紙の本
装丁の勝利。
2019/06/11 20:54
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投稿者:ROVA - この投稿者のレビュー一覧を見る
耳付き短編集。
スッキリしたり暖かい気持ちになって終われる作品が多かったです。
ただ理解が難しい作品もあり、分かりそうで分からず何度も読み返したりもしました。
『おれの敵はみんなくたばった』の「わたし」の友達想いのくそ野郎っぷりが印象的。
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ブックカバーに耳が付いていて、「猫のパジャマ」というタイトルを遊ぶ。まあそれはそれでいいんだけれど。レイ・ブラッドベリは大好きな作家だ。好きなものとどうでもいいものとある。昔からそう思っていた。この本で理由がわかった。なんとこのおっさんは毎週ひとつ、短篇を書く暮らしを50年以上続けて来たのだ。そりゃいろいろあるよ。
しかし、そのすべてが世の中に出ている訳ではない。この本で初めてそんな真相を知った。普通の多作ではない。そしてきっと短篇について言えば編集者の好みは大きく作用していたのだろう。
そしてこの本も短篇集だけれど、気に入ったものもあれば、どうでもいいと思ったものもあった。しかし、そうなる理由がわかった今、それすらも面白い。しかし、彼は今週もひとつ書いてるんだろうか。
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2008.07.06. もしかして、初ブラッドベリなのかもしれない。たくさんの短編集。クールです、クール。「さなぎ」が良いな。黄色人種だらけの日本じゃ、絶対に生まれない物語。「趣味の問題」もおもしろい。最近読んだ手塚治虫の漫画を思い出した。
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リアルなSF
各々ちりばめられた哲学が心地よい。
訳の仕方もアメリカ文学っていう匂いを出せているので良いと思います。
ネコ耳好きにはたまらない!?
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SFがScientificであることを前提とするならば、レイ・ブラッドベリのような作家をSF作家と呼んでしまうのは正しくないことのような気がする。一方で、SFが近未来や宇宙空間などに代表されるような非日常的な舞台設定を捉えての拡張された定義を持つのだとすれば、何故いつまでもScientificという修辞が必要なのだろう。そしてブラッドベリはScientificな作家であるのか。ブラッドベリはシンプルに作家である、それも才能に満ちた。
ブラッドベリや、バラードなどの大御所に手を出すことの無かった理科系少年(但しSFモノではない)であった自分にとって、アシモフを読むことにはない怖れがブラッドベリにはあるので、ついつい余計なことを考えてしまう。バラードに怖れはない、というか恐れなくてよいということが不惑を過ぎてから漸く解った。ブラッドベリには、まだ怖れがある。
比較ついでに言えば、バラードはすぐれて現代的な作家であると思う。それは夏目漱石を現代的だと思う感覚と同じ意味で現代的であるとする表明である。つまり人間は周りの状況がいつであれどうであれ、どこかで違和感覚える生き物であって、漱石もバラードも、結局何が描かれているかというと、そこが描かれていると思うのだ。それが「今」を生きるものにとって意外な程にピタリと来る。その感覚で現代的だなと思ってしまうのである。
一方ブラッドベリについては自分は一度も良心的な読者であったことがないので多分に思い込みもあると思いつつ印象を述べるのだが、ブラッドベリは、特にこの短篇集は古典的である、と思う。それは、芥川龍之介を古典的と感じるのと同じ意味で、そう思う。芥川やブラッドベリにあるもの、それは一瞬キラリと光る鋭いナイフのようなセンスのよさで、刺されたと思った次の瞬間には傷口さえも失せてしまうような小さな驚きばかりであると思う。それはまるで亀に乗ってパラダイスに行った男が一瞬にして老いてしまうような物語に似た印象を残すのである。
恐らく、遅まきながらもかつてSFモノになり損ねた元理科系少年にとって、バラードは今も読むことができる。でも、ブラッドベリはどうか? 思春期にあれ程熱中した芥川を不惑過ぎに読み返して感じた幻滅に似た負の幸福感を、ブラッドベリにも感じている。これは、ジェイムズ・ティプトリー・ジュニアの「愛はさだめ、さだめは死」を読んだ時にも感じたことだが、遅すぎたブラッドベリ、どうもそんな気がするのである。ブラッドベリは若いうちに読め、誰かにそう教えてもらいたかったなあ、と悔しがるばかりである。
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「酋長万歳」「まさしく、オロスコ!シケイロス、然り!」「屋敷」「マフィオーソ・セメント・ミキサー」「雨が降ると憂鬱になる(ある雨の追憶)」「おれの敵はみんなくたばった」
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レイ・ブラッドベリ初挑戦? だったような。
「叙情的な作風のSF作家」と言う認識で読み始めました。・・・・・が、いわゆる“SF”でないんじゃないのこれ? と言いたくなる作品がしばしば。
冒頭の『さなぎ』からして明らかに人種問題を扱った作品ですし、表題作『猫のパジャマ』に至っては「まあ可愛らしいお話ですねえ」としかよお言いまへんえー。
一方でベッタベタの『夜明け前』や『趣味の問題』みたいな作品やもあるわけですが、サスペンスな『島』や男女の機微な『帽子ははどこだ、急ぎはなんだ?』もあり。
なんだブラッドベリのSF短編集じゃなくて、単なる短編集として読めばよかったのか。
でも、一定のレベルで面白いのはさすが。お見事。
どれかひとつはお気に入りの作品が見つかるでしょう。
で、私は意外に『屋敷』が好きかも。『酋長万歳』にはツッコミたくて仕方ないが。
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河出猫にはこんな子もいます。器量よしです。(理由はカバーをめくったところに!)(kawade_shoboさん)
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短編集。SFから普通の短編まで、様々な話が詰まっている。面白かったけど少し物足りない。短編だから? でも、一風変わったSFな作品が多く、楽しめた。
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アメリカの作家の短編集。
印象的な表紙に前々から気になっていた本。
短編集という事で少しずつ読んでいたのだが、あまり好みの作品がなくサラッと終わってしまった。
「さなぎ」や「屋敷」は好きだったのだが、それ以外が・・・。時期も悪かったのかもしれない。前後に幻想短編集と阿刀田高を読んでいたので、その暗さに中てられたのかもしれない。(とはいえ、「島」もいま一つ関心が掴まれなかった)
SF作家というイメージがあったが、本書はSFに拘らず普通の短編集になっている。毎日決めたペースで短編を書き続ける著者の仕事っぷりには頭が下がる。
小説を書くのには波があると思っていたが、人それぞれだなぁ。
少し脱線したが、印象としては、全体的に分かりやすい、と思った。文章の端々からこの話がどういった傾向なのかすぐに掴めてしまう。私はそれが物足りなかったので引き込まれなかったのかもしれない。
名前はよく聞くのでもっと有名どころを読めば知名度の謎が解けるだろうか・・・。単に私の趣向と合わなかっただけの気もするが。
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1度は読もうと思っていたレイ・ブラッドベリ、タイトルで「これ!」と即決。
でも、正直ちょっとニガテかも…。
短編だからよけいに、理解する前に話が終わってしまう感じ。
長編のほうがその世界に入って行けるかも、と思ったので
もう1度、今度は長編に挑戦してみたいです。
http://matsuri7.blog123.fc2.com/blog-entry-115.html
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表題作「猫のパジャマ」がステキなお話。
ちなみに「猫のパジャマ=THE CAT'S PAJAMAS」は「すばらしい人や物を意味する俗語」だそうな。
装丁もニャンコの目がデザインされていてかわゆす☆
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今年の6月、91歳で亡くなったアメリカのSF作家、詩人でもあるレイ・ブラッドベリ。
SFからホラー、ラブ・ストーリーにいたるまで、新作から未公表の初期の作品までを併せた、珠玉の21の短編集。
表題作「猫のパジャマ」の心温まるラブ・ストーリーはもちろんのこと、個人的には、「酋長万歳」のブラック・ユーモアに惹かれた。インディアン・カジノで、アメリカ上院議員が酔った勢いで、アメリカの州を賭けてしまうが負け続け、とうとうアメリカ全土を賭けて、最後の大勝負に出るが。。。という話。
全体的に、残酷で恐ろしく、深刻な話が多かったりするのだが、軽やかで、ユーモアにあふれ、とても読みやすい。詩的な表現も魅力的だ。
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ブラッドベリ逝去のニュースに触発されて、ずっと積ん読だったものを引っ張り出して読んだ。「猫のパジャマ(Cat's Pajamas)」が「素晴らしい人、もの」と指すということを知っただけでもこの本の価値はある。カバーに耳がついているのもも可愛い。中身はさすがブラッドベリ!
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図書館より。
作者の新旧の短編が21編収録されています。
好きだったのは表題作の『猫のパジャマ』同じタイミングで子猫を見つけた男女の話でまるで童話のような優しい話で思わず和んでしまいました。
『趣味の問題』は穏やかで高度な文明を持つ宇宙人たちが、自分たちの星にやってきた地球人を歓迎しようとする話。
これはなんだか切ない話でした。どうしても相成れないものというのはあると思うのですがこういう作中のような宇宙人が出てくると、人間というものがいかにちっぽけなことを気にする生き物かということを苦々しく思ってしまいます。
他の作品はどうも何が言いたいかつかみきれなかったり、訳がなじめなかったりしてイマイチ入り込めませんでした。ただブラッドベリの詩的な文章がところどころで見られまた違う話を読んでみようと思いました。
この本のカバーには猫の耳がついているらしいのですが、図書館で借りた本なので確認できなかったのが残念……