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紙の本
人にはそれぞれ、走り続ける理由がある
2007/12/27 06:08
3人中、3人の方がこのレビューが役に立ったと投票しています。
投稿者:ヒロクマ - この投稿者のレビュー一覧を見る
初マラソン完走を目指す2人の女性市民ランナーと、彼女たちを支える家族のほのぼのとした話かと思っていたが、良い意味で裏切られた。
帯に「マラソン・ミステリー」と書いてあったのだが、どこがミステリーなんだ?と思いながら読んでいた。でも物語が3分の2を過ぎた頃から、仕掛けられていた驚きの事実が現れ始める。とは言っても、別に殺人事件が起きたり、陰謀が仕組まれているわけではない。
ネタバレになるので詳しくは書けないが、静かな感動が待っている。
人が走り続けるには、みなそれぞれに深い理由や思いがある、というのがこの物語のテーマだ。
なぜ人はフルマラソンに挑戦するのか?42.195キロというのは、人が走り通すには途方もない距離だ。実は私も今年の12月に、初めてフルマラソンに挑戦し、完走することができた。しかしこれを走ることにどんな意味があるのか?と聞かれても、今の自分には自己満足というくらいしか理由が思いつかない。
でも走り始める理由は、ランナーの数だけある。健康のため。ダイエットのため。より高い記録を目指すため。
この物語で初マラソンに挑戦する2人の女性にも、胸に秘めた熱い理由があった。そのためには、膝が故障しても、スタミナが途切れかけても、走り通さなければならなかった。
長距離走を走り続ける意味とは何か。時間内に完走することだけがすべてではない。ゴールに到達できなくてもいい。完走やタイムは結果でしかないし、それがその人の走りの価値を低めることは決してない。どれだけ強い思いを持って走り続けることができるのか。それこそが、前に進む力を生み出す。そんなことを感じさせてくれる物語だ。
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