心と身体に良い一冊
2009/04/19 12:41
10人中、10人の方がこのレビューが役に立ったと投票しています。
投稿者:エルフ - この投稿者のレビュー一覧を見る
芥川賞は受賞していない作品のほうが優れている・・・島本理生氏のときからずっと私が感じていることです。不思議なことに受賞した作品は私にとっては理解不能なものが多いのですよね。
そんなわけで今回も候補作に上がり受賞しなかった「漢方小説」は私にとっては五つ★の面白さで何故この本が受賞していないのか不思議でならないのでありました。
主人公のみのりは一言で言えば「負け犬」の31歳。
元彼の結婚話を聞いたその日から体調は不良、原因のわからないドキドキに悩まされてしまいます。動悸や食欲不振、一体私はどうしちゃったの?と病院通いの日々が始まり、辿りついたのが「漢方診療所」。
少しずつ回復していったみのりですがまたまたショックな出来事に振り出しに戻り落ち込む事に、しかも飲み仲間の男性からはちょっと違う方向へ向き過ぎとまで指摘されてしまうし同じ状況の友達は睡眠薬を飲みすぎて入院してしまう・・・。
結構切実な内容ですし30代の女性であれば体調不良は精神不良に結びついていることも多いし若い頃と比べるとグラグラと不安定になる時期も増えてしまう・・そんな主人公達の気持ちは痛いほど伝わります。
それなのにこの本の素晴らしいところは笑える箇所かあちこちに散りばめられているところなのですよね。
プププと笑いながらもウンウンと頷く、そして漢方のように優しく読者の心を癒してくれる。
そんな心と身体に良い一冊です。
気軽な小説のようです
2013/11/17 20:43
2人中、2人の方がこのレビューが役に立ったと投票しています。
投稿者:rosso - この投稿者のレビュー一覧を見る
「漢方小説」という著書名ですが、漢方の話は話のつなぎに使われている程度で、題名で判断するような本ではありませんでした。
漢方がすべての人に、有効かというと、人ごとに効果に差があると思われますが、中高年の女性・男性の方には、気軽な読み物として読んでみて、試してみようと思われる方は漢方薬について考えるのも良いのかもしれませんし、そのまま読み終えてしまっても面白い本だと思います。
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漢方を題材にした小説。新鮮です。主人公の心境など、女性には共感しやすい部分も多いと思います。ただ、序盤で「これは恋愛小説っぽいぞ」と思わされただけに、かなり拍子抜けでしたが。
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ずいぶん前に読んだので詳細は覚えていないのですが(笑)、読みやすくてすなおな本だなと思った覚えがあります。あと、地味なタイトルの割に、凝っているわけではないけれど、少しだけ笑ってしまうような表現。
特に世代が近いので、彼女のなんだか原因ははっきりしないんだけど、とにかく全般的に不調!もう限界!という気持ちは結構共感できる。というか、同世代の友達はみんな同じだと思う。
当たり前のことですが、体はいろんな知識だけ得てもよくはなってくれないので、健康対策本とか読んだだけではよくならないのですが、なんとなくこの本は少し気持ちが楽になった、ような気がします。私だけじゃないよね、みたいな。そういう意味で、少し癒されました。。。
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漢方って興味はあるけどどうなんだろう?でも、この小説を読んで、何かあったときはお世話になってみてもいいかも、と思わせてくれる小説。
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今時の30代前半の独身女性の話です。
共感する人はきっと多いでしょう。(私はそうでもなかったのですが)
東洋医学って女性に合う治療なのだろうな、多分。と思いました。
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080529(a 080626)
090228(a 不明)
100413(a 100425)
100625(a 100724)
100817(a 100920)
100831(a)
100914(a)
101126(a)
101205(a)
101223(a)
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すらすら読める。。。
体と心は繋がっているんだなって改めてオモッタ。
強くなりたい!!!
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すらり、とスマートな印象の一人称文。
でも、なんのジャンルかわからない。
男女の要素は散りばめられ過ぎてて指の隙間からさらーって落ちちゃう感じで、きっかけにはなっているけど、主体じゃあないと思うし、じゃあ医学本かと言われれば、そっちのほうがまだ近いかもしれない。
と思うけれど、恋をしているひとが読んだら恋愛物になるかもしれない。そんな本でした。
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漢方の何がダメかと言ったら、毎食薬を飲まないといけないことです。
そのあたりをみんなどうしているのだろうというのこそ知りたい事でしたが他の人にとってはまず漢方っていうはっきりしない医学を信じていいのかっていうことなんですね。
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まとまってるけど、会話文が自分で言って自分で笑うみたいなところが多くて寒かった。
ギャグのセンスがいまいちに感じましたが…
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「
では、もうひとつ踏み込んだところにある私の目的は何だろうか?私はヤカンの湯気を見つめながら、グラついている歯を恐る恐る舌で触った。私の書く多くの作品と同様、はっきりしたものは浮かばなかった。人生まで駄作だ。私はどうしたいんだろう?三十一歳のこんな女のテーマはなんだろう?
」
p.98-99
全体的に洒落がきいてて面白い!
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主人公は、31歳の女性。
昔付き合っていた男性が結婚するショックからか、体に不調をきたす。
いろんな病院を回っても、病気ではないと診断され、最後にたどり着いたのが漢方医。
漢方医に対するほのかな恋心からか、その病院に通うことに。
徐々に、漢方に対する興味も増していって、主人公の体調も快方に向かう。
私も、こんな漢方医なら、診断を受けてみたいです。
「病気を治したい」の裏には、「変化を怖れない自分になりたい」というテーマがあり、
必ず、共感を得る部分があると思います。
私としては、「病気が良くなったら、また自分の力だけで生きていかなくてはいけない。そしてそれは厳しい。」(88頁より)という部分に共感しました。
不調は決してよいことではないのだけど、体に不調を来たしたおかげで、また不調を来たしたときに対処する方法が身につくのかなぁとも思いました。
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まさに「漢方」小説。
漢方の考え方、薬の名前がたくさん出てくる。
ただ、漢方が前面に出すぎていて、小説としては少し味気ないかも……。
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漢方。あたしも毎日飲んでいる(時々忘れるけどね)漢方。
しっかり飲んでいると本当に体にいいって実感できるんだよ。
だから、東洋医学ってもっともっと身近なものにされるといいのになあ、
絶対錠剤の薬とかよりも体にいいはずだよ、漢方!!
31歳、元カレも結婚しちゃって、不調になっちゃったわけだけど。
本来、それって鬱になりそうじゃない、だけど全体的に暗いのではなくて
あたたかい感じがする。だからすごく優しい気持ちになれた。
体をいたわらなくてはいけないと思う。
何を口にするかって大切だな。
主人公が病後コーヒーを飲みたくなくなるように
いろんなことに気をつけていきたい