「四大聖人」という言葉があるんですね
2008/07/08 20:15
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投稿者:7ひきのこぶた - この投稿者のレビュー一覧を見る
本書で著者が“聖人”とみなしているのは「ブッダ」、「孔子」、「老子」、「ソクラテス」、「モーセ」、「イエス」、「ムハンマド」、「聖徳太子」の8人だ。ちなみに、一般に「四大聖人」と言われているのは「ブッダ」、「孔子」、「ソクラテス」、「イエス」である。著者も最初は「四大聖人」について筆を起こす予定だったところ、思想的に競争相手となりそうな4人がいて、「八大聖人」となった次第。もっとも、私は“聖人”をひげ括弧(“”)でくくっているように、崇め奉るのは疑問なのだが。
著者はこの8人を「心学」的に分析している。「心学」とは、江戸中期の思想家である石田梅岩に始まる実践哲学で、「石門心学」とも呼ばれる」という。「人間にこころがあるということが第一であり(中略)「最初に教義ありき」ではなく「最初に心ありき」であり、仏教でも儒教でも神道でもいかなるものでも、「心を磨く材料になる立派な教えさえあれば、それを使って磨けばいいという立場」なのである。つまり、心学とは普通の宗教とは逆に人間中心である」。江戸時代にどれだけ、一般に心学が浸透していたかというと、余談だが、古典落語に紅羅坊名丸という名前の心学の先生が、登場する噺のあることでもわかる。余談ついでに「紅羅坊名丸」の読みは「べにらぼう・なまる」-「べらぼうに・なまる」のもじり。
それはさておき「最初に心ありき」だから、今では存在そのものがあやふやな聖徳太子ですら、否定の必要がない。聖徳太子の精神を受け継いでいることが大事なのだ。「聖徳太子は、実像だの虚像だのといったレベルを完全に超越した存在」だそうである。
“聖人”の呼び方を、私が好まない理由は、宗教臭が好きでないことがある。それを除けば、本書で取り上げられている8人の思想そのものは、うなづける。それが捻じ曲げられたのは、それを伝えるべき後継者のせい。8人は自分の思想を書という形で著していない。「論語」は「子曰く-」だし、「新約聖書」は「-伝」「-福音書」という具合。その他の人も同様。原点に戻って、人類の教師たちのメッセージを受け止めよう。
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人類の教師と呼ばれた8人の聖人(ブッタ、孔子、老子、ソクラテス、モーセ、イエス、ムハンマド、聖徳太子)を分かりやすく紹介。そしてすべての聖人に精通した著者にしかできない、それぞれの聖人の類似点や聖人に隠された驚きの大発見など、とにかく今まで読んだことのないジャンルのすごい本です!この本は世界の偉大なる八大聖人の暗号を解き、人類にとって幸せになるための最も大切な事を教えてくれます。
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ブッダ、孔子、老子、ソクラテス、モーセ、イエス、ムハンマド、聖徳太子についての知識がほとんど無かったので、改めて彼らのことを学ぶことができたのは良かった。
また、八人の聖人とは別に「心学」のくだりは興味深かった。
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それぞれ、の国において神様は違います。そして、人々に教えをといたり自ら神になったりしたひともいます。この本は、その人たちの学んでいたことや聖人たちの教えを説明してくれる本です。第一部と第二部に分かれていて、一部は人類の教師たちのミステリーと題して聖人たちにはライバルがいたり、心学の説明などがあります。
二部ではブッタや孔子、イエスたちのプロフィールが紹介されています。
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とても面白かった!
著者は、怪しそうだが(笑)この本はとてもよく書かれていて
すごい知識量だなと思いました。
世界の平和のために、この八大聖人について勉強することは
必要だと、私も著者に賛同いたします。
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ブッダ、孔子、ソクラテス、イエスの四大聖人に、モーセ、ムハマンド、老子、聖徳太子を加えた八大聖人について書かれたものです。もちろん、この1冊でそれぞれの思想と背景が理解できるなどとは思っておりませんでしたが、日本人の柔軟性や許容範囲の広さ、寛容さ、大らかさが何に起因しているのか解ったような気がします。この中になぜ聖徳太子が?と思われた方は、読んでからのお楽しみです。ここで取り上げられている聖人以外にも、人類の教師と呼ぶに相応しい賢者は歴史上数多くいます。けれど、世界に争いごとの絶えたためしはありません。人間とは哀しいものですネ。
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[ 内容 ]
ブッダ、孔子、老子、ソクラテス、モーセ、イエス、ムハンマド、聖徳太子-あらゆる宗教や思想の基盤を築き、多大な影響を与え続ける八大聖人。
生まれた時代も地域も違い、異なる文化を背負いながらも、彼らの教えは「人類を幸福にしたい」という点で根源を同じくする。
「モーセ五書」と『論語』の類似、ブッダとイエスの共通点、宗教編集者としての聖徳太子…。
八人の生涯や人物像、それぞれの相関関係を、先達の文献も踏まえながら考察する。
混迷をきわめる現代だからこそ知っておきたい偉人伝。
[ 目次 ]
第1部 人類の教師たちのミステリー(人類を導いた八人 聖人のライバルたち 人類の教師の誕生 すべては心学から始まった)
第2部 人類の教師たちのプロフィール(ブッダ 孔子 老子 ソクラテス モーセ イエス ムハマンド 聖徳太子)
第3部 人類の教師たちのメッセージ(人類の教師とは何者か 龍と聖人の暗号 人類の品格を考える)
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キリスト、釈迦といった聖人たちも現在の存在になるまで道のりが険しかったことが分かります。
聖徳太子宗教の総合的存在という説は面白い。
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ブッダ、孔子、ソクラテス、イエスの「四大聖人」と、
著者はムハマンド、老子、モーセ、聖徳太子を加え「八大聖人」としています。
国や時代が違えど、そこには何らかの関わりや共通点が書かれており面白い。
今までも私は教科書などで聖人たちの名前はよく耳にしていましたが、
彼らの教えを深く知ることはなかったと思う。
特に聖人8人のプロフィールの章では生誕や教えまで説明があり、
古くから世界で聖人や人類の教師と呼ばれるのに、
誰もが納得するほどの理由がそこには書いてあります。
それは現代だからこそ、学ぶべき教えだと感じました。
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8人の聖人の思想や生涯がわかりやすく概説されている。そしてそれら聖人たちの関係性もよくわかる。特に聖徳太子が他の聖人たちと性質上違っているという話が面白かった。欧米の一神教の世界では、排他的な考えから他の宗教を弾圧したり、宗教戦争を起こしたりしている。日本人である私からすると、「何のための宗教か?」という疑問を感じずにはいられない。一方、日本では神仏習合がなされており、また、イスラム教など他の宗教に対しても欧米のような違和感を日本人は感じていないはずだ。。その、和をもって貴しとなす精神が聖徳太子の17条の憲法に集約されているという指摘はなるほどな、と感心した。教養として1回読んでおくのはアリです。
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うーん。期待はずれでした。そもそも短期間で8大聖人をわかろうとすること自体にむりがある。歴史、宗教に興味がある方の入門書としてはいいのでは?