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製造業のノーベル賞と称される新郷賞(2006年度)を受賞した本で、一言で言うと、瀕死の自動車工場がトヨタ生産方式で立ち直る様を物語風に描いた本です。
外国人からトヨタ生産方式ってどうみえるのだろう?と思って買ったのですが、物語としてはあまりおもしろくない本でした。
とはいっても全くだめな本だったかと言うとそんなこともなく、たとえば、次の文章とか(良く聞く話といえばそうなのですが)心に残りました。
「何かを変えるってことは舟旅だ、トムさん。だけどほんの一握りの人間しか、舟の漕ぎ手のことを考えない。ましてや、漕ぎ手になろうなんて思わない。同じように、誰も今ある物事を変えたくはない。見ている方が楽だからな。そして、反対するのも一握りの人間だ。不満を言ってる者たちだな。
ポイントは、漕ぎ手(10%)と、見物客(80%)と文句を言っているやつ(10%)。誰が誰かを見極めることだ。ものを変えたければ、まずは漕ぎ手を助ける。不満を言う者たちはほっておけ。まあ、こいつらが他に害をもたらしたら問題だがな。そのうち、計画がちゃんとしていたら、今度は見物客が漕ぎ手になるよ」
現実問題では、そんなに達観できないので不満しか言わない人に怒りを覚えるのですが(^_^;)。