紙の本
Jの晴着くまでは茨の道であり、地域リーグの壮絶な戦いと現実を教えてくれる稀有の作品!
2021/12/26 19:58
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投稿者:ひでくん - この投稿者のレビュー一覧を見る
「その国のサッカーを知るには、地域リーグを見るのが一番だ」という経験則より、滅多にスポットが当てられない地域リーグにフォーカスした異色作。休刊となった雑誌に投稿した内容を1冊の本にまとめ、大半の人が知らない地域リーグの魅力、特性、問題点を客観的な視点から捉えている。
地域リーグと聞くと、大半の人は興味を示さないだろう。グーナー(=アーセナルファン)の私も、初めは読もうかどうか迷った。
しかし、読み始めると実に面白く、コツコツ読み進めるうちに読破していた。
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日本の全国のサッカークラブの今の姿に迫ったドキュメンタリー。
とはいっても登場するクラブは「J」ではなく、JFLや地域リーグに所属するクラブである。
J2昇格を見据えて突き進むクラブもあれば、クラブ存亡の危機と闘うクラブもある。
「百年構想」は遠い道のりではあるけれども、日本サッカーの裾野の広がりを十分に感じさせてくれる一冊となっている。
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地域リーグからずっと岐阜を追っかけてるから、余計に読んでて気持ちが入り込んじゃった。
(08.11.15)
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2009年1月1日開始
2009年1月2日読了
今は亡きサッカー雑誌、「サッカーJ+」に連載されていたものに加筆・修正を加えて出版されたもの。連載中から興味深く読んでいたけど、まとめて読むとさらに考えさせられる。
基本的に地域リーグに所属しているクラブと全社(全国社会人サッカー選手権大会)、地域リーグ決勝(全国地域リーグ決勝大会)のリポート。名前だけは知っていたクラブや全社・地域リーグ決勝の過酷さはJ+での連載を通して初めて詳しく知った。
僕なんかはモンテディオ山形が旧JFLに上がってから見始めた口なので地域リーグ決勝大会の過酷さは知らない。知らずに済んだのをよかったと思うべきか後悔すべきかはわからない。
この本でレポートされてるクラブのうちFC岐阜、ファジアーノ岡山はJ2昇格を果たし、V・ファーレン長崎、FC Mi-oびわこ草津、FC町田ゼルビアがJFL昇格を果たしている。しかし、その裏でJ2やJFL昇格を果たせずもがき苦しんでいるクラブも存在している。前者と後者のクラブの差はなんなんだろうか?このあたりを追った続編を期待したい。
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代表でも、Jリーグでもない、地域リーグという、日本のトップリーグ(Jリーグ1部)から3つ下のカテゴリーのことが、詳しい取材により明らかにされる。「行って観なけりゃわからない」モットーに著者の宇都宮徹壱が地域リーグを明らかにしていく。今までに、これほど地域リーグに焦点を合わせた著書があっただろうか。
紹介されているチームの中には、ファジアーノ岡山や、FC岐阜など既にJリーグのカテゴリーで戦うチームも含まれている。まさに、明日のJリーグを見据えた一冊である。日本のサッカーが大好きな人には、たまらないこと間違いなしだ。
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スポーツナビ等のコラムで御馴染み、サッカージャーナリスト宇都宮徹壱氏のフットボール・ルポの名著。
華やかなりしJリーグの下の下、国内の4部に相当する『地域リーグ』のクラブにスポットを当て、「おらが町にJリーグクラブを! そして郷土に元気と誇りを!」という思いを胸に、限られた予算や条件の下で奮闘する経営者達、上のカテゴリーで戦力外を言い渡され、それでも必要とされる場を求めて選手として生き残りを賭ける者、そして再び這い上がろうともがくプレイヤー達の生き様を描く。
サッカーのために世界中を歩いてきた著者氏が、日本サッカーの現状を伝えるべく北は北海道から南は長崎まで、日本全国津々浦々を歩いて伝えたかった事。それは「テレビの向こうに移る煌びやかなスター選手達の世界だけがサッカーじゃない!」という事なのではないかと思います。
自分でプレーするのが好きな人、観戦するのが好きな人、あらゆる意味で『サッカーを愛する人』ならば読んで絶対に損は無い、文句なしにお勧めの一冊です。
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今年もそろそろ地域決勝が始まる.テッペンから見ればただの4部リーグ.でも当事者にしてみれば中身は全然違う.自分もにわかではあるが4部リーグチームのサポーターなので少しその景色が分かる.そんな4部リーグの景色を筆者の視点からいろんなチームで見れる本である.チーム状況は場所によってほんとうに様々.県民性や環境など様々な要素が絡み合っているけど,共通しているのは人間がつくっているということだ.あと途中でリアルサカつくなんて言葉も出てきたけどJを目指す4部リーグのチームは今は本当にそんな感じなのである.地域決勝の狂ったレギュレーションが変わるまでが日本サッカーの一つの過渡期なのかなあとこれを読みながら思いました.
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人にみせたいと思い本棚から引っ張り出してきたのでついでに登録。
地域リーグに焦点を当てた作品。
地域リーグ→JFLへの戦いがどれだけ過酷か・・・。
絶対に負けられない戦いが確かにここにももある!!
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2005-2007年頃の、地域サッカーを題材にしたルポルタージュ。
同じ方の『フットボールの犬』が文庫になったのを知り、久々に再読。
サッカーへの愛にあふれた一冊、です。
泥臭くてウェットで、それだけに心に響くものが伝わってきました。
Jリーグの100年構想に基づく、地域に根付いた「サッカー」、、
華やかさだけではない、その光と闇を丁寧に浮かび上がらせてくれています。
スポーツを地域からボトムアップしていくことは、社会貢献にもつながって。
その可能性を感じさせてくれるのは、読み応えがありました。
ん、今回取り上げられた「わが町のクラブ」の数々に、
10年後に再び巡り会ってみたいものである、なんて。
なにはともあれ、サッカーを生で観たくなる、そんな衝動にかられます。
地元のスポーツクラブ、あらためて探してみよう、うん。
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☆気づき
サッカーファン必見の一冊。
そして、
夢を忘れない為に読む一冊。
地方にJリーグクラブを作る為に奮闘する人達がカッコ良く描かれている
久しぶりによんで良かったo(^▽^)o
枕元に置いておきたい一冊
Ash
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著者はWEBサイト「sports navi」に「宇都宮徹壱のJFL定点観測」、「天皇杯漫遊記」、「日々是世界杯」といった‘読める’サッカー観戦記を寄稿するライター&カメラマン。 ゲームレポートだけではなく、スタジアム内外の雰囲気、試合の背景などを臨場感あふれる文章と写真で伝える。 そして読み応えを保ちながら、ビッグゲーム開催時は翌日原稿UPしかも毎日。これはすごい。 新著『股旅フットボール』では、地域リーグ参戦のチームを追いかけ日本各地を渡り歩いた。 ただのサッカー本、観戦記にとどまらず、地方のスポーツ振興、スポーツビジネスについてのルポにもなっている。 本とスポーツ観戦。少し前までは、都会と地方の格差はものすごくあった。 書店にはほしい本がない。スポーツ観戦したくても試合をやっていない。 けど、今、インターネット注文で、日本のたいがいのところで読みたい本を数日中に取り寄せることができる。 CS放送では様々な種類や国のスポーツを観ることができる。レベルも高い。 しかし根本的変化は、日本各地にプロスポーツクラブが誕生したこと。スタジアムで観るゲームは、勝敗・結果だけではないものを得ることができる。 15年前、10チームでスタートしたJリーグは現在J1、J2合わせて33チーム。さらにJFLや、この『股旅フットボール』の舞台・全国の地域リーグには、まだまだJリーグ入りを目指すクラブがある。 ファジアーノ岡山、ツエーゲン金沢、カマタマーレ讃岐、MIOびわこ草津…。 一方、本の世界では、書店の数はどんどん減っている…。うーむ。 それにしても、読書ノート「本の串刺し 世界陸上2007」『東京大学応援部物語』でも書いたが、なぜ、人は自分と直接関係のない選手やチームを応援するのだろう。 それは、読書と通じるものもあるかもしれない。 実生活ではかなえられない想いを本の世界では登場人物に託すように、スポーツの世界では好きな選手やチームに託す。 彼なら。彼女なら。 また、そんなに意気込まずとも、ビール片手にフットボール観戦。著者が前口上に書いているように、「なかなか悪くない週末の過ごし方」だ。 スタジアムで飲むビール。あれは、うまい。
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日本サッカー4部「地域リーグ」における、サッカージャーナリスト・宇都宮徹壱さんの取材記録を綴った一冊。
日本にはJ1、J2の2つのリーグがあることはよく知られていますが、その下にはJリーグ以下の最上位であるJFL、そしてそれに続く地域リーグがあります。今までのJFLは『アマチュアリーグの最高峰』という位置づけでしたが、各地で「サッカーで町おこしを」「わが町にJリーグを」という活動が活発化した結果、『Jリーグ予備軍』へとその姿が変化していきました。しかし、現在のJリーグのほとんどが元企業チームである一方、地元のスポンサーを募った地方クラブチームの経営は苦しく、それぞれが苦悩を抱えていました。さらに、地域リーグからJFLへの間口が狭い結果、昇格への足がかりとなる全国大会では「あとは上に行くだけのチーム」や「今上に行くと経営面でチームの存続が危ぶまれるチーム」などそれぞれのクラブチームの思いが交錯し、数々のドラマが…
アツく語ってしまいましたが、サッカーバカ以外にはあまりオススメできないかもしれません…サッカーバカには超絶オススメです。
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2008年この本のに出版された地域リーグでJを目指すチームの現状を描く宇都宮徹壱氏のルポ。
北海道から九州までの各地域リーグから1チームずつを実際にクラブの元へ足を運んでの取材することで、Jリーグ百年構想の光と影を見つめなおす。
2012年になりJ1・J2併せて40チームとなりJ2とJFLの入れ替え制度が導入された。また2014年にはJ3が開始されることも決定した。そんな国内サッカーの構造が大変革を遂げている今だからこそ、地域リーグからJを目指してクラブチームが群雄割拠し、一丸となってJを目指していたこの時代を振り返ってみようと本書を手にとった。
本書の構成は北海道から九州までの地域リーグからJを目指すと標榜しているクラブを訪れて、地域リーグでのクラブ経営の実態や選手たちのプレイ環境などについて取材が各1章ずつ。また、2006年・2007年の地域決勝大会(地域リーグからJFLに昇格するための大会)や2007年の全国社会人サッカー選手権大会に密着してアマチュアサッカーの勝負の世界に迫る章で、それまで訪れたクラブの全国での現在地を確認している。
特徴は各地にフットボールの種をまこうとしているフットボール関係者に対する宇都宮氏の愛ある眼差しであろう。地元のフットボール選手の受け皿となり、彼らが全国で活躍できる舞台を用意したい。もしくは実業団の撤退などによって衰微しつつある地域のフットボール文化を永続的なものとして根付かせたい。そういった想いをもってサッカー協会や高校などと一丸となりJを目指し地域リーグで奮闘している彼らに対し、同じフットボールを愛する者として文章で時には激励し時には叱咤する。日本の「草の根」にいるフットボールファミリーの幸せを願ってそれぞれのクラブ訪問記は描かれている。(実際は地域リーグは草の根よりはだいぶ高い位置にいるのであるが。)各クラブの現状はまちまちである。ノルブリッツ北海道やFCMioびわこ草津のように充実した練習環境をもつチームもあれば、ファジアーノ岡山のように練習環境や資金面で満足いく状態に達していないクラブをある。しかしフットボールの力を信じ、正統に地域に根を張り然るべき努力を続けていけば明るい未来が見えてくるという、百年構想の楽観主義に対する共鳴が伺える。
一方で地域決勝大会や全国社会人サッカー選手権大会の取材では、地域リーグの過酷な現状も見えてくる。Jを目指すチームが増えたことによる競技力の急激な向上と経営陣のプロ化であったり、Jという目標を見据える一方で全国リーグを戦い抜く体力がないクラブ経営の現状といった部分についても触れている。なかには本書冒頭で取材したクラブが最後の地域決勝大会では経営の失敗により存続の危機に窮しているといったショッキングな記述もあったりする。(宇都宮氏はこの部分について深くは触れていないが。)
全体を通して本書を取り巻く雰囲気は前述のとおり、楽観的で愛あるものになっている。欧州を巡り当地のフットボール文化を目の当たりにした宇都宮氏にとって、そして本書を手にとるような人種にとって日本でも同じような文化が根付かせるために奮闘しているフットボールファミリーの姿は、様々な不安はありつつも基本的には応援したい姿であったのだ。今となってはこのJリーグ拡大に対する楽観主義は懐かしいものになりつつある。今思えば本書が発売され、大分トリニータがナビスコカップで優勝した2008年はこの百年構想主義とも言えるフットボール文化への楽観のピークであった。2008年末にはFC岐阜の経営危機、2009年には大分トリニータの経営危機と相次いだ地方クラブの経営問題の中、フットボールクラブと資金という問題が一気に噴出することとなる。
やや後出し的に言うことを許していただければ、本書の発売後に発生したこういった問題の根底にあるのは、そのまま本書で触れるべきであったが触れていない内容でもある。それはフットボールと地域社会の関係である。フットボールを社会にどのように還元するのか、フットボールファミリー以外に対する目配せはできているのかということである。宇都宮氏の本業はサッカーライターであることもありサッカー協会や地元高校との連携といった競技面での取組についてはよく触れられているが、一方で自治体や地域経済界との連携についてといった側面については切り込みが少ない。J2ライセンスや今後導入されるであろう新ライセンスでは競技場についてのハードルがしばしば問題になり、自治台に大きな負担をかけている。2008年前後の時期にJリーグを目指す下部のクラブと地域社会の関係を探りたいと思ったが、そういった向きにはあまり参考にならずに残念だった。
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これが書かれた当時から状況は大きく変わっているが、だからこそこの本の存在意義がある。地域リーグ時代の長崎や岡山の話がきちんと書籍化されて残されているということは極めて重要。
ロッソ時代の熊本、バンディオンセ神戸などの名前を見られるのも、部外者的には嬉しい
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日本のサッカーの地域リーグおよび、そこに所蔵するいくつかのチームについて書かれたもの。地域リーグとは、「九州」とか「関東」とかの地方ごとに開催されているサッカーのリーグ戦のことだ。地域リーグの下にも県リーグや県内のブロックリーグ(例えば県北リーグとか)、さらにその下には、市のリーグが、それぞれ数部構成(1部・2部とか)で存在している。だから、市のリーグの2部とかだと、J1から数えると10部くらいになったりする。地域チームの場合、上を目指すチームには元Jリーガー等がプレーしたりしていることも珍しくはないが、それでも企業チームで仕事を持ちながらプレーしていたり、あるいは、別の職業を持ちながら、要するにアマチュアとして、地域のクラブチームに参加・プレーしたりする選手も多い。
本書は、2008年の発行でやや古い本であり、今とはサッカーのリーグの構成が異なる。本書が書かれた2008年には、日本のサッカーリーグは上から、J1・J2・JFL・地域リーグ、という構成であり、地域リーグはJ1から数えると、J4にあたった。それ以降、J3リーグが出来たので、現在では、地域リーグはJ5という位置づけとなる。
J5とかJ10等と書いたが、サッカーの場合、あなたがクラブチームをつくったとして、そのチームが強くて、財政基盤もしっかりしていて、スタジアム保有などの規定を満たすことが出来れば、あなたのチームはいつかJ1で戦う可能性がある。更にACL(アジアチャンピオンズリーグ)を勝ち抜いた場合には、世界クラブ選手権に出場することが出来、ヨーロッパチャンピオンズリーグの勝者と戦って世界一のクラブになる可能性もある。それは、とても難しいことであるが可能性はあるのだ。実際に、2008年、本書で地域リーグを戦っていた、ファジアーノ岡山、カマタマーレ讃岐、町田ゼルビア、V.ファーレン長崎、FC岐阜、ツェーゲン金沢、といったチームはJリーグに、その後昇格している。野球と比較すると、これがサッカーの非常にユニークな特徴だということがよく分かる。読売巨人軍やソフトバンクホークスが、地域リーグへの降格を経験したり、あるいは、都市対抗野球のチームがプロ化してNPBに加入したりする可能性はゼロである。「サカつく」という人気ゲームがあるが、それは、ある一定のリアリティがあるからこそ、人気があるのではないかと思う。
本書の筆者、宇都宮徹壱は、JFLや地域リーグでの戦いを描いた本を何冊か書いている。いずれも面白い本であり、サッカー好きにはお薦め(ただし、2008年発行の本書はさすがに情報が古すぎた)。