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テレビ霊能者を斬る メディアとスピリチュアルの蜜月 みんなのレビュー
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紙の本
メディアが捏造する「霊」の幻想世界
2008/02/12 20:30
8人中、8人の方がこのレビューが役に立ったと投票しています。
投稿者:ちひ - この投稿者のレビュー一覧を見る
帯には「斬り捨て御免! 江原さん、細木さんから、ユリゲラー、FBI超能力捜査官まで 新進気鋭の宗教社会学者がブッタ斬る!」とある。しかし著者みずからがブッタ斬るわけではない。著者は、読者が彼ら「テレビ霊能者」をブッタ斬るために必要十分な情報を提供してくれている。
江原啓之・細木数子という大物は第1・2章で徹底検証。ユリ・ゲラーや宜保愛子、丹波哲郎などの単発系は第3章で「テレビ霊能者クロニクル」と題し俯瞰する。第4章では日本人の宗教性を分析し、今後を展望する。
大学で若者を相手に講師をされているからか、文章は論理的でありつつ平易で読みやすい。各章の終わりにいちおう「まとめ」があるのも親切である。
また、「テレビ霊能者」たちから似非[えせ]の「癒し」をもらっている人にはちょっとした目覚めの機会を提供してもくれるだろう。入門的であり、わかりやすいと思う。
紙の本
宗教社会学者が分析した「テレビ霊能者」現象。
2010/02/05 15:44
8人中、8人の方がこのレビューが役に立ったと投票しています。
投稿者:サトケン - この投稿者のレビュー一覧を見る
「テレビ霊能者」が出演する番組が、バッシングする者が多い一方で、なぜここまで視聴率の取れる番組となっているのか。
著者は、テレビという一般大衆向けのマスメディアと、スピリチュアル(霊性)が、きわめて親和性が高いことを指摘している。提供する側のメディアの事情と、受容する側である視聴者のニーズが合致しているのである。
視聴率をとりたいテレビ側の事情は、理解するのはそう難しくない。視聴者の側の状況を考えなければならない。視聴者の状況とはこうである。地域共同体はいうまでもなく、最後のコミュニティであったはずの会社すら崩壊しつつある現在、バラバラの個人となってしまった日本人は、いったい何に精神の安定を求めればいいのか。
「テレビ霊能者」現象の根底にすけてみえるのは、「先祖供養」を基本にした日本人の宗教観念である。特定の宗教はもっていないと主張する日本人が多いものの、こと先祖供養ということにかんしては、これを完全に否定できる者はまずいないのである。
「死ねばゴミになる」と広言できる日本人は、きわめてまれである。現在の苦境の真因が、先祖供養をキチンとしていないからだと指摘されて、それを完全に否定しきれる唯物論者は、そう多くはないのではないか。
それだけ、先祖供養にまつわる問題は、日本人の精神の奥底で、日本人の行動を無意識のうちに規定しているのである。
だから、「テレビ霊能者」現象は、いっけん新しく見えながら、実は意外と古い現象なのだ。メディアが新しくなっただけで、過去とは大いに連続性が存在するのである。
では「霊能者」の世界は、さらに新しいメディアであるインターネットの世界に移行するのだろうか。この問題については、読者みずからが、直接本書にあたって考えてみてほしい。
タイトルはどぎついが、冷静な内容の本である。
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