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イランは核兵器が欲しいのだ。イランの核兵器をめぐる各国の状況を明記。イランはイスラエルが大嫌い。だからアメリカとも犬猿で、欧州とも微妙。
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核廃絶をめぐる動きをおさらいするために【赤松正雄の読書録ブログ】
このところ核兵器廃絶に向けてのいろいろな動きが見られる。オバマ大統領の昨年4月のプラハ演説に先駆けて、キッシンジャー、シュルツ氏ら4賢人と呼ばれる米国のかつての指導者たちが核兵器廃絶について発言をしたり、日豪両国がICNNDという共同イニシアティブを立ち上げている点などとりわけ興味深い。昨秋に専門家に、お勧めの本を訊いた。そのときにあげてもらったのが太田昌克『アトミック・ゴースト』である。一度読んだものの、なかなか頭に入らない。で、昨年末に二度目の挑戦。今度は一転、よく分かった。時系列通りの章立てでなかったから苦労したのかも知れない。
共同通信の記者として、現場感覚に貫かれた幅広いインタビューが展開されており、ブッシュ政権の核政策をおさらいする上で、これ以上の本はない。恐らく、太田さんは今オバマ政権下の核をめぐる動きを書くべく準備をすすめているのではないか。
ちょうど、時期を同じくして日経新聞国際部のK記者が同紙上に核問題を知る上で欠かせない本について紹介をしていた。かつて彼は政治部記者時代に公明党を担当。彼は中嶋嶺雄先生の東京外大の教え子ということもあり、いろいろと付き合う機会が多かった。その後、国際部に移動、オーストリアに転勤するなど国外に出ていた。その彼のお勧め3冊のうち、テレーズ・デルペシュ『イランの核問題』を読んでみた。イランを軸に「核」に関心を持つ国々との関係をコンパクトに解説しており、米国のフォレンアフェアーズ誌でも絶賛されていたようだ。ちょっと簡単すぎて物足りないところもあるが、イランをめぐる国際社会の核事情が手にとるように分かった気になるのが嬉しい。
核廃絶に向けての取り組みも新段階に入った。これまで与党の一員として矛盾に充ちた政策判断をしていた傾向が強かったので、このあたりで気分を一新して新基軸を打ち出したいと思っている。その矢先にいい刺激を受けた。
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[ 内容 ]
イランのアフマディネジャド大統領が推し進める核開発の真の狙いは何か-?
フランスで最も権威のある文学賞・フェミナ賞(エッセー部門)を受賞した核問題の専門家が、世界の安全保障を揺るがす事態を鋭く解明。
アメリカ、ロシア、中国、パキスタン、インド、イスラエル、北朝鮮、エジプト、サウジアラビア、南アフリカ共和国等の世界十ヵ国や、EUおよび国際原子力機関(IAEA)が、これまでにどのような立場を取り、今後どのような行動を起こすべきなのかを、多角的に分析した渾身の論考。
本書一冊で、現代世界の核をめぐる地政学をコンパクトに一望できる。
[ 目次 ]
イラン-核の軍事利用への疑い得ぬ野心
ヨーロッパ-一貫性に欠ける戦略
アメリカ-麻痺状態に陥った登場人物
ロシア-信頼できないパートナー
中国-イランにとって確かな盟友
パキスタン-秘密の供給者、落ち着かない隣人
インド-エネルギー需要、国内政治、対米接近
イスラエル-存在自体にかかわる脅威
北朝鮮-見習うべき先達
エジプト-国防政策を見直す機会
サウジアラビア-ペルシャ湾を挟むライバル
南アフリカ共和国-謎めいた登場人物
IAEA-「まだ安保理には報告するな」
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[ 関連図書 ]
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