紙の本
世界の「異端児」と呼ばれる歴史上の人物7名を取り上げて、彼らを魅了した魂や幻影について解き明かした画期的な一冊です!
2020/05/29 09:29
0人中、0人の方がこのレビューが役に立ったと投票しています。
投稿者:ちこ - この投稿者のレビュー一覧を見る
本書は、昭和の時代に活躍した小説家であり、フランス文学者でもあった渋澤龍彦氏の非常に興味深い作品です。同書は、歴史的に「異端」と呼ばれた人物を追いながら、彼らを魅了した魂と幻影を明らかにしようとした画期的な作品です。同書では、世界の7人に異端児が取り上げられ、それぞれに付けられた表題が非常にその人物の特徴をよく表しており興味深いものとなっています。「バヴァリアの狂王」(ルドヴィヒ2世)、「二十世紀の魔術師」(ゲオルギー・グルジェフ)、「生きていたシャルリュス男爵」(ロベール・ド・モンテスキウ)、「バベルの塔の隠遁者」(ウィリアム・ベックフォード)、「幼児殺戮者」(ジル・ド・レエ)、「恐怖の大天使」(サン・ジュスト)、「デカダン少年皇帝」(ヘリオガバルス)という構成になっており、とても面白い内容です!
投稿元:
レビューを見る
お耽美。好きな画家の作品がたくさん載ってたし、
好きな画風の画家を知ることができて十分に堪能し尽くしました。
ただ、カラーじゃないことが残念至極。
同じような内容(絵画をとり上げ、それについての思い入れを語る)の
江國香織の集英社文庫「日の当たる部屋」?のほうは全カラーだったので
がんばれ河出文庫。
投稿元:
レビューを見る
360
ビスコンティの映画によって日本でも知られるようになったルドヴィヒ二世。オカルトブームによって近年注目されはじめた二十世紀の魔術師グルジェフ。そして二十七歳にして夭折した天才的革命家サン・ジュストなど、輝かしい栄光の絶頂と悲惨な破滅のどん底を一身にして体現し、ヨォロッパ史上特異な光芒を放つ七人の絶対の探求者たちの異端の生涯を、明晰な文体で描く先駆的評伝集。
投稿元:
レビューを見る
[ 内容 ]
狂気と偽物による幻想の城ノイシュヴァンシュタインを造らせたルドヴィヒ二世。
神秘思想を体現した二十世紀の魔術師グルジエフ。
数百人ともいわれる幼児虐殺を犯した享楽と残虐のジル・ド・レエ侯。
ルイ十六世の処刑を主張した熱狂的革命家サン・ジュスト…。
彼らを魅了した魂と幻影とは何だったのか。
そして孤独と破滅とは何だったのか。
時代に背を向けた異端児達を描くエッセイ。
[ 目次 ]
バヴァリアの狂王―十九世紀ドイツ
二十世紀の魔術師―二十世紀ロシア
生きていたシャルリュス男爵―十九世紀フランス
バベルの塔の隠遁者―十八世紀イギリス
幼児殺戮者―十五世紀フランス
恐怖の大天使―十八世紀フランス
デカダン少年皇帝―三世紀ローマ
[ POP ]
[ おすすめ度 ]
☆☆☆☆☆☆☆ おすすめ度
☆☆☆☆☆☆☆ 文章
☆☆☆☆☆☆☆ ストーリー
☆☆☆☆☆☆☆ メッセージ性
☆☆☆☆☆☆☆ 冒険性
☆☆☆☆☆☆☆ 読後の個人的な満足度
共感度(空振り三振・一部・参った!)
読書の速度(時間がかかった・普通・一気に読んだ)
[ 関連図書 ]
[ 参考となる書評 ]
投稿元:
レビューを見る
やや歴史的な背景説明が多く、悪徳の栄えなどの作品のような澁澤ワールド色は薄いかも。天才と発明家と異端者は紙一重だ。興味の方向が違うだけ。
投稿元:
レビューを見る
ちょい薄味かも。濃い人物をアッサリ取り扱った、軽めのエッセイ集。
『バヴァリアの狂王』…ルードヴィッヒ二世
『二十世紀の魔術師』…ゲオルギー・グルジエフ
『生きていたシャルリュス男爵』…ロベール・ド・モンテスキウ伯爵
『バベルの塔の隠遁者』…ウィリアム・ベックフォード
『幼児殺戮者』…ジル・ド・レエ候
『恐怖の大天使』…サン・ジュスト
『デカダン少年皇帝』…ヘリオガバルス
あとがきになんかに「すっかり有名になった」「御存じの通りである」「知られるようになった」「ポピュラーになった」「ぽっかり浮上してきた」とか書いてあるんですが、全然知らねえよッって感じですよ。
ビジュアルに言及がある分に関しては図版資料もっと欲しかったなあ、と思います(粗方ネットで検索すれば出て来る。良い時代になった)。
投稿元:
レビューを見る
世に偉人もいれば変人、悪人等もいる。どちらもある人の特出した一性質がどちらに評価されるかにより全人格的評価になってしまっている。どちらも表裏一体だな。
特徴が無い平均的人格が良いのか?特出した性質を持つのが良いのか?その性質が人類に重宝がられるのが良いのか?自己評価できれば良いのか?