投稿元:
レビューを見る
何これ傑作!読んで良かった。警察も探偵も登場せず、舞台装置が農業なんてミステリ、聞いたことも読んだこともないけど、ちゃんと成立するんですねえ。主人公の友人の自殺と、富山の田圃を襲う害虫トビイロウンカの突然変異種つう縁もゆかりもない2つの材料を見事ひとつに調理する手腕に舌を巻いた!もう一回云っとこ「読んで良かった」。
投稿元:
レビューを見る
永井するみさん、初読みでした。
以前から読んでみたいと思っていたんだけど
さてどれから読んだらいいものか???
ブクログの評価の高いのからいっちゃう??という安直な考えから
この本に決定。
いざ読み始めたら ビックリ。
冒頭から外国でのレイプシーン\(◎o◎)/!
えええ?!これって官能小説なんじゃあ。。。。。。と
心配していたところに
場面は富山県の稲作農家の話に。
突然変異したトビイロウンカという病害虫に悩まされる有機米名人の話に切り替わり 再びびっくり。
いったいこれがどんなふうに冒頭の話につながって行くというのだ??という展開。
病害虫被害の米が有機米に拘る農家と農協、米を買い付ける卸業者、食品メーカー、農薬会社などさまざまな人を翻弄してゆく。
これは完全に農業小説??
これまた読破できるかしら??という不安が頭をもたげてくる^^;
しかし冒頭のシーンに繋がっていきそうなエピソードがじわじわと見え隠れしてくる描写が巧い。
農業という地味な土台を使いながらも
見事なミステリーを描ききっているなあと感心する。
【農業ミステリー】というジャンルが本当にあるのかどうかは知らないけど
変わり種で面白かったなあ。特に中盤からは一気読みでした。
しかしあり得ない。この犯人。
投稿元:
レビューを見る
【あらすじ】
今まで日本に現れたことのない変異型ウンカが富山県で異常発生した。既存の農薬は効かず、ある地域を中心に広がっている―果たしてこれは自然発生なのか、それとも何者かの作為か?被害が拡大すれば米不足を招くという危機的状況下、米を扱う食品会社に勤める陶部映美は、親友の自殺を巡る謎と変異型ウンカの奇妙な関連に気づく―。大幅改稿で贈る、社会派ミステリの傑作。
【感想】
投稿元:
レビューを見る
著者長編デビュー作。新潮ミステリー倶楽部賞受賞。
米どころ富山に、変異型ウンカが異常発生。自然発生なのか、人為的なものなのか。有機栽培、無農薬を売りにしている農家はどうなるのか。
この作家さん、社会派というイメージはなかったが、こんな作品も書いてたんだ。
しかし、日本人は「米」に敏感。
物語の本筋ではないが、今すぐに米が無くなるわけではないのに、米の買い占めに走り、あわや「平成の米騒動」に発展しそうな場面が描かれていて、日本人がいかに米と生きてるか、実感した。
(図書館)
投稿元:
レビューを見る
世界の温暖化などが問題視され、環境問題もクローズアップされている現代。体に土に良いものを食べようとする動きが活発。
私も有機米という言葉は知っているものの、実際、その有機米がどのように作られるのか?とかシステムについては全然知らないも同じでした。
最近の社会派と呼ばれるジャンルのミステリは知られているようで知られていない実態を詳しく説明し、読者に新たな知識を与えています。私はその世界のウラの部分を知ることができるから好きです。でも怖いけどねぇ><
こと食品に関しては、疑心暗鬼になっちゃうと・・・食べれるものがなくなっちゃいますからね。
さて、本書はレイプシーンという惨いエピローグから始まります。様々なことが1つに結びついた時、哀しい事実が見えてきます。
デビュー作にしてこれだけのディティールを描くのですから、他の作品も楽しみ。すっきりまとまっていると思うし。
だけど・・・あのオヤジには腹が立つ~(謎)。
投稿元:
レビューを見る
読み応えはあり、テーマ性もあり登場人物像も具体的なのだが、人間関係が繋がりすぎていて、無理を感じた。