紙の本
こうも人間は…
2008/04/10 13:08
2人中、2人の方がこのレビューが役に立ったと投票しています。
投稿者:日陰の椿 - この投稿者のレビュー一覧を見る
読み終わった最初の感想は、「こうも人間は変わるものなのか…」ということだった。物語の中心人物である三人が出合った頃、それぞれに夢や希望を持っていた。けれど時が経ち、運命の歯車が回るにつれて変わっていった思い。私は、それを醜い人間の側面として捉えながらも、どこかで”美しさ”を感じずにはいられなかった。
野沢さんの作品に出てくる人物にはどこかしら陰のあることが多いが、「ラストソング」も同じくそうだと言えると思う。ただ、出合った頃の3人が輝いているぶん、余計にその後の彼らの「陰」の部分が強調されるようで、途中何度も、やりきれないような気分になった。
けれど、私にとって読んで良かったと思える作品のひとつである。この作品を読んで、私は野沢さんの他の作品も読んでみたいと思えた。
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男子4人組のバンド プラス 女子1人が博多から飛び出して東京へ。
恋とか、友情とか、家族とか、社会とか、酸いも甘いもを経験するお話。
とってもよかった。
映画化されていることもあり、トレンディードラマテイストは濃いけれど、
ただのトレンディーではなかった。
バンドのメンバーではないけれど、リーダーと突拍子もなく恋に落ちて、
恵まれた現実をすべて捨てて一緒についていった女の子。
映像化してしまったら、あっけないただの女の子になりそうなくらい、
ほとんど描きこまれてないのに、すごく存在感があってよかった。
あ、野沢氏の思う「女」がここにも居たって思った。
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音楽をやっている人間としては身にしみるね。
才能の有無とか、あの、楽しくてしかたがないのに先のないかんじ。
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家のその辺にあったから適当に読む。たぶん妹が買ってきた本。これこそまさに、疾走感、と思う。男の人のことはわからないけれど、男の人たちの人間関係の結びつきってこうなのかな。[08/04/19]
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これは映像でいいと思いました。いや映画見てないけど。バンドでのし上がることの難しさとか、それに付随するつらさとか、仲間を捨てる捨てないとかの苦しさとか。それと比較して、読者をあったかくさせる描写が少ない。たぶん、映像とか間とか証明とか演技によって映えるものだと思います。だから興味ある人はDVD?を借りるといいです。
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あの時こうしなかったらどうなっていたんだろうとか、
色々と考えてしまう話でした。
結局色んな人の色んな思いや自分の欲望を受けて、
ただただ走って行くしかない感じがしました。
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青春小説という類に入るのか。
不器用だけど、まっすぐな話でした。
感情の揺れがすごくリアルすぎて。
入り込んだら抜け出せませんでした。
恋愛とか友情とか簡単なものではなくて。
人間と人間の絆が描かれていました。
別れがこんなに綺麗で残酷なものだとは。
人を切り捨てるってこういうことなのかな。
一人でいることが、
こんなに寂しくて、
こんなに恐くて、
こんなに寒いことを初めて知った。
一人になることを、
一人になってしまうことを、
自分が変わってしまうことを、
恐がらないで。
生きるっていうのは…
きっと、
今の自分を守り通すことじゃなくて、
精いっぱい生きるっていうことは、
多分…
今の自分を変えることなんじゃないのかな
人間はいつか一人で歩き始める時がくる。
その時までにやらなければならないことがある。
そんな大事なことを思い出させてくれました。
青春って言葉にすると恥ずかしいですね。
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音楽業界での成功を夢見る三人(男2人、女1人)をめぐる青春小説。どちらかと言えばドラマの脚本を読み進めている感じ。「昭和」っぽさ、業界の泥臭さなどを上手く絡めてありスラスラ読めた。
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場面転換の仕方や、誰の視点で語っているのか分からない描写や、勢いのあるリズミカルな台詞使いが、脚本家だなと思わせる作品でした。
台詞の一つ一つが強く、印象に残る文章も多かったです。
夢を追うことの輝きや、挫折することのつらさ、人を踏み台にすることへの想いや、いつか自分がそうされることの切なさが、残酷なまでに冷静に描写されていて、引き込まれました。
修吉の去り際の格好良さと、一矢のラストソングに込める想いが熱く語られています。これぞ青春小説といった感じでしょうか。
修吉のような激しい人は魅力的ですが、実在したらあまり関わりたくはないですね^^
今後の彼らの幸せを祈りたくなるような物語でした。
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博多のライブハウスで宿命的に三人は出会った。地元のスター修吉に挑みがかった一矢のギター。ロックが大嫌いだった倫子はリーダー修吉の彼女になり、夢を追い上京した彼らを支える…。持てる才能だけを信じ、一度きりの日々を懸命に疾走する者たち。『破線のマリス』以前に野沢尚が書いた青春小説の傑作。
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現実味があまりなかった。男子のバンドグループの上京に一人の女子が加わってお世話だとか、バイトしながらとか、ちょっと理解し難かった。博多出身なのは少し地元だから親近感があったけど。
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【博多のライブハウスで宿命的に三人は出会った。地元のスター修吉に挑みがかった一矢のギター。ロックが大嫌いだった倫子はリーダー修吉の彼女になり、夢を追い上京した彼らを支える…。持てる才能だけを信じ、一度きりの日々を懸命に疾走する者たち。『破線のマリス』以前に野沢尚が書いた青春小説の傑作。】
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ロックンローラーのシュウ。
天下を取ろうぜ といって、リーダーとなる。
カズヤの登場で ギターの天才だった。
そして、カズヤは 歌も シュウよりうまかった。
リンコは 自分のレールがあまりにもきちんとできているので、
それが 不安となり そのレールをすていることに。
ラジオのDJをやることで であった シュウ
そして カズヤ。
リンコの人生は大きく変わっていくが。
才能 そして 不安定な生き方
そのなかで、愛することは 難しかった。
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博多のライブハウスで出会った若者たちが、音楽でデビューするために東京に上京するお話。
読んでいても興味がないからか、音楽の話が全然頭に入ってこなかった…そしてデビュー迄の最後の展開が早すぎてちょっとついていけなかった。
ちょっと期待しすぎたかな…
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故郷の駅が撮影に使われたって事でなんとなく昔映画を見て、その時は年代がずれていたせいか印象に残らず。でもそのあとにはまりにはまった野沢脚本だと知り。遅ればせながらノベライズを読んでみた。いつも右側に海が見えた。その描写がとても切ない。