分が多く、興味深かった。
ある程度お金貯めてアジアを長期間旅しようかな…って考えてたな。。
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バンコクの「外こもり」の実態。著者はそのことを評価もしないし、でも非難もしない。ただ、この国がそれだけ住みにくくなっているんだなーって感じ。あるいは、僕たち日本人は「弱く」なっているのか。それとも彼らは、やすやすと国境を飛び越えてしまう、仕事にも故郷にもとらわれない新しい自由民なのか? でも、きちんと考えれば考えるほどやっぱり本当は彼らは不自由なんじゃないかと、思えてしまう。日本を降りたものは、結局どこにも上がれないんじゃないかなー。後ろ向きなのである。
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あくまでも旅の途中である「沈没」とは一線を画する「外こもり」というスタイル。現代日本から「難民」。ネカフェより安い居場所としてのカオサン。日本という舞台から降りることで生きていけることと,日本人であることは辞められないこと。ヒト・モノ・カネのうち,最も流動性が低いのがヒトだが,それも徐々に変わりつつあるのだろう。さて,自分はこれからどこへ行こうか。
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著者の描写される若者達への考え方というか書き方がまず気に食わない。外こもりは、自分もできたらしてみたかったりするが、しても精神的には救われないのかな?@オーストリア
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日本でお金を稼いで、お金がなくなるまで物価の安い海外で生活する「外ごもり」を取り上げた本。
自分の周囲にはいないような人が多く取り上げられていて知見を広げられた。
経済成長を基盤にした終身雇用や年功序列型の雇用制度が崩壊した世の中で新しい生き方が求められている。
外ごもりもそんな新しい生き方の一つだろう。
自分の価値観を磨ける本だと思う。