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少しずつ少しずつ大事に読んできた本。いつも通り「そうだったのか!」と目からウロコがぽろぽろ落ちる。何となく腑に落ちないまま使ってきた「冥福」という言葉の来歴を知って深く納得。「短歌のふりがな雑感」が秀逸。
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中国語・中国文学が専門の高島俊男氏の、ことば、文字、漢字、文学をめぐる肩の凝らないエッセイ集。楽しい。読んだ端から忘れていきますが、一瞬、ちょっと賢くなった気がします。
週刊文春での連載が終わって、文藝春秋からの単行本化→文庫化も終わるのかと思っていましたが、この本は、文春以外のあちこちに発表されたエッセイや短い論文を集めた本で、連合出版というところから出ています。
未読本を読んでいく都合上、調べてみました。文藝春秋からは『お言葉ですが…』のシリーズタイトルで10巻まで出て(すでにすべて文庫化済み)、その後、連合出版から11巻、そして別巻1〜4(いまのところ)が出ている。ネタは無尽蔵みたい。まだしばらく楽しめそうです。
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いろんなメディアに発表された単行本未収録作品をまとめた「お言葉ですが…」の別巻。
漢字、漢語、大和言葉に対する知識とこだわりの強さは健在。
「商品」とは形があって重量があるものをいうのではないか。
なのに最近は銀行が預金のことを「商品」といい、旅行代理店が旅行プランを「商品」という。
形のないものを「商品」と呼ぶのは、業界内で通じる隠語である。
なるほど。
だから何となく胡散くさい感じがするのか。
そもそも業界用語を客に対して使って平気というのが、もう、サービス業から逸脱しているのね。
そしてまた出てきました。
森鷗外と親との関係。
昔ながらの家制度の重圧が、鷗外を縛っていたのだと思っていましたが、今回は、おとなしくてうだつの上がらない夫より、才気煥発な息子が大事で大事で、まるで恋人に対するように熱い視線を送り続ける母の姿が、現代の過干渉母と息子に見えて、ちょっと気持ちが悪かった。
“福沢諭吉に「脱亜入欧」というよく知られた言葉がある。このばあいの「欧」は文化概念であり、対して「亜」は単なる地理概念だから、論理的にはこの言葉はややおかしい。しかしありていを言えば、要するに「欧」とは強いということであり、「亜」とは弱いということなのである。
「欧」は強くて独善的かつ拡張的であるから、弱いのや異質なのはつぶされてしまう。生き延びるためには同質化して仲間に入れてもらい、ついで肩を並べるほど強くなるほかない。”
「欧」は文化概念。
知らなかった。
てっきり地理概念だとばかり…。←こういう語尾をはっきり書かない文章のことも、著者は悪文だとはっきり書いております。
毎度毎度勉強になるわ。
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久しぶりに高島俊男先生の本を読む。
文庫本になるものと思って待っていたら、これは文春に連載された文章ではないのね。タイトルに騙されたよ、いくら待っても出るわけない。
そうと知っていたらもっとずっと早く買っていたのに。メルカリで探す羽目になってしまった。