紙の本
いつも何かをやらかし、行く先々にあとを残すダッフルコートを着た愛すべきクマのお話。げらげ笑え、そして心を温めてくれる童話。
2001/11/09 12:00
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投稿者:中村びわ(JPIC読書アドバイザー) - この投稿者のレビュー一覧を見る
キャラクターとしてのパディントンは結構前から知っていたけれど、この素晴らしい童話シリーズを知ったのは数年前のこと。知り合いの絵本作家の方に「声を出して笑いころげることができるなんて本は、そうあるもんじゃない」と教えていただいた。幸せなきっかけだったと思う。
パディントンは幼児でも喜ぶキャラクターではあるが、ボキャブラリーや情報量の多い、しっかりとした内容の童話である。童話というより、児童文学と言った方がしっくりする。だから出版社が提示している「小学校中級以上」という対象年齢の目安にまちがいはないと思うし、子どもだけでなく、家族が増えつつある大人が読んでも有意な本だという感じがする。それは家族のあるべき姿が、とてもさりげなく、とても温かく描かれているからだ。
小学校中級以上を対象にした読み物というと、学校や家庭、社会の問題に目を向けさせようと書かれたものが増えてきている。両親の不仲やいじめ、管理教育との確執など——確かに大事なテーマなんだけど、それらを飛び越えるための翼がほしくて本を手にする子どもにしたら、生々しい内容では辛すぎる。現実逃避の道具がいいというわけではない。が、夢物語のなかに、これだと思える理想の姿や、そこに至るに必要な哲学を植え込んでくれる力を備えたものが好ましいと私は思う。その意味で、パディントンのユーモアは100万馬力なのだ、私のような中年にとっても…。
それから、ロンドンが好き、英国文化に憧れているといった人には、それはもう、とびっきりにゴキゲンな内容だろう。
この巻には7つのお話が載っている。クリスマスに直接関係したお話は最後の2つだけだけれど、パディントンのシリーズでは、時の流れがとても大切に扱われている。
1巻めの『くまのパディントン』で、暑い夏の日に、パディントン駅でブラウンさんの一家と出会いパディントンと名づけられたクマ。暗黒の地ペルーから密航した移民の彼が、地下鉄やデパート、劇場や海水浴場でいろいろな事件を巻き起こす。
2巻めでは夏が終わり、ブラウン家の子どもたちは寄宿学校へと戻っていく。秋の行事、冬の楽しみ、そしてクリスマスへと時が流れていく。
パディントンの天然ボケの愛らしさは7つのどのお話にも発揮されている。家族写真を取ろうと早々とお風呂に入っておめかし。でも、セルフ機能のない古いカメラで、自分が写真師。何のための入浴? 皆の留守に、自分に与えられた部屋の改装を試みて、ペンキ塗りやしっくい塗りに失敗したパディントン。すべてを隠そうと壁紙貼りに挑戦し、ドアまでふさいでしまう。クリスマスの贈り物を買いに出かけた高級デパートでは、伸縮自在の物干しロープを試していて、家庭用品売場から入り口まであちこちにひっかけてしまって…。
ブラウン家の人びとだけでなく、読む人すべての心に住みついてしまう、愛さずにはいられないクマの物語。こんな本を楽しく読んで過すクリスマスも悪くないと思う。
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パディントンが冒険家って知らなかったぁー(笑)
思わずぷぷぷって笑っちゃうとこがあったり、パディントンの愛らしさがたまらないな!
シリーズ読破を目標にします!!
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クマのパディントンシリーズ2作目。
ブラウンさんの家に住むようになったパディントンの日常のお話短編数作。
めっちゃ面白い。結構字が小さめで、何より書体が古いため、読む前から読みにくさを感じていました。が、何の事は無い。古くから今もある本がいかに名作か教えられました。
私たち人間にとっては当たり前のことがパディントンにとっては新しくて、その対処が可笑しくて周りの人達に影響する。そこに起こる笑いが私好みでたまりません。
例えば、探偵の真似事をして髭をつけて変装するパディントンに
「パディントン、バターを買ってきてくれる?」
「パディントンではない、探偵シャーロック・ホームズだ」
「ええ、わかりますとも。バターをお願いね」
流したっ!!これですよ(笑)
あと、バーデーエートンに吹いた。秀逸です。
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パディントンが巻き起こすドタバタに、すっかり馴染んできた娘。ゲラゲラと笑いこけながら聞いていました。性懲りもなくパディントンを買い物に連れていく奥さんには、呆れちゃったけど(笑)
《追記》
物語の中に何度も出てくる《暗黒の地ペルー》という言葉のインパクトが強すぎて、今、読んでいるドリトル先生にペルーという名前が出てきた瞬間「暗黒の地ペルー!」と目を輝かせる娘。何だか気になって、色々、調べてしまいました。ひどい独裁政治が行われた歴史でもあるのかと思ったのだけれど(無知だなあー)そんなことはない様。
で、私なりに、キリスト教が信仰されていない異教徒に対する言葉として使われていると解釈。1巻の時に聞かれた娘の「何で暗黒の地なの?」という問いに答えてあげようと思います。でないと、ペルーに申し訳なくて(^_^;)
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[江戸川区図書館]
「くまのパディントン」をやーーーっと読み終わった!と思ったら、「次借りてきて」と言われたこの本。でも結局最後までは読まなかった気もするけれど、なぜかかわいいもの好きなんだよなぁ、うちのワンパク坊やは。
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「パディントンの本」シリーズの2冊め。
小学校中級以上と本にありますが,小3~4くらいのギャングエイジの子たちが読んだら,結構重なるところがあるのではないかと思います。
イギリス,ロンドン,ウィンザーガーデン二十二番地。
ペルーからやってきた小さいくまのパディントンが,ブラウンさん一家と暮らすようになりました。
この「パディントンのクリスマス」では,クリスマス前の冬の物語。
家族写真を取ったり,探偵になったり,大きなデパートにプレゼントを買いに行ったり。
そしてクリスマスの日の贈り物をしたり。
なにかあるごとに,パディントンのまわりには,事件が起こるけれど。
それでもパディントンはみんなに愛されています。
顔がマーマレードでべたべたになっても,何があっても愛らしいパディントン。
悪気はまったくないのに,頑張っているのに何故か事件が起こってしまう。
それをブラウンさん一家は温かく受け止めている。
パディントンのことがみんな大好きだというのがわかります。
パディントンが表面的にやんちゃないたずら坊主に見えても,根っこはだれか周りの人への思いやりがあるんだというのが,共感できるような気がします。
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エリザベス2世との共演で、日本でも改めて話題になったクマのパディントンシリーズの2作目。
シリーズ1作めはこちら。パディントンが「暗黒の地ペルー」(こう言われながらも、ペルーはパディントンの銅像などを建ててる)からイギリスにやってきて、ブラウン一家と一緒に暮らすようになるお話。
https://booklog.jp/users/junsuido/archives/1/4834001083#comment
私は以前から、とてつもなく個性的なキャラクターが大騒動を起こすお話はちょっと苦手なのですが(ビンボー性なので「片付け誰がするんだ!」「あんたは面白くても相手は面白くない!」などと感じてしまう)、年齢を重ねたせいかキャラクターの起こす大騒動を笑って見られるようになってきました。
パディントンに対しても「良かったねえ、みんな楽しいねえ(^_^)」と見られるように 笑
季節は冬です。パディントンは初めて見る雪にも大興奮。相変わらず騒動ばかり起こしますがブラウン一家にもご近所にもなくてはならない存在になっています。
ブラウン一家は「パディントンも家族なのだから家族写真を取ろう」といいます。ちょうど骨董カメラを手に入れたパディントンは張り切って撮影しようとしますが…。
/『家族写真』
ブラウン一家は、使っていない部屋をパディントンの部屋に改装しようとします。一家が出かけている間にパディントンは自分で怪装…じゃなくて改装しようとします。
/『怪装事件』
ブラウンさんが品評会に出そうとしたカボチャが無くなっていまいました!夜、自分の部屋の窓に怪しい光をみたパディントンは…。
/『パディントン探偵になる』
今日はガイ・フォークスデー。焚き火と花火のことを聞いたパディントンは、自分でも花火を上げてみたいと思い、ガイ人形を作ります。
/『パディントンとたき火』
パディントンは外を見てびっくりです!真っ白!ブラウンさんたちは「それは雪だよ」と教えます。ジョナサンとジュディ(ブラウン一家の息子と娘)と一緒に雪合戦や雪かき、雪くまになるなど、すっかり雪を堪能するパディントンですが、雪まみれになり熱を出して寝込んでしまいます。
パディントンを心配したご近所さんたちは、次々にお見舞いにやってきます。
/『三十二番地での災難』
ブラウン夫人は、パディントンを連れてクリスマスの買い物に行きます。騒動が起こらないわけがありません!
/『パディントンとクリスマスの買い物』
そしてクリスマスの当日。パディントンは、贈り物にカードに楽しい一日を過ごします。
/『クリスマス』
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最近はドキドキするような冒険物ばかり読んでいたので、久しぶりにほんわかできるパディントンの続きを読むことにしました。
今回も相変わらずやらかしてばかりのパディントンですが、ブラウン一家に愛されているのが伝わってきて嬉しくなりました。
タイトルのクリスマスの話がとても素敵です。
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11月5日のガイ・フォークスの日のお話って珍しいですね。翌日にはもう雪なんて。ブラウン家のクリスマスは、思ったより穏やかなのでは。
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"More About Paddington"
First published in 1959, More about Paddington is the second novel by Michael Bond chronicling the adventures of this classic character.
2作目の"More About Paddington"の日本語版『パディントンのクリスマス』は1968年に日本で発売されました。
『パディントンのクリスマスの手紙を』読む前に1作目と同時進行で目を通しておくとパディントンがもっとすきになれる良本。
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パディントンシリーズの2作目。
再読。
又甥が国語が苦手のようなので、何か楽しめる本を、と探している。
個人的には、プーさんよりも、パディントンのほうが好き。子ども時代から何度も読んだ。
夢の世界というより、いたずらっ子の末っ子、という感じ。何かとトラブルを引き起こしてしまうけれど、本人(本クマ)は自覚的でも意図的でもなく、いつも素直で、一生懸命で、裏表がない。
見守る家族たち+グルーパーさんが、またいい。ことにグルーパーさんはパディントンをクマとして扱わず、子ども扱いもせず、「ブラウンの若だんな」と呼んでくれる。こういう人々に囲まれて、パディントンは幸せだ。
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愛すべきパディントン!愛すべきブラウン一家!
パディントンとブラウン一家の絆がさらに深まり、愛に溢れてて読んでて目頭が熱くなった。なんて素敵なお話しだろう。