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紙の本
孤独とは、内在するもの。そしてそれは、愛しいもの。
2008/07/18 22:28
8人中、8人の方がこのレビューが役に立ったと投票しています。
投稿者:mayumi - この投稿者のレビュー一覧を見る
ピアニスト舘野泉のエッセイ。
っても、書いたものではなく、語り下ろしたもの。なので、他のエッセイよりより客観的な感じ。
で、生い立ちについてかなりつっこんで語っている。
両親ともに音楽家で、兄弟も皆音楽家になった家族の中で、唐突にフィンランドに渡った彼を、むしろ暖かく見てるのがやはり普通の家庭とは違うなぁと思った。
舘野泉の力があったから、日本における北欧音楽が認められたといっても過言ではない。が、それは、舘野泉以前、北欧音楽は認められていなかったということなのだ。
温和な笑顔を見せ、温和な語り口であるけれど、舘野泉の中には絶対的な孤独があるのだと感じる。
だからこそ、彼は北欧にひかれ、その地に住むことを選択した。そして、左手のピアニストとしてやっていくことを、ピアノからは絶対離れないと、決意させたのだろう。
孤独は誰の心にもある。
舘野泉にとって、ピアノは、北欧は、その孤独を愛しいものへと昇華させるものであるのかもしれない。
近頃子供用のピアノテキストに、やたらグリーグとかカスキとかがでてくるようになった。これは、舘野泉の功績であり、彼の北欧音楽への愛情が形になったということなのだろう。そして、それらの作品に触れるごとに、私は舘野泉の穏やかさと厳しさを聞く。
…他のエッセイより客観的と書いたが、言い換えれば一般的ともいえる。ゆえに、舘野泉を始めて読む方や、音楽とは無縁です、という方にもしっかり読めるエッセイだと思う。
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