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開始:20071214、完了:20071214
元ダイエー社長(現マイクロソフトジャパン
CEO)の樋口泰行氏の2冊目の著書。ダイエーのおける499日を詳細に綴った内容。直近の出来事、そして身近な企業の内容ということもあり、とても価値があるものだといえる。スポンサーに対する恨み節もあり、ダイエーの惨状もありのままに書いており、本当に正直に書いたものだということがよくわかる。そして、読んでいて涙が出てきた。たぶん自分は企業再生に携わりたい、ということが自己認識できた。以下メモ。「チェンジリーダーの資質はサラリーマン的な働き方をしている間は身につかない」「組織の内側に身をおくと昨日の風景も今日の風景も同じに見える、その間に硬直している」「社員が生き生きと働ける理想の職場をつくりたい」「年齢も若いから何も恐れずにできる」「火中の栗を拾う」「定例会議参加者多すぎ、問いただす人とそれに答える人、他部門のことは口出さない」「他部門の社員と進んでコミュニケーションとらない」「負け癖(度重なる再生計画うまくいかない)」「ヤンキー先生、真剣なコミュニケーション、一度言って伝わらなければ、熱い言葉で10回でも20回でも繰り返す」「GMS丸裸、戦略の自由度」「テンポ閉鎖、店長と直接向き合って自分の思いを伝える」「ごはんがおいしくなるスーパー、野菜新鮮宣言、発表当日までは期待と不安が混在」「お買物券」「これまでの感謝を込めてありがとうございましたと頭を下げるのが当然」「責任ある人間が行かなければ誠意が伝わらない」「つらい現場に行かない、きつい仕事はできないというのでは誰もリーダーとして従わない」「小売の再生には奇策がない」「現場力、戦略慮力、変人力」「店舗を任された経験ないから肌感覚でわからない」「売上だけが目標だった、粗利の絶対額が最も重要」「顧客志向の大切さを100人の経営者にきけば100人が重要という。ところがその考えが一人一人の意識と行動の基盤になっている企業は本当に少ないように見受けられる、なぜ当たり前のことが当たり前にできなくなるのか」「腹落ち」「顧客満足とか顧客第一主義を理念にして掲げるだけでは社員は動かない」「誰も発言しないときは元気のよさそうな若手をさす」「使命感」「戦略、ある目標をどうやって達成するか」「経験をつまなければ見えない世界がある、スコープを拡げて初めて全体像を把握」「コンサルタントと現場の社員の溝は想像以上に深い、その架け橋がリーダー」「経営者が思っているほど社員は目の前の状況に危機感を持っていない」「人間力」「1:よりマクロ視点から戦略を構築、2:戦略を現場に効果的に落とし込む」「現場の肌感覚を理解しようとすれば、現場の経験をつむしかない」「人生をどれだけ見通せるかはその人の人生経験の厚みと長さによって決まる」「同じ経験をつむにしても目的意識を持っているかどうか」「戦略というものを真剣に考えざるを得ない状況に身をおいているかどうかで、勉強意欲は吸収度合いまでまったく異なってくる、他人事ではなく我が事」「謙虚になれば誰からでも多くを学べる」「修羅場のリーダーにはオペレーション能力以上にエモーショナルな能力が必要」「当の本人にしてみれば自分が変わったことをしている自覚はない」「王様は立派だと信じている社員に向かって王様は裸だと語り続けること」「中村邦夫氏、好況時に新入社員が危機感を抱く」「ぶれない軸」「そこまでして初めて人と組織は変わり始める」「軸の精度x実行力」「変人力は、多様な経験、多面的な支店、様々な価値観や文化を理解する力、の賜物」「真摯なコミュニケーション、熱い思い、自分の言葉で語り続ける」「とにかく数字は気にするな。社員を大切にして、現場に軸足を置いて、判断・実行をすれば、数字は必ず後からついてくる」
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現場力、戦略力、変人力・・リーダーとしてのあり方について、深く学ばせられる本です。即実践に使える本ですね。
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大企業病と戦い、現場にでていかに人を動かすかに日々苦心した熱い思いをもったリーダーの記録です。
社長室の中で机上の戦略を練るだけよりもはるかに難しいでしょうがはるかに効果的であり、企業文化を変えること、人を動かすことについて考えさせられます。
彼がこのまま率いたダイエーも見てみたかったですね。
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ダイエーの元社長として、経営危機からの再生に導いた樋口氏がその経験を通して、流動的な市場・経済状態である現代の経営に必要な能力を示す。
マクロな戦略観とミクロな視点。ぶれない軸と異様なまでの実行力を持つ―変人力。実際の経営建て直しの道筋と照らし合わせ非常に解りやすく、勉強になった。
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今年最後の授業の日、年末年始用に生協で本を物色。
そしたら、以前もエントリー いたしました樋口氏の新刊が。
内田先生の授業でゲストで来ていただき、お話聞いて以来大注目の方です。
あついっすね。
授業でおっしゃっていたこともかなり触れられており、個人的にはすごく充実した読書になったような。
先生は「このようなリーダーの元で働きたいとかちんけなことを言わずに、自分のリーダー像を見つけそれを目指せ」とおっしゃられた。 背筋が伸びた。
当たり前のことを当たり前にすることの難しさ。 いまはマーケティングや戦略ではなく組織あるいはオペレーション論なのでしょうか。両方か。 気になり遠藤功氏の本を今読んでる。
ターンアラウンドマネージャーは一種の特殊職ですね。匠の世界。樋口氏は「リーダーのプロ」だと思う。
かなり突っ込んで書いていらっしゃってるけど、本には書けない泥臭いことを途方もなくこなしてきたのだと思う。
どこからその胆力が生まれるのだろう。気合が入っている人でも体力はもつかもしれないけど、確実にメンタルがやられるでしょう。
再生機構でも丸紅でもアドバンテッジでもいいけど、要は出資者から明確なミッションで雇われている職業人。しかも超短期間。ロジカル+行動力が秀でててもダメでしょう。
本の題名は変人力だけど、氏の人間力がなしえたのでしょう。人間力の定義を問われると難しいですがね。
それにしてもヒントが多すぎて本が付箋だらけになった。 ひじょーに読みやすいしこりゃ売れるでしょう。
氏の講演を直接聞くことができたことはかなり恵まれてた。内田先生に感謝ですね。
年の終りにふさわしい本を読んだなー。
HPともダイエーとも状況がこれまた全然違うMSで氏はどのようなリーダーシップを取っていくのだろう。大変興味深い。
自分のキャリア含めかなり揺さぶられました。
憧れるのー。
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ダイエー再生のために社長就任。熱いリーダーシップ論が結構好きです。
※抜粋
どうすればできるかを考えるよりも、できない理由を探し始める。
失礼な言い方になるが、失敗が続いたために「負け癖」が染み付いていたのではないだろうか。
つらい現場には行かない、きつい仕事はできないということでは、誰一人としてリーダーに従わないのではないか。
リーダーに必要な三つの能力「現場力」「戦略力」「変人力」
現場力とは、現場の創意を最大限に引き出す力。
戦略力とは、人と組織を正しい方向に導く力。
変人力とは、それら二つの能力を根底から支える力、すなわち変革を猛烈な勢いでドライブする力。
経営者が簡単に頭を下げてはいけない、自分を落としてはいけないと言う人もいるが、
恥も外聞もへったくれもなかった。自分の気持ちをストレートに伝える以外に、
彼らに納得してもらう手立てが見つからなかったのである。
人生をどれだけ見通せるかは、その人生経験の厚みと長さによって決まる
様々な仕事を経験し、様々な人たちと接することで、多面的な価値観が身につくようになる。
プレッシャーを乗り越えた経験が、その人の胆力を鍛える。
それらの積み重ねがすべて戦略の糧となる。
修破離
ともかく習いたての頃は師匠の教えを徹底的に吸収して型を覚える。
やがてその型を破り、さらに修行を積んで自分独自の型を創り上げていく。
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[○09/01/03完読]2009年の初完読書になった。新幹線の中や帰省先で読んだ。書籍としては若干のマンネリ感もあるけど、うわべのリーダ論ではなく根本的な所が語られていると感じた。情熱的で、やはり立派な人だ。現場力には感銘を覚える。一見するとクールな人間にみえていたけど、まったく逆だと思った。このような社長は社員にも良い影響を与える気がします。この方の他の本はまた読みます。日本のソフトウェア業界やそこで働く社員に対してはどのように感じているのだろうか?IT業界に戻ってきたようなのでその辺りの考えを聞いてみたい。腹落ちという言葉を本書を通じて知ることができた。「修(習)破離」についても触れていた。「T字型人間を目指せ」と書かれていたがこれが目下の私の目指したいことろかもしれない。
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著者は、ボスコン出身でHPの元日本社長であり、ダイエー復活劇を一番最初から
支えた人です。現在は、マイクロソフトの執行役員。本書は、そのダイエー復活の
過程で著者が得た「リーダーシップとは何か」について、記されたものになっています。
内容は、人を動かすには、熱い思いしかない。その思いにプラスして、現場を大切にする
現場力、現場を軸にしつつマクロ的な戦略力、そのためのキャリアプランを大切にしろ。
最後の三つ目として、「軸がぶれない」「超実行力」の二点を兼ねた変人力が大切だ。
この3つが次世代リーダーシップである。
いかがでしょうか?さすがコンサル出身、三つにまとめてきましたね。ただ、これ以上に
大切なのが、著者の「人を大切にする思い」だと個人的には思います。本書の中で樋口氏は、
誰に反対を受けても、自ら閉店する店舗にその理由・目的を説明しに行った。と述べています。
従業員を愛し、顧客をもっと愛する。そんな気持が一番リーダーシップには必要だと
本書では言われているような気がします。
また、ダイエー社員を鼓舞し、信頼を勝ち得るためのポイントとして、
1.社長と社員が直接話せる。話すことが出来る機会を設ける・作る。
2.人を大切にする。それは、社員も顧客も同じ
3.全国に散らばる店長ではなく、●●さんと1人の人間として接する。気に掛ける。
ですかね。また、キャリア形成プランは、多様な視点を得るために、医学部を卒業し、
次にMBAをとる。コンサルで修行して、その後事業会社に入る。といった色々な
事を経験した方がよいらしいですね。(アメリカ的には)
樋口さんという人を、本書で始めて知りましたがとても尊敬できる人だと感じました。
そして、その熱い思いと人格に近づきたいと思いました。本書、お薦めです。
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タイトルと想像していた中身にとてもギャップのあった1作。
1つ1つの文章がとても読みやすく明快に書かれており、すんなり頭に入る作品でした。
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元ダイエー社長であった著者がダイエー再生に携わった約1年半の月日の中で自らの「リーダーシップ論」を確立し、それについて語っている。
実際に破綻した企業を再生するにあたって、モチベーションの低下した社員たちに生気を戻すためには世間一般で言われる「リーダーシップ論」は通用せず、それとは異なる「真のリーダーシップ」が必要であるということが説明されている。
それは、限られた時間の中で迅速に、一つ一つの問題を正しく解決するべく、猛烈な勢いで変革を行うために経営者がコミットメントしていくということであり、「時間」の観点以外は通常時に求められるリーダーシップと遜色ないということが本書の論旨である。
ファンドが介入し高いリターンを目論むことが多い日本の(世界中どこでも?)企業再生において最大の敵である「時間」に対してナーバスでいなければならないこと、そして現場主義を重視せざるを得ない小売業の復活のためのエッセンスが知れたことで非常に意味のある読書ができた。
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日本で最も尊敬する経営者。ダイエー再建時の苦渋の決断の数々には胸が熱くなります。同じ大学を卒業しているところも、さらに共感するところなのかもしれない。いずれ、同じ舞台で働けるように頑張ろうと思った一冊。
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08049
日本HP社長からダイエーの代表取締役社長を経て現在はマイクロソフト代表執行役となっている樋口さんの著書。
樋口さんの講演は以前聞いたことがある。
その直後に『「愚直」論』も読んだ。
この本が書かれたのは、日本HP社長の頃だ。
今回の著書は、ダイエーを退いた後に書かれており、ダイエーでの変革の大変さが伝わってくる。
この本は3部構成で書かれている。
・現場力
・戦略力
・変人力
その前に、就任当時のダイエーの実情が書かれているのだが、ここまでひどかったのかと驚嘆する。と同時に、この状況でよく引き受けたなと感心する。
自分なら同じ立場にいたとして、引き受けたかどうか・・・どうだろう。
◆現場力
そこから、当たり前のことを当たり前にできること。まさに「言うは易し」を実践していく。
そのためには、現場が中心となっていかなくてはいけないということは、GMSのあり方をイメージすれば分かりやすいだろう。
「現場を重視する」
「顧客重視だ」
よく聞く言葉だろう。
だが、本当に経営者が口だけでなく、文書だけでなく、"行動"できているケースは少ないと思う。
それを実行できることでメッセージを伝えられる。熱意を伝えられる。
そして、メッセージを、熱意を汲み取れる。
組織行動やリーダーシップなどのクラスでは、当たり前として捉えられているこれらのアクションを実際に行うことが重要なんだなと感じ取れる。
◆戦略力
樋口さんは言い切っている。「座学で身につけたフレームワークや思考法だけでは、実際に問題を解決したり、企業価値を高めたり、競争優位を導くのは難しいと考えておくのが無難だろう」
これに関しては、そのとおりだろう。
MBAを取っただけでそんなことができたら、世の中そんな簡単なものはない。
大事なのは、その戦略に「凄み」を加えることだと書いてある。
リーダー自身が現実のビジネスにどれだけ真剣に向き合ってきたかが、
机上の空論に凄みを加えるのだそうだ。
戦略力を養うためには、ビジネスパーソンとしての経験値を高めることが重要だそうだ。
◆変人力
チェンジ・リーダーには変人力が必要となるそうだ。
だが、本当に変人なのは、チェンジ・リーダーなのか、これまでのやり方に固執した社員たちなのか。その企業内ではおかしな考え方であっても、社外では、もっと言ってしまえば顧客から見たら当たり前のことなのかもしれない。
変人力の2つの資質
・ぶれない軸を持つ
・異様なほどの実行力を持つ
この本を読むと、樋口さんのダイエー変革は道半ばだったんだろうなと思う。
(株主構成の変更により、辞任を余儀なくされた)
「愚直」論や講演を聴いたときの樋口さんのイメージが今回の著書を読んでみて少し変わった。
それほどの体験をダイエーを通してしてきたのだと思う。
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泥沼のダイエー再生に関わった筆者ならではのリーダーシップ論が語られている。
・固定観念を打ち破る力
・サムライにも似た気概で修羅場をくぐり抜ける力
・熱き言葉で信念を伝え続ける力
これらを筆者は「変人力」と呼んでいるが、企業再生の現場ばかりでなく、これからの時代は周囲には変わって見えても変革型のリーダーシップが求められているようだ。
「変人力」のもとを成す「ぶれない軸」と「実行力」の2つの資質はどんな時でもしっかりと持っていたいものである。
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なにが基本なのか 見方が変われば 違うのは共感した、
自分が今 何をすべきなのかを 考え、相談(結果的には一方的な報告になることになる)して 事をすすめるのは、一般的には難しいと感じる。
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全身全霊で改革に取り組む。一人でも多くの社員を幸せにする。それが自分の成長につながる・・・。
渦中の栗を拾ったワケに納得です。