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http://taigendo.com/より引用
本書は道教経典である『陰符経』の解説書です。
著者は合気道や太極拳の指導を行っている方で、道教の経典である『陰符経』を合気道や太極拳などの武術の立場から解説されています。
内容は合気道の植芝盛平や太極拳の様々な達人達の言葉を引用し彼らに共通する根本的な在り方が『陰符経』に書かれている世界と同じであるというものです。
『陰符経』は道篇、法篇、術篇の三篇からなります。
道とは天(宇宙)のはたらきで、法はそれが目に見える形に表れたもので、術はそれを自分たちが利益になるようにする為のノウハウです。
人が術ばかり追い求めてしまうと天(宇宙)のはたらきである道から離れてしまう。
そうすると滅んでしまう。
人は道に根ざして生きていかなくてはならない。
道を知るために術を知り、法を知り、そして道を知ることが大切だというものです。
高度な科学技術の発達が自然を破壊し人類に危機をもたらす可能性を私達は多く目にします。
道から離れない、自然や宇宙の在りようから離れない私達の在り方が大切なのでしょう。
個人的には『陰符経』の表現が面白いです。
五行を五賊と表現したり、普通に機というところを殺機と表現したり、天は生み天は殺すと表現したり、経典のわりにずいぶん過激です。
引用終り