紙の本
― 解決策に苦慮している最中の方々には何倍もの価値 ―
2008/11/03 08:35
8人中、8人の方がこのレビューが役に立ったと投票しています。
投稿者:レム - この投稿者のレビュー一覧を見る
職場の人間関係は、職場のあるべき精神環境がひとつの大前提である。 ところが、その重要要件が崩れるときがある。
職場の問題人物について、自分と利害関係の無いときは結構いろいろと物が言えるし、困っている人の相談にものれるのだが、自分の上司(時として部下)が問題であるときは、なかなかそうはいかない場合がある。 最も困ることは、そのために精神的苦痛を通り越して、精神的被害を受けたり通院を必要とするような体調に追い込まれたりすることである。 上司部下の関係だけではない。 世の中には、会社の利害に関わるような不正をしている、とんでもない社員もいて、その人物がそれなりのポストにいる場合や会社組織がそれに気づかない時だってあるのだ。 その事実を問題として理解している人にとっては真に辛いものである。
著者は、「イヤな奴」とされる問題社会人をassholeも含めて、幾通りもの文章で表現する。 さながら昔の人が、解明できない自然現象に対してさまざまな妖怪変化を考え出したかのようだ。 事実、そういう困った人々は社会の妖怪のようなものであり、さらには「物の怪」の祟りのようなものなのだ。
そして著者はその「やっつけ方」として、実に多種多様の対策案を提供する。 なお、その表現が逃避的と受け取られたり婉曲であったりすることもあるが、最終的に手段を決定するのは真剣に悩んでいる各ご自身であるから、これらは自らの判断を後押しして具体的対策を練るための素材提供だと理解できる。 読んでひとまず安心する単なる解答集のような安価なHow toものとの違いがここにある。 現実には、単に上司と気が合わないといった程度を過敏に捉えている場合や、ご自身にも原因の一端がある場合が、どうしてもあるだろう。 本書はそれについてまでも気づかせてくれる。
私の友人は、著者にemail(あとがきを参照)を送ったところ、きちんとした内容の返信が送られ、現在、問題解決に向けて前向きに取り組みを進めている。 本当に苦しんで解決策に苦慮している最中の方々には、本書の評価はおそらく★5つかそれ以上であろう。
紙の本
クソッタレなパワハラ上司と戦うすべての人に・・・!(笑いと元気がもらえます)
2008/10/02 01:40
5人中、5人の方がこのレビューが役に立ったと投票しています。
投稿者:ユキウサギ - この投稿者のレビュー一覧を見る
「たったひとりのクソッタレに1回あっただけで奪われるエネルギーと幸福感を取り戻すには、5人以上のポジティブな人間と会わなければいけない」
職場内の書店で、帯の惹句に目が釘付けになりました。ちょうどイヤな上司に悩まされていたところだったので即買いでした。
日本の企業内でもセクハラは駆逐されつつありますが、パワハラについてはまだまだ対処が進んでないのが現状ではないでしょうか。主な理由は「厳しい指導」と「度を過ぎた圧力」の差がわかりにくいことでしょうね。筆者は本書でパワハラ上司たちを「クソッタレ(asshole)」と一言で切って捨てます。その基準は、
1 その人物がつねに他人を貶め、やる気を喪失させる人物かどうか
2 その人物がつねに自分よりも力の弱い相手を標的にしているかどうか
どうです、いるでしょ、あなたの周りにも。
陰湿なイジメって、日本固有のものと思いがちですが、じつは大人のイジメはアメリカ・ヨーロッパのほうがイジメ先進国なのかもしれません。
仕事を干す、「私は無能です」と無理やり言わせる、公然とバカにする、目上と目下であからさまに態度を変える。そんなクソッタレたちが存在することで、実際に組織にとってどれだけ損害が生じているか「クソッタレ被害総額試算」なるリストまでついていて笑えます。いや、笑えるうちが花かもしれません。
クソッタレがのさばる職場でサバイバルするには、さらにはあなた自身が(その強力な汚染力で)クソッタレにならないためには、どうすればいいかの知恵が満載でした。
ちなみに私が買った書店、今週行ったらまたこの本が補充されていました。本屋さんからのエールと受け取っておきます。ありがとう、本屋さん。
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イヤなことは後を引く。良いことがあったときと比べると5倍は長い。
会社で攻撃を受けたときは、「会社の管理が悪い」と会社を巻き込んで訴える姿勢をしめす。
上司が卑劣だと、部下は報復を考える。
くそったれが会社に与える影響を考えろ。
組織において上と下の処遇が少ない方が障害は少ない。生産性は上がる。
自分が正しいと思って戦い、自分が間違っているかも知れないと思って相手の話を聞け。
深くつきあう前に、どういう人かしっかり見極めよ。そうでないと後から離れることは難しい。
くそったれはできるだけ避ける。
仲間意識で協力しあうこと。
イヤな性格はうつる。
上司がいじめるときは、状況を客観的に見る。そして逆らわず流れに身を任せると気持ちが楽になる。
くそったれは簡単には変わらない。
大きい問題は小分けにして一つづつクリアしていく。
威嚇を戦略的に使え。怒りを示した方が説得力があるときがある。
厳しい態度とやさしい態度を使い分ける必要がある。
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気遣いのできない人にならないための覚書。
ストレス下での自分のコントロール法。
嫌な奴への対処法。
読んで損はない
字が大きく、情報量は多くはない
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【クソッタレの基準】
・標的が憂鬱、無力、卑屈になる
・標的が弱者
↓
相手が弱者と強者の場合でどう態度を変えるかを見れば人間性がわかる
クソッタレ1を払拭するのにポジティブ5
"卑劣なくせに成功する"ことはあっても"卑劣なおかげで成功することはない"
【クソッタレに対して】
・クソッタレが出席する会議には出来るだけ行かない
・クソッタレからされた質問は出来るだけ返答を遅らせる。出来ることならあまり答えない。←笑
・クソッタレとの接触をどうしても避けられない時は出来るだけ短く切り上げる
☆これらを実践するために、小学校で教えこまれた
・良い子は自分の席から離れない
・授業がいくら退屈でも我慢する
・全然がどんなに嫌なやつでもとにかく耐える
などなどを忘れること。クソッタレ相手の会話は会議から逃げ出すのは悪いことではない。
作家ニック・ホーンビィの言葉「ぼくよりも若い世代の人たちにこれだけはアドバイスしておきたい。『きみは出ていってもいいんだ』」は、退屈なコンサートや映画の話だけれど応用がきく。
【良い人間の見分け方】
・仕事の話をする時、一人称が「わたし」ではなく「わたしたち」と言う。同じ組織内の別の部署の人間を「わたしたち」と言うか「彼ら」と言うかもポイント
【サバイバル方法】
ボートでは急流でボートから落ちた時には「ライフジャケットに頼って身体を浮かし、脚を前に突き出しておけ。そうすればたとえ岩に叩きつけられても脚のバネで衝撃を和らげることが出来るし、体力を蓄えておける」という。
この戦略の優れたところは、状況に流される自分を「意気地のないダメ人間」と思わず「わたしは自分の意志でこの道を選択した」と思えること。
「いま自分がおかれているこの困難な状況は一時的なもので、自分の落ち度で生じたものではない。私生活とは切り離して考えるべきだ」というフレームでものごとを見る。
自分を責める非合理的な思い込みをしないことが大切。
反面、クソッタレの変化にはポジティブにならないことも大切。変わらないクソッタレのために失望し続けるのは非常に危険。
復讐は時に人を救う。復讐出来ると思うだけで自分をコントロール出来る場合もある。
クソッタレと仕事をする時は割増しで料金を請求しよう。法外な料金にクソッタレが退散してくれれば安泰、仕事をすることになっても報酬が君を助けてくれる。クソッタレの多くはこの割増しに気が付かない。
クソッタレは逆境に立った時、必ず復讐される
【クソッタレ撲滅ルール】
・信頼出来る人からの推薦を重視←無理なら大学で講義を持たせ教室での振る舞いを視察するなどする
・面接は出来るだけ多くの社員と話させる
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全世界で共通してこのようなことがあるのなら、組織と言うものは80:20の法則以外に、一定の率でイヤなやつを発生させる機械なのだろう。
この本を読んで気が楽になる社会人(特に女性)は多いだろうからそういう人がいたら薦めたい。
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いくつかの覚えておきたいことや、言葉をメモ。
p.121
「自分は正しいという前提に立って戦い、自分が間違っているという前提に立って相手の話を聞け」
p.163
自分は人より勝っていると考えている人間は傲慢になり、他人を否定的な目で見るようになる。一方、自分は劣っていると考えている人間は、他人に対して嫉妬や敵意を持つようになってしまう。
p.246
罰をうけたり、人まえで恥をかかされることを、人間はできるだけ避けようとする。その心理につけこめば、恐怖を鞭にして人のやる気を引きだすことができる。
p.248
温かい態度やほめ言葉を巧みに織りまぜることで、部下や教え子のやる気や忠誠心を引きだす。このテクニックが非常に効果的であることは、心理学者による<対比効果>の研究でもはっきり実証されている。
p.269
「ネガティブな印象がそのときの気分にあたえる影響の強さは、ポジティブな印象のあたえる影響の五倍もある」
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本を開くとあらゆるページに「クソッタレ」という単語が並んでいるという、素晴らしき「ビジネス書」。
自分がイヤな奴にならないために、自分の周りのイヤな奴に巻き込まれないために、非常に役立つ本だと思います。
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あくまで読み物。これといった解決法を挙げられているわけでなく、クソッタレなやつの事例を多くあげていることがメイン。
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クソッタレに慄きおびえるのではなく、うまくあしらって利用しろ、と。その戦略で生き抜いた例が元HPのCEO、カーリー・フィオリーナ。
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上司は選べない。Assholeどもの跳梁する職場でサバイブするちょっとの秘訣。そして組織として取り組むべき施策について論じられている。その職場の人間関係がビジネスの側面から考察されているのが日本の同様の本との違いだろう。居心地の良い職場は生産性も高いことがデータで示されるのが米国らしい。人間関係に悩めるビジネスパーソン必読
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HBRがきっかけだったとは。
原題『NO ASSHOLE RULES』これが、素晴らしい。
そのままのタイトルでは出せないのがつらいとこではある。
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堂々と連発される「クソッタレ」が愉快痛快!
しかしどこにでもくそったれっているんだな・・・。
ほんと、もっともっとくそったれが追放される世になって欲しいものだよ。
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The No Asshole Rule:
Building a Civilized Workplace and Surviving One That Isn't ―
http://bookclub.kodansha.co.jp/bc2_bc/search_view.jsp?b=2141361 ,
http://bobsutton.typepad.com/
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哺乳類の集団において、序列の高い者と低い者の社会的距離が小さく、その距離をより小さくしようと努力がなされる場合、序列の高いメンバーがゲス野郎のようにふるまう傾向は低くなる。
「有能なマネージャーは私ではなく私達という」ピーター・ドラッカー
〈距離を置いた関心〉『思いやりを持ちすぎもせず、無関心になりすぎてもいない、医療従事者にとっては理想的な状態』
ネガティブな印象がその時の気分に与える影響の強さは、ポジティブな印象が与える影響の5倍もある。
これと言った対処法はなく、事例から学べるものは少ない