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のぼうの城 みんなのレビュー

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みんなのレビュー918件

みんなの評価4.0

評価内訳

908 件中 1 件~ 15 件を表示

紙の本

近々行田市の郷土博物館に行ってみよう。これは行田市の町おこしに一役も二役もかっているベストセラーである。

2008/06/24 16:26

10人中、10人の方がこのレビューが役に立ったと投票しています。

投稿者:よっちゃん - この投稿者のレビュー一覧を見る

埼玉県に住んでいながら、この物語の舞台となった忍城(おしじょう)や城主であった成田一族についてはほとんど知らなかった。戦国時代を描いた数々の歴史小説でもこれを取り上げたものはあまりないのかもしれないと興味津々として読み始めた。それにしても「忍城」といい別名「浮き城」といい、城攻めが難しい秘密の仕掛けを用意した忍者屋敷のようで、いかにも冒険とロマンにあふれている。この作品はまさにその雰囲気そのままに波乱万丈であったよ。

埼玉県行田市(ぎょうだし)の観光協会ホームページはこう案内している。
「関東七名城の一つとされる忍城は、室町時代の文明年間に築城されました。時は戦国時代の終わり、豊臣秀吉の関東平定に際して、石田三成らによる水攻めにも果敢に耐えたことから『浮き城』の別名が生まれたと伝えられています。現在の忍城御三階櫓は、明治6年に取り壊されたものを再建したもので、最上階からは市内の景色が一望できます。昭和63年に開館した郷土博物館は、かつての忍城本丸跡地にあり、………。」

またここの郷土資料館のホームページでは
「戦国時代、行田周辺の武蔵武士の中から、現在の熊谷市上之を本拠地とする成田氏が台頭し、忍城を築城しました。文明11年(1479)の古河公方足利成氏の書状に『忍城』、『成田』とでてくることから、このころには築城されていたと考えられます。当時の城主は成田顕泰といい、以後親泰、長泰、氏長と四代にわたり、天正18年(1590)まで、約百年のあいだ成田氏が忍城主でした。」

そしてこの作品のあらすじは
「時は乱世。天下統一を目指す秀吉の軍勢が唯一、落とせない城があった。武州・忍城。周囲を湖で囲まれ、『浮城』と呼ばれていた。総大将・成田長親は領民から『のぼう様』と呼ばれ、泰然としている男。智も仁もないが、しかし、誰も及ばぬ『人気』があった。この城、敵に回したが、間違いか。石田三成二万の軍勢に、たった二千で立ち向かった男がいた。」

文芸作品としての歴史小説は史実の重みの中で現代に通じる人間の喜怒哀楽を描いているところに魅力があって、しかも漢字の持つ豊かな表現力でその魅力を倍増させている作品が多い。この作品はそうではない。エンタメ系の平易な文体で史実重視というよりは著者の豊かな創造力が生んだ痛快時代小説に近い楽しさがある。

領民から「のぼう様」と親しまれているこの主人公・成田長親の人物像はおそらく著者が独自に味付けしたものであろう。本当かしら?と思われるほど知恵も力もない飛びぬけた「のぼう振り」では、忍城水攻めで男を上げようとしている石田三成の軍勢を前にひとたまりもないはずである。だから読み手としてはどうなるんだろうどうなるんだろうと心配しつつ読み進むことになる。彼を取り巻く武者たちは関東武士の根性を見せてやれとばかりに血気盛んな男たちでウイットとユーモアがあり、単純な奴が多い。その戦闘シーンは昔読んだ真田十勇士の奇想天外な防衛戦を髣髴させ、ワクワクさせられる。
中央政権に歯向かう地方小藩であり、この図式は先日読んだ火坂雅志『臥龍の天』と同じだ。なるほど、地方分権、これからは地方の時代といわれながら実際は取り残されていく地方。これが現代の非情な政治力学であるから、このウップンを読書で晴らそうとすることはおおいに結構なことだ。それに民を治めるということは民とともに生きるということだと、最近では為政者もまったく口にしない政治の要諦を抜け抜けと感動的に料理したこの作品、絵空事だけどすっきりした気持ちにさせてくれます。

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紙の本

こーゆー歴史モノもわるくはないが...

2012/06/20 13:16

0人中、0人の方がこのレビューが役に立ったと投票しています。

投稿者:のちもち - この投稿者のレビュー一覧を見る

天下取り目前の秀吉が、落とせなかった武州・忍城。この城を舞台にした半史実・半小説。タイトルの「のぼう」という意味がわからず読み始めたが、忍城の城代・成田長親が農民などから呼ばれている通称であり、そもそもの意味は「でくのぼう」だという。この「のぼう様」が、数的に圧倒的に劣勢でありながらも、石田三成軍を寄せつかなかった戦。その戦の始まる背景から終結まで、「人間」を中心にストーリーは展開されます。

個人的には、この時代の歴史ものが最も面白い。本書では「脇役」であるが、秀吉のキャラ、秀吉に従った者たちの個性、それに対抗する少数勢力が、それぞれ光を放っているように思えるからだ。それほどこの手の歴史モノを数多く読んでいるわけではないけれど、忍城という、歴史の教科書では出てこない、それなりの小説でも一部触れられているようなところにスポットを当てるその発想からしてユニーク。そして「のぼう様」が、剣の達人であるわけでも、戦略戦術に長けているわけでもなく、そんな「主人公」が、どのような魅力で、武士、農民をまとめているのか...

次第に、「のぼう様」のキャラがわかってきますが、残念ながらその魅力を存分に感じる、というレベルまでは至りませんでした。脇を固める武士の卓越した技量にむしろ「かっこよさ」を感じながら、戦のダイナミック感、人心のうつろいやすさ、それから石田三成の残念な性格(...)を読んできます。三成に関する史実では、この忍城の一件は確かに汚点(最初の)だったようです。本書では主人公との対比で描かれているので、より彼の「欠点」が明らかになっているようでした。
秀吉は本書ではホントに脇役で、「特別出演」くらいの扱い。確かに、全ての戦の現場で秀吉が存在したわけではないし、本書に描かれた支城での戦いなど、もはや目にする機会がないことの方が多いのだろうと思う。

歴史モノにそれほど強くない自分でも、「小説」としてエキサイティングに読めるものです。逆に史実に明るい読者は物足りないのかもしれない。個人的には、楽しめたものの、もうしょっとは「有名人」の出演場面もあってよかったかなあ、と思う。「知っている名前」を見つけると結構うれしかったりするから...

【ことば】「この忍城の者どもは、士分も領民も一つになっておる...所詮は、利で繋がった我らが勝てる相手ではなかったのさ」

三成はわかっているのだ。これをその後に活かさなかったのはイタイけれど...自ら敗軍の将に声をかけるなど、三成のどこかに「人間的」なものがあったのは彼を語るエピソードの中では、ちょっとだけ光があたる「いい」部分。

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2012/01/19 06:08

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