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なぜ絵版師に頼まなかったのか 明治異国助人奔る! みんなのレビュー

  • 北森 鴻 (著)
  • 税込価格:1,65015pt
  • 出版社:光文社
  • 発行年月:2008.5
  • 発送可能日:購入できません

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みんなのレビュー25件

みんなの評価3.6

評価内訳

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  • 星 2 (0件)
  • 星 1 (0件)
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紙の本

お話のタイトルは五つ★、中身は★一つマイナス。なんていうか時間の飛び方が速すぎて、話が追いついていない気がするんです、はい

2008/10/15 22:46

4人中、4人の方がこのレビューが役に立ったと投票しています。

投稿者:みーちゃん - この投稿者のレビュー一覧を見る

話は明治13年、明治元年生まれの主人公・葛城冬馬が松山から上京したときから始まります。祖父が松山藩侯より禄を受けたことを恩に感じる頑固者だったせいか、絶対に髷を落すことを許さず、この頃では極めて珍しい存在。ところが、その髷姿の少年を求める人間が東京にいたのです。

といってもお稚児さんにしようというけしからん了見ではありません。ま、髷を舐めたりと若干変態的な愛着を示しますが、それ以外は極めて真っ当。そんな少年を求めていたのが新政府に招聘され、東京医学校(現在の東大)で教鞭をとるようになって4年というエルウィン・フォン・ベルツです。

ドイツ生れのベルツは書生を求めていました。それを商売の関係で知った冬馬のおじ、横浜で呉服商を営む貞一です。ベルツに気に入られた冬馬は、ベルツのもとで働くうちに、様々な外人教師と知り合い、言葉を覚えドイツ語だけではなく英語、フランス語を自在に操り、予備門に通うようになり、ついには医学部に通うようになってしまいます。

そしてその過程で不思議な事件に出会い、新聞記者・市川歌之丞(後に名前と職業を様々と変えます)、ベルツ先生と共にそれらを解決していきます。北森には考古学や骨董の世界を扱った重厚なミステリと食事などを扱った軽妙なもの、その中間の作品がありますが、今回はユーモアミステリと言っていいでしょう。

時代の雰囲気はそれなりに出ていますが、明治特有の陰鬱さが感じられないのが、今までの明治物と異なります。実際にかの時代がどのようなものであったかは想像するしかありませんが、私にとっての明治は薩長土肥の田舎者が大手を振って街中を闊歩する下品で鬱陶しいような時代です。

しかも頂点には転がり込んできた権力の座についたばかりで国民のことなど考えたこともない天皇と、身内だけで私腹を肥やそうとする特に薩長の人間が踏ん反りかえっているわけですから、明るいわけがありません。それが、そのまま戦争が終わり、昭和天皇が死ぬまで、いや官僚の考え方などは今も続くのですからニッポンは凄いわけです。

そういう明治の嫌らしさがあまり伝わってこない。勿論、この国を何とかしようなんていう気概も登場人物の誰からも現れてきません。主人公である冬馬にもそれは言えますが、歌乃丞ともなればヘラヘラしながら、ともかくラクして遊びながら生きていこう、それだけなわけです。当然、人情といったウェットなものは薬にしたくてもありません。

無論、それがこの小説に対する北森の狙いであるわけで、各篇のタイトルを見ただけでも、ユーモアミステリ以上のものを彼が書こうとしていないことはよくわかります。ただし、軽さがそれだけで読者にとっての快になるかといえば、どうでしょうか。正直、笑えないユーモア小説くらい面白くないものはありません。早速、各話に目を通してみましょう。

◆なぜ絵版師に頼まなかったのか(「ジャーロ」2006年春号):明治13年、横浜で米国水夫が決闘で亡くなった。残した言葉は「何故エバンスに頼まざりしか」。ベルツと友人のナウマンに頼まれた冬馬は事件の様子を探りに横浜に行き、そこで歌之丞に出会い・・・

◆九枚目は多すぎる(「ジャーロ」2006年夏号):明治16年、冬馬は大学の予備門に入学。一方、歌乃丞は名前を扇翁と改め、骨董屋の主人に。そんな時、おなじ古物商の相良鉄斎が死体となって発見され、疑いは扇翁に。連続する毒殺事件、謎の新聞広告。フェノロサ、モースも登場し・・・

◆人形はなぜ生かされる(「ジャーロ」2006年秋号~2007年冬号):同じ明治16年、冬馬は医学部の書生としてベルツの京都出張に同行する。京都で別行動をしたベルツの沈黙、帝都を徘徊する謎の人形師・れおな多弁児が作る活き人形、小山田奇妙斎と名前を変え、小説家となった扇翁に、医学部教授スクリバも絡み・・・

◆紅葉夢(「ジャーロ」2007年春号~夏号):明治20年、ベルツが盛んに出入りする紅葉館では、そこから名前をとったという尾崎紅葉と芸妓の須磨の諍いが。アライ・ハナに熱をあげるベルツ、彼に脚気の治療を頼む法学部教授ボアソナード。そして紅葉館では17歳の芸妓が殺された。今度は臨済宗下谷報徳寺の住職・鵬凛となった奇妙斎に天才戯画家ビゴーも姿を見せ・・・

◆執事たちの沈黙(「ジャーロ」2007年秋号~2008年冬号):明治22年、大学の寄宿舎で起きた火災と現場で発見された身元不明の遺体。その解剖にスクリバの指名で冬馬は立ち会う。その遺体は、完璧な洋装になぜか足の指に鼻緒の痕が。仮名垣露文の弟子となり魯人と名乗りはじめた鵬凛は・・・

話が明治13年、16年、20年、22年と飛ぶので、読んでいて首を傾げたくなることがあります。それを除けば、読みやすい。ただし、泉沢光雄の装丁、狭間隆治の装画・本文イラスト同様、中味も平均的なものとだけ言っておきます。特にカバーに案内文はありません。一応、出版社のHPから宣伝文句をコピペすれば以下のようです。

なぜ絵版師に頼まなかったのか
明治異国助人(おたすけガイジン)奔る!
北森鴻/著
学究にこの身を捧げたるからには、目の前の謎を放置しておくわけには参らぬ。

変革の嵐が吹き荒れる、明治年間の帝都。帝国大学には多くの雇われ外国人が教師・研究者として働いていた。エルウィン・フォン・ベルツ先生もその一人。並外れた日本びいきで知られるベルツ先生とその弟子・葛城冬馬が次々に出来する新時代の事件に挑む!

もしかして各話のタイトルが一番面白い?

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2008/06/18 20:53

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