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紙の本

問われるべき戦争責任

2008/02/12 10:30

16人中、9人の方がこのレビューが役に立ったと投票しています。

投稿者:良泉 - この投稿者のレビュー一覧を見る

ハッピーマンデーという風変わりな名称の制度のおかげで日付が固定でなくなった祝日がいくつかある。かつては1月15日に固定されていた「成人の日」が1月の第二月曜日に変わったり、10月10日に固定されていた「体育の日」が10月の第二月曜日に変わったりしたあれである。東京オリンピックの開会式の日という特定の日付を根拠に作られた「体育の日」でさえ、連休を増やそうという世の中の流れに沿い、あっさり変更させられた。
そんな風潮の中でも、この先も間違いなく日付固定が続くであろうと思われる祝日がある。昭和天皇や現天皇の誕生日はもちろんそうであるが、それとならんで2月11日もまた日付が絶対に変わらないと思われる日の一つである。
かつての「紀元節」。日本書紀において神武天皇が即位したとされる日である。少なくとも「体育の日」なんかと比べてもよっぽど日付の不明確な非科学的なこの特定の日付に保守派はこだわった。戦後GHQにより廃止されたこの祝日を復活させたいとの保守勢力の執念は、名称を「建国記念の日」とソフトイメージに変えられたものの、1966年にようやくかなった。それ以来、かつての「天皇家の祝日」は国民生活の中に溶け込んできている。
ようやく復活させたこの祝日を、ここぞとばかり額面以上に盛り上げようと画策する一部の人たちがいる。そしてもう一方では、この祝日を悪しき時代の再来の象徴と位置付け、これもまたここぞとばかり廃止を主張する一部の人たちがいる。しかし、2月11日に恒例行事のように行われていたそれら勢力のアジテーション対決は年を追ってニュースに載ることも少なくなってきている。
ここでも天皇制が着実に国民生活に浸透してきている様が見てとれる。祝日復活にこだわった保守派の念願かなったりである。
天皇を神とあがめ、盲目的に追従したかつての失敗は二度と繰り返してはならない。そのためには、たった1日の祝日の話でも、かつての過ちを再燃させる匂いのあるものには拒否反応を起こす感性が求められている。
しかし、いまやジャーナリズムでさえ、その臭い匂いを嗅ぎ取る力を失っている。それどころか、自ら進んでその臭い匂いを消臭し、国民に振り向ける言動をしている。
朝日新聞が昭和天皇死去の際に『「昭和」を送る』(1989/01/07)と題し掲載した社説。
『在位中最大の痛恨事は、自らは自由主義的気質、国際協調主義的志向を強くお持ちになりながら、日本が逆の方向に押し流されてゆくのを止めえなかった点であろう。「自分があたかもファシズムを信奉するが如く思はるることが、最もたへ難きところなり」と語っておられたにもかかわらず、昭和前史の中で「天皇制=ファシズム」といった位置づけがなされるような事態になったのは、まことに悲劇というほかない。』
大元帥として、憲法上も実質上も最高権力の座にあった天皇の戦争犯罪責任を追及するのがどう考えても先のはずではないか。
昭和天皇に関しては、「立憲君主制という制約の下では、軍国主義の急流をくいとめることはできなかった。」などとよく言われる。そのくせ、2・26事件の際の反乱軍鎮圧の命令や、敗戦時の「ご聖断」については、その功績として誉めそやされる。やっぱり、それだけの発言力があったんだろ、と、やはり言わなければならないのではないか。
1971年のベルギー国王主催晩さん会での昭和天皇の言葉。
『かえりみますれば、この半世紀は、日本にとっても、私自身にとっても、多くの苦難と激しい試練の時代でありました。』
天皇ご在位60年記念式典での言葉。
『昭和の60年の歳月を顧み、先の戦争による国民の犠牲を思うとき、なお胸が痛み、改めて平和の尊さを痛感します。』
本来なら、とっくに戦争犯罪が問われるべき、すくなくとも敗戦時に退位すべきであった者が、それでも天皇制を死守したい旧保守派の思惑と米ソ冷戦時代を前にして日本を思うように統治したい占領軍の戦略のおかげで「象徴」という不透明な形で生き残った。それだけのこと。この人に「私にも苦難があった。」とか言ってもらいたくないし、戦争の犠牲に対し客観的で傍観したような発言などしてもらいたくない。
かつての臭い匂いがまた少しづつ復活しつつある。その匂いを敏感に嗅ぎ取る力を、われわれが身につけていく必要がある。

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紙の本

昭和

2019/06/03 08:19

0人中、0人の方がこのレビューが役に立ったと投票しています。

投稿者:ハム - この投稿者のレビュー一覧を見る

昭和天皇の戦争の責任など、なかなか日本のテレビでは取り扱われないような内容になっていて、勉強になりました。

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