紙の本
北海道発ドキュメンタリー漫画!!
2008/05/21 14:53
3人中、2人の方がこのレビューが役に立ったと投票しています。
投稿者:エアーダイブ - この投稿者のレビュー一覧を見る
北海道を舞台にした感動のドキュメンタリーシリーズ!!
待望のコミック化!!
■■内容紹介■■
実在する一人の「医師」とその「仲間(かぞく)」の物語。
駄目だと言われてその気になるな・・・
別の道は見つけられる・・・
自分でそうすることができるんだ!
「君たちは、多くの能力を秘めている!」 by Dr.高橋 義男
■■『義男の空』のあらすじ■■
それは誰が助けてくれますか?
「水頭症です」
ある日突然、生まれたばかりの子供に宣告された病。
平凡で幸せだった家族の生活は一転、病との闘いに巻き込まれていく。
一刻を争う状況の中、絶望と不安に翻弄される家族が
たどりついたひとりの医師とは・・・
高橋義男。北海道・苫小牧に実在するひとりの小児脳神経外科医。
多くの子供とその家族達の、命と心を救いつづける彼は、
治療が終わった後も多くの患者に慕われる、魅力ある存在である。
そんな彼はいったいどのような道を辿り成長し、やがて人々に愛される医師となっていったのだろうか?
ひとりの人間としての彼の、過去から現在にいたるまでのルーツを追う、懐かしい昭和を舞台とした少年時代~青年時代のエピソードと同時に、患者と患者の家族たちが、どのようにして病と向き合い、何を選択し、そして社会の中で生きてゆくのか・・・
そのリアルな「生」の姿を描いていく。
ひとりの「医師」の人生の歴史と、その「仲間(かぞく)」たちの物語がクロスオーバー(交差)する、感動のドキュメンタリー・コミック!待望の第1巻がついに登場!!
北海道で原稿制作から印刷・販売まですべてを手掛け、実在の医師、実話をもとに緻密な取材を重ねて再構成した丁寧なストーリーや、細部までこだわった美しい情景・繊細な心理描写などは、漫画ファンならずとも必見。
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じわじわと、北海道で売り上げUPの本だそうです。
医者モノの本で、まだ現在2巻までしか出ていませんが、この続きが気になる1冊です。
ワンパク少年から、いかに名医にまでなったかのドラマと、子どもの病気をかかえる家族のドラマと2重の話が進行していっているので、振り回されてる感も今はありますが、これらがつながった時には、これまた大きなドラマになるんだろうと期待です。
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わが北海道で売り上げ好調な本です。
現在3巻まであります。
実在する医師というのがポイントになってるのでしょうかね。
こういった医師は少ないのが現実・・・
是非手にしてみてください。
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何気に手に取ったら、涙腺から心の何かから、いろんなものが持ってかれて、えぐられて、でも、気持ちいい何かが残った。巻末にインタビュー記事がのってるんだけど、義男先生がかっこいいんだっけー。あと作者の意気込みというか、設定書類の綿密さがすごい。気合入ってて、この一冊にかける意気込みが伝わってくる。
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コミックというと娯楽物というイメージがあり、実際に楽しむための読み物でもある。子どもの頃は「漫画番長」を自称するほど漫画やコミックが好きだったが、昭和40年代に少年時代を過ごした私にとっては漫画やコミックは「買う」のではなく「借りる」というのが一般的だった。
今でも見かけなくなったが、当時は私が生まれ育った九州の田舎にも「貸本屋」があって、子どものお小遣いでも借りられる値段で漫画や雑誌や小説が貸し出されていた。「貸本」の歴史は古くて今から300年以上前の江戸時代中期から始まったが、昭和40年代にはすでに激減しつつあったということなので、貸本屋に通ったのは私の世代が最後なのかもしれない。
昔の大人は(今でもそうかもしれないが)、つまらない出来事や可笑しい出来事を指して「まるで漫画だね」と言っていた。私が働き始めた昭和50年代後半は職場でもそういった言い方を上司や先輩方がしていたが、漫画好きの私はその言葉を聞くたびに少々カチンと来ていたことを思い出す。
「漫画がくだらないものの代名詞のようじゃないか」と一人憤慨したりしていたが、今でもその感覚は変わらない。漫画はけっしてくだらないものでない。
文字を覚える前の子ども達にとっては漫画は楽しく文字を教えてくれる媒体であり、成長してからもその年代年代でいろいろと考えさせてくれるもとでもあった。もちろん、文字どおり「くだらない漫画」はいくつもあったが、同じように「くだらない小説」もあるのだから一概に漫画だから内容が無いと思ってしまうのは早計だ。
今回読んだコミック「義男の空」は、とても感動的な内容だった。コミックという形をとっているからこそ伝わる感動があるということを、このコミックは教えてくれると思う。
北海道に実在する医師をモデルとしたこのコミックは、子を思う親の気持ちや、親を思う子の気持ちというものが表現されていて、読み進めるうちに目頭が熱くなってくる部分もある。
実在の人物をモデルとした作品の中には派手な展開や力みすぎた表現のものも時々見かけるが、この作品はある意味では淡々と事実をコミックという形で表現しているため、読んでいて肩が凝らないし白けるということもない。それだけ「事実」には重みがあるということだろうと思うし、「事実を淡々と伝える」ということの大切さも感じることができた。
コミックの最後の方にはモデルとなった医師と著者との対談も掲載されていて、他のコミックとは一線を画しているような気がした。出版社は札幌にある会社だが、地方に腰を据えているだからこそこういった思い切った物語を出版できるのかもしれない。
「義男の空」は「元漫画番長」の私としては読み続けたい一冊となった。