紙の本
その答えの残酷さと正しさとの間にあるもの
2012/08/19 20:30
4人中、4人の方がこのレビューが役に立ったと投票しています。
投稿者:桔梗 - この投稿者のレビュー一覧を見る
とてもシンプルな恋愛小説
アメリカの海沿いの町
陸軍兵士のジョンは ボランティア活動中の女子大生サヴァナと出逢ってすぐ恋に落ちる
お互いこれ以上の人はいないと思うようなかけがえのない存在になり ジョンが遠くの任地に行って離れてしまっても ふたりの絆はより一層深まっていく
けれども
ちょっとしたことでふたりの間に生じたほころびが
ある事件がきっかけで大きくなっていく
お互いに相手を想う気持ちは変わらないけど…
「本当の愛とは何か―」を問われる
わが身の幸せより愛する人の幸せを大事にするってのは 簡単ではない
抱きしめることも 忘れ去ることも そのどちらも叶わないのなら
その大切な人の幸せを見守るしかないってのも
ひどく残酷な答えだなと思う
それでも
その答えを正しいと肯定するようなラストシーン
共に空を見上げて一瞬月をながめるジョンとサヴァナ
ほんの一瞬でも
その幸せな一瞬が心にともす灯のおかげで 自分の道を行こうと思えるのかもしれない
その答えの残酷さと正しさとの間にあるものを“希望”というのかもしれない
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私にしては珍しく恋愛ものを読んでみました。淡々と、展開される物語だなぁ〜と、途中まではどうってことない本だなんていう印象でしたが、読み終えた今では、切なさが優しく表現されていて、爽やかな読後感を味わえました。最後の最後でぐっと胸に切なさが押し寄せてきて、優しく温かい一筋の涙が流れるような、そんな作品でした。
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いつものように何の前知識もないままに装丁で選んで読んだ本だったから余計に胸にしみた。ロマンティックな話だろうと軽く読み始めてみたけれど、そんなさらりとした言葉では言い表せないものだった。ストーリーの展開や登場人物たちの性格に心の深いところを刺激され続けた。手にとって読んでみて本当に良かった。
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『きみに読む物語』が読みたかったのですが、こちらにも興味があったので読んでみました。
遠い距離と、募る思い。すれ違う二人を見ているとうーん、こういうものなのかぁ・・・と。
私には、少しおもい話だったのかも。
サブァナの気持ちにうんうんとうなづくことができませんでした。
だけどあんなにきれいなラストは想像していなかった。
ラストを読むと作品が頭の中でスルンとまとまって、それはとても心地が良かったです。
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恋愛小説でもあるけど主人公と父親の親子の物語の部分も感動する本でもありました。主人公が陸軍兵士ということで、年に一度二週間だけ一緒にいられるという遠距離恋愛につきものな離れている間の不安や、せっかく会えたのに些細な気持ちの行き違いから喧嘩してしまういらだちなど、すごくうまく表現されていてなおかつ読みやすい文章で一気に読め、最後には表紙の意味と美しさに感動する話になっていました。
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9.11やイラク戦争という時代背景とした恋愛物語。「きみに語る物語」でい全米600万部の売上をあげ、一躍人気作家となったニコラス・スパークス。「きみを想う夜空に」も2006年の恋愛小説トップセールスを記録。
「マディソン郡の橋」が好きな人は好きかも。
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愛しあう二人が結ばれることの難しさを描いた物語。このような恋愛ものは苦手であったが、意外と楽しめた。登場人物の少なさと、リアルな喧嘩場面が読みやすい理由かも。
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全米ベストセラーだというので、読んでみました。
原題は「Dear John」恋人からの別れの手紙の出だしだけど、意味深い。
主人公ジョンは、父一人子一人で育った青年。
郵便配達人の父は真面目だが無口で愛情表現も少なく、コイン収集が趣味で、そのために倹約し、そのこと以外には話題がない。
子供の頃はコイン集めに興味も持ったが、しだいに反発してグレてしまう。それもばからしくなって、陸軍に入隊。
苛酷な訓練を受け、危険な戦場へ行く羽目になるが、大人にはなっていった。
休暇で2週間の帰国中に、ボランティアに参加するために海辺の街にやって来た大学生のサヴァナと恋に落ちる。
山間部の牧場育ちの真面目な優等生で、まっすぐな気性だが、優しいだけにちょっと気弱な所がある。派手で遊び好きな学生仲間とは一線を画す人柄のサヴァナは、ジョンに他の人にない物を感じ、互いに夢中になっていく。
ドイツ駐留のジョンとサヴァナは遠距離恋愛に。離れていることが辛く、おりしも9.11が起きて除隊を延長すると、サヴァナは耐え難くなる。
サヴァナの方にも、幼なじみで隣人の牧場主夫妻が事故死という事態が起きていた。その家の息子ティムとはボランティアを一緒にする親友。
ティムの弟は自閉症で、症状はかなり違うがジョンの父もそうだと指摘するサヴァナ。ジョンは最初怒ってケンカになるが、それでだったのかと納得していく。
父の死後、サヴァナを訪ねると‥
悲恋だが、ジョンにも救いはないではない。
満月の夜にはお互いのことを想い合おうと誓ったように。
美しい終わり方が印象的。
戦争で引き裂かれたり、上手くいかなくなったカップルも多いのでしょうね。
正当化しきれない戦争に苦しむアメリカ人の心を癒す本だったのだろう。
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主人公の男性が、純愛を貫くこと、家族とのコミュニケーションにかんして描かれた作品。
自分の幸せより、相手の幸せを想う。
そしてその想いは、いつまでも消えることがない。
すごく、純粋できれいな作品なのですが、実際にこんなことはきっとできない。
なんて想ってしまうのは自分の心の醜さなのでしょうか。
泣けるところまでは行きませんでした。
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男性作家が男性の側から描いた純愛小説。
恋愛小説はエンターテイメントに偏りすぎて駄作に陥りがちですが、この著者の作品は違う。
グッと胸がしめつけられます。
男性にこそ読んでほしい作品。
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父親とのコミュニケーションがとれず高校時代から荒れた生活を続けたジョンはある日アメリカ陸軍に入隊する。
軍隊生活で生活に安定が戻るも、休暇中に実家へ帰るが、相変わらず父親とのコミュニケーションが取れない。ある日、サーフィンをしていた時に一人の女性と運命の出会いをする。
でも、そんな出合いも9.11事件や軍隊生活を延長する中で少しづつずれていく・・・・
いい話です
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【再読】
読み始めるまで、すっかり忘れていた。
サヴァナという名前が印象深かったせいか、名前が出てきて
やっと思い出した。
結末がわかっているのに、最後にサヴァナが庭に出て
満月を見上げるシーンはやっぱり切なくて泣いた。
サヴァナ・・・したたかな女だなぁ。
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君に読む物語の作者の作品。
どうしても、日本語訳になれず、なかなか読み進めるのは大変でした。
また、先の展開がなかなか予想できるもので、そこまでストーリーに感銘を受けるようなこともありませんでした。
しかし、冒頭の部分と、最後の部分の接続が見事。ラストシーンは本当に切なさに溢れつつも、二人の愛に感動せずにはいられない作品であり、その鮮やかさから星は5つです。
ここまでラストシーンで本としての評価が変わった作品は初めて。
ぜひ一読を。
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『メッセージ イン ア ボトル』『きみに読む物語』の作者。 恋愛物、純愛物は私の好みではないが、たまたま前2作を読む機会があり、どちらも胸がキュンとしたので今回も読んでみた。はたしてこれも胸はキュンとなった。 相手を思い焦がれる強さ、でもそれが手に届きそうなのに届かない切なさ。 こういう心模様を説明するときの表現の仕方や、様々な事象についての説明の仕方が独特。 強烈な感情の爆発も、どこか夢の中の話しのような現実感が伴わない感じ。そんなふんわり夢見心地な中で読めるニコラススパークス。次の作品もぜひ読みたい。早く日本訳されないかなーー。
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「どれだけ自分の選択が苦しくてもわが身の幸せより
愛する人の幸せを大事にする、それが本当の愛だ。」
という主人公の言葉に感動しました。
【九州看護福祉大学】ペンネーム:あいじろう