紙の本
思いのほか濃厚だった「Antique」の味
2010/09/23 15:04
3人中、3人の方がこのレビューが役に立ったと投票しています。
投稿者:きゃべつちょうちょ - この投稿者のレビュー一覧を見る
BLものはどうもなぁという偏見のもと、
手にとることができずにいたのだが、
妙にすっとぼけた感じに、すっかりはまってしまった。
ずいぶん前にテレビドラマ化もされたが、
原作とドラマはだいぶ違う。
(ストーリーはミステリーのかたちをとっているので
内容の紹介は省く)。
原作には、もっと奥深い味わいがある。
たしかに少女まんがにしては、BL色が若干強いきらいがあるが、
4人のキャラ造詣がすばらしくて
ぐっと惹きこまれてしまう。
あんなケーキ屋さんがあったら、ぜひ行ってみたい。
いや、無駄に照れてしまって
店内に入ることすら、できないかもしれないが。
それにしても。
まんががすごいなぁと思うのは、
登場人物に、表情だけでものを言わせてしまうこと。
吹き出しがなくても、充分伝わってしまうのだ。
なんともいえない、笑顔や苦悩や驚き。
言葉が伝えきれないものを、
言葉以上に伝えている。
その一瞬一瞬の彼らの表情に、
読んでいるわたしたちは、
共感する。感動する。恋をする。
よしながふみの「西洋骨董洋菓子店」は、
ひと粒ひと粒が、丁寧な職人によってつくられた
チョコレートの詰め合わせのようだった。
華やかな香り。
しっかりと奥深い甘さ。
甘さの中に生きてくるほろ苦さ。
そして、
濃厚なのにあとをひくような美味しさは
この作者のマジックなんだろう。
ごちそうさま。
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ドラマ版をリアルタイムで見ていて好きで、原作と話が結構違うというのは聞いていたんですがなんとなく手にする機会もなく過ごして早7年……でもこれは断然原作がいい!読み始めると引き込まれた。
この作品からよしながふみさんに思いっきりはまりました。
もしドラマの前に原作を読んでいたら、あの話の変わりようはちょっと……って思ってたんだろうな。近年放送された某イケメンパラダイスまでとは行かなくても。
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じわりじわりと伏線を追わせて、気付けばいきなりハードな展開。
「俺はこの日を待っていたんじゃないのか?」
ケーキ屋の話のはずなのに手に汗にぎる誘拐殺人事件発生。
そしてそれを越えれば『西洋骨董洋菓子店』もエピローグへと自然と進んでいく。物語の終わりはハッピーエンドだったとしても、読者にとっては物悲しさを運んでくる。
全巻読み終わった時、『西洋骨董洋菓子店』は名作だと頷いた。
3巻のお気に入りはエイジがフランス語教室に通う話。
ちょっとほろりときました。
それにしてもなんで橘はモテないかな〜?(笑)
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メインの登場人物たち同士は誰もくっつきませんが、根底に愛は流れてたと思います。
あ、そうそう、フジ系でTVアニメになってますが、本で読んだ方がいいですね。なんちゅーか、原作の良さを活かしきれてない出来でした。よしながふみの絵柄が、アニメ化するのに向いてないというのもあるかも。
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まさかあれも伏線だったとは…。ていうかただのケーキ屋さんの話なだけかと思っていたのでラストは驚きました。いや単に「俺達のケーキ屋はまだまだ続くぜ」的なオチかと思っていたので良い意味で裏切られた。やっぱりよしながふみ好きだー。
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西洋骨董洋菓子店<文庫全3巻完結>
あらすじ
某財閥の御曹司で、大企業で入社以来トップの成績をキープし続ける営業マンとして将来を嘱望されていた橘圭一郎は、ある日突然会社を辞め、洋菓子店を開くことを決意する。
そして天才パティシエである小野祐介を店に招くが、彼は高校時代に橘に告白をしてきた同級生だった。
その後、それぞれの理由で洋菓子店「アンティーク」に集ってきた見習いの神田エイジ、ギャルソン小早川千影4人と、「アンティーク」に訪れる客たちが繰り広げるハートフルストーリー。
私、この話最初ドラマで見たんだけれど、原作読んで、イケメン4人のケーキ屋さんって設定しか踏襲してないじゃん! と思わず突っ込んだ。
ゴールデンでゲイとか確かに堂々といえないのかもしらんが、いくらなんでもはしょりすぎだろ!
原作、とても面白かったです。
4人は格好いいし、ケーキはうまそうだし、伏線はわかりやすく張られ、すべて回収されています。
さりげなくお店に訪れる客にもそれぞれ背景があり、ときにはそれが「アンティーク」のメンバーとつながっていたりすることが事後ストーリー内に出てきたりするので、
あ、あのときのセリフのことか、と納得してしまうシーンも多々。単にほんわかケーキ屋話というわけではないところがまた魅力です。
いやー、こんなケーキ屋あったら、遠くても週3で通いますね。
しっかし、小野くんがゲイの設定は別に気にならないんだけど、ところどころ1コマとかで描写が入ってくるのが、ちょ、ちょっ て思った‥ あとあのグラザン‥
いや、リアルさはぐっと増すんだけどね……よりによって相手クマみたいなヒゲばっかだったような……
そして橘さんが格好いい!
何でも出来てなんでも持っているのに、過去から逃れられない男ってなんでこんな格好いいんですか! 好みだ〜!
橘さんについては最初からいろいろ過去の事件について描写がありますが、
このあたりの伏線も最後にしっかり回収されます。終わり方は最高の漫画だと思います。
★4つにしたいところですが、4人が4人イケメンはありえないだろっちゅうか登場人物男ばっかりだったので、★3つ。
いや、いいんだけどね。
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●No.29 文庫版全3巻
【辛党レシピ】
p.6 〈レシピ14〉【橘オーナーの母の料理教室】(おもてなし用)
今週 1.「たこと梅肉の混ぜごはん」〜冷めても美味しい
来週 1.「みょうがたっぷりのなすの揚げ出し」
2.「カニとしょうがの炊き込みご飯」
3.「白身魚のお刺身サラダ」
p.166 〈レシピ18〉【張り込みの刑事に橘から手料理の差し入れ(橘は好きだが同居の小早川が苦手で、一人分は作りにくい物)】
1.「きざみ葱たっぷりの卯の花」
2.「ピーマンの肉詰め」
3.「なすのぬか漬け」
4.「塩むすび」
p. 〈レシピ〉
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昔、雑誌のレビューの中で、恩田陸の本を「着地点がどこなのかわからない飛行機に乗せられているよう」と評されているのを見て、なるほどと思ったんですが、よしながさんの漫画もそうなんじゃないかと感じた一巻、二巻。そしてこの最終巻の三巻でした。
もう、でこちゃんとか可愛いし、千影もあらゆる意味で大変だったけど(笑)全然最後がどうなるか予測不能で、最後の辺り、ちゃんと息できていたか自信がありません…!笑 「フラワー・オブ・ライフ」もだけど、よしながさんの作品は悪い意味じゃなくて、読むとこう、心にすっと跡が引かれる。そんな気がします。
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相変わらずおいしいそう。
おにぎりだけでなんであんなにおいしそうなんだろう。
誘拐事件の全貌がわかる。
最後のおじいさんがケーキを買いに来て帰るシーンと、橘が逃げているシーンが重なっているページが好き。
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やはり、この作品もフラワーオブライフのように性別も世代も超えて読んで欲しい作品。生きるって、色々ある。