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推理小説。
自殺した息子の謎を追っていく父親が知った真実とは、という感じのお話。
恋愛ミステリー小説らしいのだけれど、恋愛メインすぎた。
ミステリーの箇所がフレーバー程度でした。あと苦手なタイプの恋愛話。
文章というか、話の展開事態は嫌いではないんだけどね。
結局、男のロマンなのかね。
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売れっ子ミュージシャンだった息子の自殺の原因を突き止めるために、フランスから帰国した村井。彼の前に現れた女子高生の深雪。謎めいた彼女に次第に虜になっていく中年男の性愛模様。
いくつになってもとどまらない男の性欲。家庭を持ちながら、若い女に傾倒していく男の恋心。丹念に描かれているからこそ、シンパシーを感じてしまう。
「しかし、男と女は不思議な関係にある。人間的な面で裏切られても、それだけで相手に対する想いが消えるというものでもない」
身につまされるな……
嫌いになれるならよっぽど楽に生きていけるのに。
恋愛のやり方っていくつになっても成長しないもんだなと半ばあきらめ、半ば安堵した一作。
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結局、肉親の情とか、年齢とか、モラルとか、
打算とか、そういったものを全部どうでもよくなってしまうのが、
恋愛というものなんだろうか。
そんな恋愛ってしたことがないけど、
そこまで盲目になれるのは少し羨ましい、かな。
でもそれでもいいって思えるのは、
お互いが盲目でいるほんの僅かな時間だけなんだろうな、
なんて思ってしまう時点で、
たぶん私はこういう恋愛はできないんだろうとも思う。
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ちょっと厚めの文庫本。読み応えあるというより途中少し飽きた。村井と深雪の関係が理解できないし、鷹也の自殺の真相もなかなかわからないし、でも最後にはびっくりする事実も。
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乱調とは、調子が乱れていること。乱れた調子やそのさまを表す言葉。
日本に帰国する機会を利用して息子の自殺の原因を探ろうとする父親。
離れて暮らしていたからこそ、「なぜ死ななければならなかったのか?」という疑問をそのままには出来なかったのだ。
大人の男性の自制心と、それを壊すほどの強いエネルギーを放つ女子高生。
世間的にはアンバランスな二人も、当事者にとっては何の障害もないかもしれない。
深雪のしたたかさも個性のひとつなのか、それとも若さゆえの思いあがりと思慮の浅さに支えられたものなのか。
村井にはきっと理解できないだろう。
ただ、目の前にいる少女と向きあうことしか彼には出来ない。
それにしても、行き過ぎたファンというのは怖い。
盗聴器とか尾行とか、確かに中にはそういうファンも現実にはいるだろうけれど・・・。
深雪もそうだが、相手への配慮が完全に抜け落ちている。
あるのは自分の欲望だけだ。
子どもだからでは済まされない危うさがそこにはある。
妙な感じが残ってしまったのは、最期の落とし方に違和感があったからだろうか。
自殺した人気ミュージシャン。
それはきっと週刊誌などにとっては格好のネタだろう。
だが、その父親・・・子どもの頃に別れてしまった・・・にスキャンダルとしての価値がそれほどあるとは思えない。
そんな記事を読みたいと思う人間がいるのだろうか?
17歳の少女に翻弄され、すっかり調子を乱されてしまった中年。
愛する家庭を捨て、せっかく築き上げた信頼も仕事も捨て、後悔はないのだろうか。
息子の自殺の原因も含め、親子そろって女性に夢を持ちすぎなのでは?と思ってしまった。
ある意味女性はとても繊細で弱いものだ。
でも、したたかで強靭な精神を持つ強いものでもある。
自分が女性だからこそ思う感想なのかもしれないが・・・。