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月刊誌です。2009年4月号をもって休刊となるそうです。テレビCMを中心に、街頭広告や雑誌広告、ラジオCMやプロモーションビデオなど、さまざまな形の広告を紹介し批評しています。とはいえ、正確には「批評」はしていません。有名なものなどにちょっとしたコメントが添えられていることはありますが、良いものとして評価する程度で批判されることはなかったと思います。にもかかわらず「広告批評」という誌名であることに違和感を持つ方もいます。ただ、私はこの雑誌は紹介にとどまるものでいいと思います。「批評」するのは読者自身。CMを並べると良くわかるのですが、広告にもその時ごとの流行やニーズがあり、見る人が何に興味を引かれるのかということが見えてきます。また広告の打ち出し方を読み込めば、意外とその企業の内情が見えてくることもあるでしょう。インパクトだけで中身のないCMや、単純にセンスの悪いもの、商品に予想以上の付加価値をつけることができたものや、企業HPへの誘導に成功しているもの。もちろん制作会社の良し悪しもありますし、時代を間違えて登場した広告もあるでしょう。そういったものを記録として残し、広告を打ち出す企業を、それを受け取る世情を、そしてそこから時代と社会を知るための情報を提供してくれることが、この雑誌の存在意義だと思います。もちろん、単純に興味の範囲で読んでも好きな人はおもしろいんですけどね。新聞からは読み取れない、企業の裏側を垣間見ることができるかもしれません。