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日本人の脳に主語はいらない みんなのレビュー

  • 月本 洋 (著)
  • 税込価格:1,76016pt
  • 出版社:講談社
  • 発行年月:2008.4
  • 発送可能日:購入できません

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みんなのレビュー14件

みんなの評価3.5

評価内訳

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  • 星 1 (0件)
13 件中 1 件~ 13 件を表示

紙の本

日本語,英語の違いというものが違う脳を作るんだと

2010/01/25 10:51

4人中、4人の方がこのレビューが役に立ったと投票しています。

投稿者:SnakeHole - この投稿者のレビュー一覧を見る

どんな本か,と言えばタイトル通りの論を懇切丁寧に語っている本である。そんなの当たり前ぢゃないかとおっしゃるかも知れぬが最近はカンバンに偽りありというか,そういうのも多いんでね。……著者の月本さんはもともとは人工知能の研究者で,その流れで脳のハタラキを研究するうち,「日本語は英語と違ってよく主語が省略される」というよく言われる話はなんか違うんぢゃないかと,省略されてるんぢゃなくてもともとなかったんだってば,と。

もそっと丁寧に論理をたどると,まず我々がコトバをどのように理解しているかという話から始まる。つまりですね,例えばオレがここに「赤いマフラー」と書くと,それを読んだあなたの脳は懐かしい「サイボーグ009」の主題歌を思い出す……んぢゃなくて,実際に赤いマフラーを目の当たりにしているときと同じように動くんだそうなのだ。これを難しい言葉で言うと言語理解には身体運動が不可欠だということになる。ほんぢゃってんでMRIを使い,いろんな音(言語は言語として理解されるまではただの「音」だかんね)を聞いた時に脳のどこが活性化するかというのを調べると,英語ネイティブと日本語ネイティブではずいぶん違いがあるんである。

その昔,西洋人にとっては秋の虫の鳴き声(厳密には「鳴いている」わけでも「声」でもないけどさ)が雑音でしかないという話を聞いて,なるほど連中には風流というモノが解らないんだと……ほんぢゃビートルズは「アビイロード」のB面に雑音としてコウロギの鳴き声を入れたんかちう疑問もあるんだけど,思ったもんだが実際にそうだった。日本人はこのコウロギの声を始め,母音,子音,小川のせせらぎ,風の音などを言語野のある左脳で聴き,機械音を右脳で聴く。ところが西洋人が左脳で聴くのは上のうち子音だけ,その他は全部右脳で聴いているんですな。

ここで話は逆流する。この結果は日本人の遺伝子と西洋人のそれの違いに根ざすモノではなく(英語ネイティブの日系二世は西洋人と同じ),日本語,英語の違いというものがこういう脳を作るんだと。こっからの実証がちと乱暴というか粗雑な感じが否めないが,それで話の面白さが減じるわけではない。そう言えば「日本語の論理」(山口明穂著)にも「日本語にはそもそも『主語』なんてものはないのだ。あの概念自体が輸入品なんである」みたいなことが書いてあったな,などと以前読んだ本を反芻させてくれるところなども嬉しい一冊でありました。

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紙の本

こんがらかった結び目を。

2008/07/09 11:48

3人中、3人の方がこのレビューが役に立ったと投票しています。

投稿者:Living Yellow - この投稿者のレビュー一覧を見る

 ぐじぐじ指で押したり引いたりしていて、何とかほどけるとたいそう気持ちいい。しかし、結び目に人が奮闘している時に、さっとハサミを差し出すのも心地よい。時間の経済から言えば、ハサミでずばっと解決した方が早い。しかし、紐はもう使えなくなる。しかし、その取っておいた紐が台所のそこかしこに溜まっているというのも、人によってはいらだたしい光景であろう。

 言語と脳(右脳・左脳)の問題は、専門外の立場でありながら、右脳と左脳の言語音認識について、注目すべき知見を提出した角田忠信氏(『日本人の脳』大修館書店)によって、様々な、玉石混淆ともいうべき、研究領域となっている。
  「右脳を鍛えろ。」「いや間脳をずんと」といった、冷静に考えを煮詰めていくと困惑するしかないフレーズの流通は、やはり「石」と言わざるを得ない。

 しかし、脳を直接傷つけずに、その機能・動作を観察できる技術の発展は、脳科学・認知科学の急速な発展を促したことは事実であり、一方で言語学はその成果と齟齬を来たしているようでもある。

 本書はその間隙を埋める刺激的な一冊である。自ら書かれているように、著者は隣接諸学の協力を求めている。力業とも言える立論には、各専門の方からは、多くの反論が予想される。しかし、それらを織り込み済みで本書を世に問うた、著者の姿勢には、それなりの覚悟と切迫感を感じる。願わくば、この書名に生理的反感を覚える方々にこそ、手にとっていただきたい。
 
 言語学用語の定義(「意味論」「統語論」「語用論」など」)、統計処理の方法、統計調査の母集団の問題、コーパス的なアプローチの不十分さ、などが言語学系の方々に本書を語ることをためらわせるかもしれない。
 
 人間の自他の認識が脳のみではなく肉体を伴わなくては成り立たないという知見(ドウエル教授(アレクサンドル・ベリャーエフ著・原卓也訳『ドウエル博士の首』創元推理文庫)やサイモン・ライト(エドモント・ハミルトンの『キャプテン・フューチャー』シリーズ・野田昌宏氏訳・70年代中盤からはじまるNHKSFアニメの先駆けとなる)などなどが存在不能か、全く別の存在にならなければならない、ということになってしまう)、一方、母などの身体動作を見ているだけで、見ている子などの側の対応する脳の領域が模倣的な活動を起こすという、「ミラーニューロン」の存在などにわくわくされた、脳科学に親しんできた方々にとっては。本書後半は少し唐突に感じられるかもしれない。

 発話行為が、物理的には母音の発生でそのつど、起動し、その母音からはじまる発話の自己認識の役割分担が、母音を多く含む日本語などの言語と、母音への依存度の低い英語などの言語(イタリア語などは中間に位置する)においては大きく異なるという立論である。そこまで脳の機能の配置が確立されているかどうか、門外漢としては、ただ口ごもるしかないのだが。

 とはいえ日本語発話者が右脳のみで、上記の流れを完結できるのに対し、英語発話者が右脳から左脳への、伝達時間を要し、そのタイムラグ・間が主語「I」を生んだという結論部は、そのままにされるには、あまりにも魅力的すぎる。

 是非とも、諸学現場の研究者の方々に、さらなる検証に挑んでいただきたい限りである。

 とはいえ、やはりためらいが残るのは否めない。かつての言語学ブームは、人間の意識の「下部構造」としての「言語」に依拠するかたちをとり、「下部構造還元」論を否定しつつ、その大枠を引き継いでしまっていたのではないか、と最近感じていたのも一因である。

 ある問題を別の問題系に「還元」することは、やはり「解決」ではないのではないだろうか。
 
 とはいえ、届いた荷物は、いつかは、ほどかねばならないのだが。

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2010/04/30 17:51

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2010/04/19 00:55

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2010/09/15 01:41

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2019/01/28 21:34

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