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「ゴメスの名はゴメス」。こりゃまた懐かしいですねぇ〜。
大半の人には分からんでしょうが、私の子供の頃にはこの本を原作にした映画もありまして。
1950年代後半、内戦下のサイゴンに失踪した前任者の行方を探すために赴任した坂本の周囲に起きる不可解な事件。
自分を尾行していた男が「ゴメスの名は…」という言葉を残して殺された時、坂本は、熾烈なスパイ戦の渦中に投げ出されていた…。
「不安な現代の象徴」として書かれたスパイたちの孤独と裏切り。
誰にもそれぞれの思いがありながら、それらを表立って表せない。
登場人物の誰にもそれ故の影があり、粘りつくようなベトナムの暑さの中での疑心暗鬼。
内戦下のベトナムの雰囲気を良く出し一気に読ませる。
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いま読んで古臭く感じるのは当たり前。作者のあとがきも趣味の悪い皮肉にしか聞こえない。それが作品の価値を損なっているとは言わないが、古典を読んでいるような感じはした。おそらく現代に時間を移せば、場所はもっと中東よりになるだろうし、通信手段の発達によりこんな悲劇は起こるまい。犯人は誰かと言う謎解きがメインではないのだが、欲張りすぎてそちらにも手を伸ばした結果・・・と言う感じかな。まあ古典を誉めることも少ないが、別の意味で楽しかった。
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ゴメスと聞くと、リトラと戦った古代怪獣しか連想しないので、この本を読んで初めてスペイン人によくある名前らしい事を知った。
作者の名前とこの書名は、おそらく学生時代から知っているが、これまで読もうと思ったことは無かった。
最近少し時間ができて、読み損なったものをなるべく読もうという流れの中で読了。
この時代にベトナムを舞台にスパイ小説を書く、という事はおそらくかなりの困難を伴ったと思う。全く現地取材が出来ない状況で、これだけ臨場感がある作品を生み出したのはやはり非凡ではない作家と思う。
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【本の内容】
失踪した前任者・香取の行方を探すために、内戦下のサイゴンに赴任した坂本の周囲に起きる不可解な事件。
自分を尾行していた男が「ゴメスの名は…」という言葉を残して殺されたとき、坂本は、熾烈なスパイ戦の渦中に投げ出されていた。
香取の安否は?
そして、ゴメスの正体は?
「不安な時代」を象徴するものとして、スパイの孤独と裏切りを描いた迫真のサスペンス。
[ 目次 ]
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☆☆☆☆☆☆☆ 冒険性
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[ 関連図書 ]
[ 参考となる書評 ]
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主人公がスパイでないのかスパイなのか、誰がスパイなのかわからないので全ての人を疑いながら読むことになってしまった・・・怒涛のように過ぎる後半、一気読み。面白いけど、もうちょっとスッキリしたかった。
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おいおいかっこいいな、おいちゃん。という、単に出張してきた商社のサラリーマンなのに妙にハードボイルドである。拷問にも耐えに耐え、昔のサラリーマンはタフだったんだなぁ。
なんてことはきっとなくて、こういうタフさが好まれるというか格好良いと思われる時代だったんだろうかと。24時間戦えますかというわけで。
まぁケチをつけているようでこのクールな感じは嫌いではないのよね。