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「色」をテーマにしたアンソロジー。
素人考えで、「色」ならストーリーを展開しやすいのでは?と思ったけど、
実際読んでみるとそうでもないな、と感じた。
分かりやすかったのが永井するみさんの『ターコイズブルーの温もり』。
ターコイズブルーと言われるとすぐに色が浮かぶし、
そのターコイズのネックレスを肌身離さず身につけている女性の話は、
色をテーマに話を作るならこんな感じ、と私が勝手に想像していたようなお話だった。
断然印象に残ったのは豊島ミホさんの『ももいろのおはか』。
色がふわーっと頭の中に広がる話だった。
少し癖のある話だけど、私は大好き。
色だけじゃなく、息づかいとか心臓が動いている音とか、血が流れる温かさとかを感じるお話だった。
次によかったのが水森サトリさんの『銀の匙キラキラ』。
結構屈折した感情の持ち主の主人公。
屈折するにはそれなりの過去と理由があるのだけど、それが話が進むにつれて明らかになる。
主人公とは正反対の天真爛漫で純粋無垢な夫の存在が最後に生きてくる。
そして、最後にこれまた色がふわーっとやってくる。
後は可もなく不可もなくといったところ。
でもアンソロジーはいろんな作家のいろんなテイストを楽しめるのが魅力だから、この形式は結構好きです。
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色にまつわるアンソロジー。
全体的にまあまあ。なかでも水森サトリ「銀の匙キラキラ」、関口尚「さよならの白」、花村萬月「色色灰色」が良かった。
共通点は自我の強い癖のある女性が登場するってとこかな。
銀:言葉では表現出来ない心理。もどかしい、と思う。そんな彼女の気持ちがわかるような、わからないような。
簡単には「共感できる」とは言えない感じ。でも強く惹かれた。全体的に変わった雰囲気。11作品の中で一番好き。
白:自己中極まりない、猟奇的なジャイアンのような彼女。でもその内面は誰よりも弱くて脆い。私はそんな彼女が、とてもいじらしいと思った。こういうギャップにひたすら弱い私。
灰色:これはニヤけるね。会話の内容が阿呆過ぎて、笑ってしまった。最初は少し取っ付き難い印象なんだけど、鉛筆削りしだすあたりから様子がおかしい。とりあえずおかしい。彼と彼女の二人のやり取りが◎。
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松樹剛史さんの作品を目当てに読みましたが、他に藤田宜永氏、永井するみ氏、宮本昌孝氏の作品が良かったです。特に宮本氏の作品は今までずっと食わず嫌いで読んだことのない時代小説の面白さに触れることができました。
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藤田宜永・宮下奈都・松樹剛史・豊島ミホ・池永陽・永井するみ・宮本昌孝・水森サトリ・関口尚・朝倉かすみ・花村萬月による、色にちなんだ短編アンソロジー。
人気作家が並んでいるのに、どれもぱっとしない感じ。
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藤田宜永「黄色い冬」/宮下奈都「」/松樹剛史「真っ黒のナイン」/豊島ミホ「ももいろのおはか」/池永陽「緋色の帽子」/永井するみ「ターコイズブルーの温もり」/宮本昌孝「金色の涙」/水森サトリ「銀の匙キラキラ」/関口尚「さよならの白」/朝倉かすみ「」/花村萬月「色色灰色」/ 永井するみさんの作品が分かりやすくて可愛いなと思いました。池永陽さんの作品は女の子が凄い強くて美しいです。感動しました。あと、花村萬月さんの作品、笑えます。
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色にまつわる話のアンソロジー。アンソロジーは初めてだったんですけれども、色々な人のそれぞれの書きかたが楽しめていいですね^^やっぱりいいなぁって思う人もいれば、イマイチ・・な話もありました。黒・緋色・白のお話がお気に入りです。
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宮下奈都さんの作品が読みたくて手にとった本。宮下さんの作品は最後の一文で強烈な色が浮かび上がるように目に入ってくる。色どり豊かな作品たち。どれも丁寧に描かれている印象だった。
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<内容>色をめぐる人気作家11人のアンソロジー
世界は色でできている。けれど、あの思いが込められているのはただ一つ――。黄・青・黒・桃・赤・ターコイズブルー・金・銀・白・深緑・灰色。色をテーマに11人の作家が描く珠玉のアンソロジー。
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短編集2本目。
こちらは「靴に恋して」よりも断然おもしろかった。
お気に入りは、水森サトリの『銀の匙キラキラ』
題名はいまいちだけど(笑)、そこに描かれている主人公の気持ちの変化に感情移入したし、私もそうありたいと思った。
人生悲観じみていているんだけど、回りの人と一線を置いて付き合っているんだけど、でもそんな彼女は結局は暖かい心の持ち主。
モネはどうして美しいものばかりを描くのか?
―世の中はすでに醜いもので満ちています。どうしてわたしはこれ以上、醜いものを作り出す必要があるのでしょう
だんなの一言
「だけどぼくは、死んでもずっと、君のことを見守っているよ」
銀の匙が、世界中のくだらない人類を祝福する。
そんな銀の匙を主人公夫婦はまいて行っている。
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色にまつわる短編集。結構作風がばらけていたので面白かったです。読んだことのない作家さんばかりだったので、その作家さんへの良い入門書となりました。私的に金色の涙が好き。
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色をテーマにした、11人の作家による、11篇の短編集。
それぞれの作品は、約20ページ。気分が乗る前に終わってしまう作品が多かった。まぁ、短編集って大概そうなんですけどね。それにしてもなんとなくぱっとしなくて、悪くないけど、いいというほどでもなく、といったかんじ。一番いいなと思ったのは「緋色の帽子」。なんか心にしみる作品だった。
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どれもまあまあよかった。
印象に残ってるのは黄、白。
どれが良かったとかいうことはなくって、全部読んで1冊の本だという気がした。
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それぞれタイトルに色の名前を付けた短編集。
競馬場で出会った年上のヒト。密会。げんかつぎの黄色い着物。ハイビスカスが取り持つ恋・・・「黄色い冬」藤田宜永
うんと年上の恋人を待つ生活。昔の恋人。世界の果ての井戸の底で蛙が見たもの・・・「空の青さを」宮下奈都
おかしなメンタルトレーニング。マネージャーを賭けた勝負。女には惚れたら負け・・・「真っ黒星のナイン」松樹剛史
短命の家系に生まれた俺。理想のお墓。まりんの“生きている色”・・・「ももいろのおはか」豊島ミホ
大好きだった女の子。東京大空襲。真っ赤に染まった防空頭巾・・・「緋色の帽子」池永陽
北海道の宝石の色した湖。書家とサッカーのユニフォーム。戸惑いつつ歩み始めた第一歩・・・「ターコイズブルーのぬくもり」永井するみ
吉原者の銀次に襲いかかった島抜け女郎の目的は・・・「金色の涙」宮本昌孝
最悪な親戚と私が守るべき恐ろしいほどに善人の夫。誰の上にも降り注がれる銀の匙。キラキラ輝く美しいキャンバスの裏側・・・「銀の匙キラキラ」水森サトリ
美しく高慢な女王のような美奈。彼女に命じられたシラサギの撮影。白いジーンズ・・・「さよならの白」関口尚
憂鬱な球技大会。勝手にライバル視する女ボスと割と大きな嘘。アイスキャンデーと昼夜逆転してるクラスメイト・・・「ふかみどりどり」朝倉かすみ
名前書きの思い出。鉛筆削りのほどよい陶酔。雪に穴を穿つ緋の血。色の行きつく果て・・・「色色灰色」花村萬月
豊島ミホと宮下奈都の作品が読みたかったのだが、うーんどれもピンとこなかった。残念。
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井戸をのぞきこんではいけなかったのに、
私はすっかり矢田さんを待ちわびている。
重力の違う彼は決して私の家でご飯を食べようとしない。
それでも矢田さんを待つ以外私は望んでいなかった。
宮下奈都「空の青さを」ほか全11編。
装丁:坂川栄治+田中久子(坂川事務所)
専務の妻と不倫関係になる「黄色い冬」
矢田さんを井戸で待つ蛙となった「空の青さを」
家族が事故で死に叔父夫婦に育てられた「銀の匙キラキラ」
辺りが好きです。報われないけれど本人は少し幸せ、というくらいの。
本筋とは全然関係ないけれど「ふかみどりどり」で
おでんくんはふんどしだがノーパンのプーさんよりマシだという件に吹いた。
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短編でオムニバス集。
豊島ミホさんがちょっと気になり借り読み。永井するみさんの【ターコイズブルーの温もり】が意外と面白かった。
表紙のカラフルさから、キラキラ幸せな話を想像しましたが、わりと真逆な内容。