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とても上質な漫画。
いろんな所で取り上げられ読むべき、と言われているのがわかります。
台詞が少なく、何気ない表情や動き、間合い、風景から気持ちが伝わってくるのも漫画ならではで素晴らしいです。
すごく叙情的。
日本的と言ってもいいかもしれない。
戦争に向かって舞台広島なので原爆に向かって?走っていく予感に胸が痛くなりますが、
日常を、まわりの人をいとおしく思える、大事なことは、すずのような人が知ってるのかなと思える、質の高い豊かな優しい漫画です。
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悲惨なばかりの戦争漫画だと思って読むと、拍子抜けするかも知れない。
太平洋戦争下の呉を舞台に、広島から嫁いできた素朴な女性――登場人物のひとりの言を借りるなら「普通の人」――の視点で語られる物語である。人々の来し方は優しく。銃後のくらしにも敗戦の影が濃くなっていく様子は淡々と、しかし容赦なく。
物語の中の誰もが様々な喪失を経験しながら、それでも小さな幸せを見つけて毎日を生きていく。
平凡で、かけがえのない、愛おしい毎日を。
祖父母の昔の日記や年代記を読むような、不思議な親しみを感じる作品である。
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戦争から60年以上も経った今になって、戦時中の暮らしをこんなにもリアルに表した作品が生まれることに驚く。
日常生活と戦争が地続きだったのだと、まざまざと感じることができる作品。
顔も知らなかった男性のところへ嫁ぐことになった、主人公すず。
1巻は彼女が嫁ぎ先の街、呉での生活になじんでいく所まで。
戦争の話はまだ遠く、すずの暮らしぶりに時々笑ったりしながら
穏やかな日常話を読み進めた。
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ほわほわゆるゆる生きていられたはずなのに、いつかそんな平凡な家族も激しさに巻き込まれていく様子に息を飲んでしまいます。普通に嫁いで普通に生きていたはずなのに。どうして?と思わずにいられないことを、最終的にいつものようにほわっと乗り越える、すてきなお話です。
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ほんわり、さらっと、という感じの漫画ではあるが、当時の厳しい生活や男尊女卑の状況が淡々と描かれている内容で、とてもよかった。
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知人から借りて読みました。とてもよかった。
戦時の、人の気持ちに焦点をあてて、しっかりと描いています。
やわらかいタッチの絵ですが、人物描写はしっかりとしています。そういうところ、手塚治などに通じるものがあるのかも。
戦争の悲惨さ、と一口に言うのは簡単で、その悲惨さを描いたものはたくさんあって、その最たるものはやはりはだしのゲン、などかと思うのですが、あれとはまた違う、悲惨な事実は描かれているものの悲惨なだけでない、戦時中という常軌を逸した時間の中で、ちゃんとモノを考えて生きていた人たちのことを描いています。
現代でも通じるような、恋や愛、なんてものも物語中にはあって、ただそれがただ甘いだけのものではなく、その切実さは時代に関係なく皆が持っていたものなのかも、と、思わされます。
読み始めて最初は、少し昔の日常を描いたエッセイ風マンガなのかと思うのですが、それは後半への、ある意味伏線です。暖かいばかりの物語か、と敬遠してしまう向きも、少しだけ先まで読み進めてみると、違う展開と、それによる何か、を感じることができるかと思います。
とても、よい本でした。
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きっとこの作品は歴史に残る-『この世界の片隅に』
http://d.hatena.ne.jp/kojitya/20100408/1270759096
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戦時を描いた漫画、というと、どうしても辛い場面が多いんだけれども、この作品はそういう悲惨さは描かれていない。きっと戦時中でも、皆こうやって笑ったり喜んだりしていた筈。だからこそ、8月6日が近づくと、何が起こるか知っているだけにたまらない気持ちになる。下巻は、笑っているひとは少なかった。でもやはり、最後のあとがきのイラストにまで希望に溢れていた。
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何度も何度も繰り返し読みたい作品。
夫婦がとっても可愛い。この人の描く戦争漫画はおどろおどろしくないのに胸に響くものがある。
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今、なんとなく漫画を探している方は是非。老若男女問わず。
絵が美しいです。主義主張もたぶん無く、たんたんと話は進んでいきますが、何度でも読んでしまうほど心をひきつけられます。
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主人公がなんとも言えずかわいい。
旦那かっこいい・・・
でも水平さんになった同級生がスキッ。
まだそんなに戦争色濃くないけれど下は濃くなるのかな。
呉から見る戦艦とかどうしようもない。見た過ぎてどうしようもない。そんな時を生きて、見ていた人も居るんだと不思議な感じになってしまった。
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上・中・下の3巻あります。
これは私的にはイチオシの作品です
戦争モノっておっかないものも多くて苦手気味なんですが、この本は心配無用です
戦争時代を生き抜いた女性の物語。
すこしおっとりとしておっちょこちょいめの女の子が毎日を一生懸命生きている日常の物語です。
日常の中に戦争があり、当時の生活などをうかがい知ることができます。モノのなかった時代に、いかに工夫して生活していたかなど、興味深く読ませていただきました。
私はこの作家の画のタッチや雰囲気がとても好きです。
どことなくはかなそうでいてたくましい、不思議な空気が流れています。
戦争について、違った角度から考えることが出来たような気がします。
上巻は確か子供時代から結婚するくらいまでだったと思います。
見も知らぬところへお嫁にいく。
相手の顔など見たこともなく、親同士が決めた結婚に従う、そんな時代というのもすごいなあ~と思いました。
いや、それでかいがいしく夫に仕えるんだからまたすごい。
そんな時代の物語です。
うまく表現できないのが残念ですが、心に響きます。
(東京都在住 40代 女性)
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上~下、一気に読了。広島から呉に嫁いだ女性と、その家族を通して描かれた戦前~戦後の庶民の日常。心理描写も戦時中の生活記録も丁寧、優しくて繊細、。
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昭和18年、広島の江波から呉へ嫁してきたすず。
すずと北条家の皆さんの戦時下での日常が淡々と、戦時下でありながらほのぼのと描かれています。
それもとても詳しく、市井の人たちの生活が描かれています。
なにもかもが足らず、知る人が次々と亡くなっていく毎日でも笑うことはできる。
こんなかたちで戦争を描くことができるなんて。
声高になにを主張するのでもないのですが、従軍した兵士の悲惨さ、原爆投下直後の惨状がなくともいま生きていることに感謝できる作品です。
ほのぼのした中にも胸を突くシーンやセリフがあるのですが、中でも20年8月の玉音放送を聞いた後のすずの慟哭。
放送直後の感想に思わず頬を緩めてしまいましたが、ここではっとさせられました。
あのあんきなすずでもこう言ってしまうという当時の教育。とても痛いです。
昭和18年から21年までを平成18年から21年まで連載するという気の入れよう。
そして下巻読了後、通して読みましたが伏線(?)の回収も素晴らしい。
考えに考えて描かれたことがよくわかります。
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第二次世界大戦中の日本のお話です。「夕凪の街 桜の国」ではヒロシマの話でしたが、こちらは広島に程近い呉(軍港があった)のお話です。
ぼんやりとした女の子が、呉の軍人さん(この方も優しい方でした)に嫁いで行き、そこでの暮らしが描かれています。
読んだ後、激しい感情がわき上がる、という本ではありませんが、「夕凪の~」同様しみじみと心に響くマンガです。
戦争もの以外のマンガもありますのでこうの史代さんのマンガぜひ一度読んでみて下さい。