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ミャンマーの旅行記。
地方の都市まで細かく書かれているし、読みやすい文章なので、ミャンマーを知るにはいい一冊。
ただ、やはりミャンマーは貧しい。
その貧しさを目の当たりにしてきたからか、貧しいという目線で書かれている章もあり、その視点がどうしても上から目線にしか見えず、ちょっと微妙だった。
所々歴史も挟んでくれているので、勉強にはなる。
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文章の中に「貧しい」と言う言葉がよく出てくる。
ただ目の前にあるものを文字におこして紹介しているだけなのかもしれないけれど、
「日本の飴はさぞ甘かろう」という文章に対しては、もしかしたらミャンマーには日本の飴より美味しいお菓子があるかもしれない(そう思っているミャンマー人が居るかもしれない)じゃないか!って思って
日本人の旅行者が日本の価値観をおしつけているように見えてしまった。
「住んでるホテル教えたの?」「まさか!」という会話とか 暗がりの夜道を歩いて帰るお話があるのに、知らない男性には警戒心をしっかり出してて どこまでしたいの?この話はいるの?って思った。
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(2015.11.15読了)(2015.11.12借入)
副題「失われるアジアのふるさと」
作家によるミャンマー紀行です。ミャンマーとは別のところに行くつもりで、スケジュールを空けていたら、爆弾テロのためそちらへは行けなくなったので、代わりの行き先として決まったのが、ミャンマーということです。それでも何度か足を運んだようです。
通常の観光地もあるようですが、観光地ではない田舎とか、目的の観光を行う前後の、目的のない散歩が、心に残ったようです。
見知らぬ人たちに親切にしてもらったり、珍しいものをもらったりしたけれど、お金を渡そうとしても、決して受け取らないので、持ち合わせの飴で、感謝の意を伝えたとか。
観光地では、ドルを喜ぶけれど、田舎では、近くにドルの交換所がないので、現地通貨でないと役に立たないけれど、あまり現地通貨の持ち合わせがなかったとか。
軍事政権下だったので、軍事政権に対する不満はあっても、なかなか口にはできないとか。
ミャンマーの人たちの暮らしの一端がわかります。
【目次】
たそがれ・かわたれ
ケの日ハレの日
女・少女
働く人々と考える僧たち
●ビルマ(6頁)
ビルマとミャンマー。
何も知らないものにしてみれば、まるで無関係な印象の二つの言葉だが、実は語源は同じなのだそうだ。簡単に言えば、口語的な表現と文語的な表現くらいの違いなのだ。さらに「ビルマ」と称する場合には、国民の七割近くを占める「ビルマ族」のみを限定して指す印象があると考えられることから、多民族国家でもある国の名称としては「ミャンマー」の方がふさわしいのではないかと、現地に暮らす人は言った。
●バスタオル(22頁)
パオ族の女性の衣装は、黒や濃紺の単色使いの服で、頭に華やかな色彩の布を巻いているというものだ。その服装は龍を表しており、また団結を意味するとも聞いた。
その頭の布を外してみてもらった。すると、髪はごく普通の三つ編みだったが、巻いている布の方に驚いた。なんと、バスタオルではないか。
●停電(34頁)
電力事情の良くないこの国では、日常的に停電が起きる。だから、どんなホテルの客室にも必ずマッチとロウソクが用意されているし、レストランなども電力だけに頼ることなく、ランプやロウソクなどを多く使用していた。
●乗り合いバス(46頁)
ミャンマーでは、地方に行くと普通トラックが乗り合いバス代わりに多用されている。その荷台部分に「〇〇青果店」とか、「〇〇工務店」などという日本語の文字を見つけることも珍しくはなかった。
●働く(74頁)
貧しいこの国では、多くの子どもたちが、与えられた環境の中で、まず働いて生きることを学ばなければならない。農村で暮らす子どもは牛を追い、葉タバコが取れる村では葉巻を巻く。観光地の子どもは絵葉書を売り、湖上に暮らす子は魚を獲る。そして、まだ作業の出来ないような年齢の子は、さらに幼い弟妹の面倒を見る。
●パダウン族(170頁)
パダウン族の女性は幼いころから首と両手足とにコイル状の真ちゅうをはめている。そのコイルを徐々に長いものにしていくことによって、少しずつ首を長くしていく。
●僧侶(186頁)
ミャンマーの僧侶たちには殺生をしない、盗みをはたらかない、嘘をつかない、アルコールを口にしないなどという戒律がある他、化粧品や装飾品を身につけてはならず、正午以降は飲み物以外は口にしてはならず、現金に手を触れてもいけない。また、音楽を聴いたり奏でたりしてはならないという戒律もある。
●若い修行僧(199頁)
「私は、ミャンマーは悪いと思います。政府が悪いです。いまのミャンマーはいい国ではありません」
☆関連図書(既読)
「トゥインクル・ボーイ」乃南アサ著、新潮文庫、1997.09.01
「凍える牙」乃南アサ著、新潮文庫、2000.02.01
「ビルマの竪琴」竹山道雄著、新潮文庫、1959.04.15
「ビルマ敗戦行記」荒木進著、岩波新書、1982.07.20
「アウン・サン・スーチー 囚われの孔雀」三上義一著、講談社、1991.12.10
「ビルマ 「発展」のなかの人びと」田辺寿夫著、岩波新書、1996.05.20
「ビルマからの手紙」アウンサンスーチー著・土佐桂子訳、毎日新聞社、1996.12.25
「ミャンマーの柳生一族」高野秀行著、集英社文庫、2006.03.25
(2015年11月19日・記)
(「MARC」データベースより)amazon
ふと訪れたデモと軍政が対峙する国で、作家の心を深く捉えたのは、不思議な「懐かしさ」だった。それは、わたしたちアジア人の「ふるさと」なのかもしれない-。ミャンマーで普通に暮らし、生き続けている人々の姿を描く。