紙の本
旅や日常での出来事、物事を面白くて脱力させるエッセイ集
2009/12/05 13:29
4人中、4人の方がこのレビューが役に立ったと投票しています。
投稿者:toku - この投稿者のレビュー一覧を見る
単行本「52%調子のいい旅」の文庫本版。
この本の前に出版された「わたしの旅に何をする」は、旅好きの宮田氏がサラリーマン時代と会社を辞めたあとにいった旅における理不尽とも思える偶然、必然の仕打ちを描いた面白エッセイで、かなりのインパクトをもって私を虜にした。
本書はというと、ノンフィクション辺境作家の高野秀行氏の解説にもある通り、なかなか説明しづらい面白さで綴られているエッセイで、どこかすっとぼけた感じの書き味であったり、いきなりウルトラマンや仮面ライダーを使った比喩が展開されたり、自虐的な内容があったり、ウケを狙おうとしてワザとすべった感じを出していたりなど、読むと確実に浸食されていく宮田ワールドが待っている。
本書はあとがきにあるように、旅行の話が52%、あとは趣味や日常などの話で宮田ワールドが炸裂する。
単行本では旅の52%から「52%調子のいい旅」としていたそうだが、文庫本化にあたりエッセイをひとつ加えたことで、52%がなりたたなくなったために本書のタイトル「ときどき意味もなくずんずん歩く」としたそうだ。
タイトルのネーミングも彼独特のユーモアが滲み出ている。
内容は大まかに、『ときどき発作的にずんずん歩く』『意味はないが、なんとなく海外旅行』『いつの日か、ファミリーレストランで』にグループ分けされている。
『ときどき発作的にずんずん歩く』は、彼が発作的に行ってきた趣味や旅行などの顛末。
『意味はないが、なんとなく海外旅行』は、海外旅行におけるかなり主観的な旅エッセイ。
『いつの日か、ファミリーレストランで』は、主に日常や仕事についてのエッセイ。
どれも面白いが、特に以下のエッセイが面白かった。
『論破』
新興宗教らしきの人物を論破してやろうと目論んだが、だんだん相手の都合のいい理屈にイライラしだし、面倒くさくなり、結果、論破されてしまった形になる。
心の中にモヤモヤが。
『ジェットコースター評論家』『私は冒険家ではないのこと』『テレビ出演の真実』
ジェットコースター好きが講じて、ジェットコースターに乗りまくって記事を書いていたら、ジェットコースター評論家という肩書きがいつのまにかついてしまい、果てはTV出演にまで発展するという話。
TV出演の際、乗ってもいないジェットコースターを台本通り紹介して欲しいと頼まれ、葛藤の結果試みるささやかな抵抗の話は、つい吹き出してしまう。
などなど説明しづらい面白さのエッセイが盛りだくさん。
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「あとはよろしくなアンゴルモア」に大笑い。
「わたしの旅に何をする」より、ややパワーダウン?なかんじもあるけど、笑わせてくれる。
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男性のエッセイでここまでおもしろいと思ったのは
初めてなんじゃないかと思う。
笑える。
地味に。
そして感性が似ているきがする。
「ときどき意味もなくずんずん歩く」
素敵なタイトルだ。
ずんずん歩こう。意味もなく。
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2009年1月11日購入。読書期間2009年3月11日〜15日。
不思議な本。
著者が色々なところを訪れた際のこととか、日々のことが書かれているのだが、その書き方が独特。
表現が難しいが、なんというか、脳内をそのまま文章にしているかんじ。1つのことを思い浮かべ、それに連動して脳内に浮かんできた色々なことも交えうまく文章にしているような。
最初はこの書き方に慣れず違和感を持ったが、読み進めるうちに特に気にならなくなった。
旅エッセイが好きな人はぜひ。疲れている人もぜひ。思わず笑ってしまうはず。
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傑作。
思わず笑ってしまう作品です。
この面白さをどう表現していいのだろうか悩んでしまいます。
巻末の解説にもあるように、本当に面白いかどうかは、本人でご確認くださいと当局では呼びかけたいです。
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めーっちゃ面白かった!!
エッセイなんだけど・・・はちゃめちゃ。
主に旅行記。他もろもろ。
気分転換に読むのがよろし◎
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エッセイストであり、冒険家であり、ジェットコースター評論家であり…そんな、沢山の顔を持つ、宮田珠己の痛快なエッセイです。とにかく、面白い。この面白さを上手く言葉で伝えられないのが非常にもどかしい。だから、ひとまず読んでみることをお勧めします。独特な文体と意表を突く発想に、ただただ笑うばかりです(笑)話題としては旅とレジャーに関するものが多く、私も読みながら珍道中の気分を味わえました。今後も、「タマキング」の活躍に期待します!
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エッセイ。主に著者の旅と趣味と日常について。
書店で最初のページを試し読みして、ずんずん歩いて行く距離が半端なかったので買ってみた。
体験してる事柄が既に面白いのに、それにツッコミ入れている文体も面白い。
通勤時にさらっと読めた。
男の人だけど可愛い名前でいいなあ(余談)
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“必ず笑ってしまいます” この帯に惹かれ購入
基本面白い話ばかり でも笑い声が出せるほどの話とも・・・
煽り文に少しばかり期待しすぎた
おまけに帯からもう一つ
“悩みを抱えている人はぜひ読んでみてください。”
本のタイトル、エッセイ集、この煽り文句、これじゃ別方向の悩める方が手にとってしまいそう
なんだか噛み合ってない気がして少し微妙な気分
旅行記として楽しく読ませてもらった
こんな人、こんな旅行の仕方もあるのかと思うだけで憧れまではなし
作中のディープうどんインパクトには物凄く賛同。
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ひさしぶりにエッセイを読んでみた。
色々なところを旅している人なんだけど
旅の話だけではなく日々の事や思ったことなどさまざま。
台湾で買ったという「新新人類流行日語」なる日本語会話集の話が
おもしろかった。
文章がおもしろく書ける人って 羨ましいなぁ~。。
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著者のさらさらと流れる独特の文体と巧みなボケ突っ込みにハマる事間違いなし。多聞な脚色もあるだろうが、それに固持することなく次々と話題を逸らせ、テンポがよいので笑いが止まらない。次から次へと笑わずにはいられないのである。
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本当に意味の無い本。
爆笑するのではなく、クスクスと小さく笑える。
それも上質な笑いで「文章」というメディアならではのものである。
人間に疲れた時に読むとすうっと楽になれる。
著者が生きている限り、自分も生きていられるような気がする。
現代日本の良心である。
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著書の本はこれが初めて。
お薦めされて読んだけど、
読みながら、一人で笑ってしまった。
なんかほんわか気分になれるおもしろいエピソード満載。
この著者はAB型なのか?と勝手に想像。
ユニークな感性です。
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ananの本特集で紹介されていたエッセイです。
タイトルと表紙の可愛さに惹かれて買って開いてみると、
ところどころ爆笑する場面が・・・
ここは狙っているはずだ!と思いつつも笑ってしまいます。
とにかくおかしかったのが、台湾で見つけた本のお話。
この章読んでいる時、電車の中でなくてよかった・・・
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今まで読んだエッセイの中で5本の指に入る面白さでした。
この人一体どういう視点で普段世の中を見ているのかと思う、
ツッコミ所満載の文章が、ものすごくツボにはまった。
文章はかっちりしていて、むしろ端正な印象を受けるのに
何で内容はこんなに無駄に面白いんでしょう。
http://koma2.jimdo.com/2011/03/28/ときどき意味もなくずんずん歩く-宮田珠己/