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時代劇です。
宮部みゆきの小説を読んでると、
「どうにもならない人生とか、世の中」みたいなのを感じる。
「強く願えば夢は必ずかなう」とか、「努力は報われる」
とかいう本はたくさんあるけど、
現実はそうじゃないってことを突きつけられてる気がする。
ちょっと考えすぎ?
まあ、小説らしいやさしいところもあるけどさ。
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カテゴリはミステリでもいいのかな・・・。でも、所謂時代小説という訳でも無いと思うし。
もう面倒だから、宮部さんだし、いいや。で取り合えずミステリに分類。
おちかは店の主人であり、叔父の伊兵衛から変わり百物語の聞き手を勤めるように言われ、幾人かの訪い人の話を聞く。
どれも悲しい過去の話ばかり。そして現在も続いている不幸も。
一つ一つの話を聞くたびに、おちかが変わっていく、少しずつ強くなっていくのが、凄く良く分かる。
最終章手前までは本当に面白い。
ただ最後は・・・どうしてああなっちゃうんだろうなぁ・・・。
綺麗に終わっているけど、すっきり終わっているけど。
突然物語が一カ所に収束し始め、最後には全員集合って。(しかも比喩でなく全員集合)う〜ん・・・。
この物語をどう締めるのだろう、と思っていたら、最後の最後に肩透かしをくったよう。
宮部みゆき作品ってこういう作品が多いことだけは、そんな作品に当たる度に少し残念に思います。
でも最終章手前まではとても面白いので、安心して奨められます。
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429P
初出:「家の光」2006.1月号~2008.7月号
初刷:2008.7/31
印刷:旭印刷(株)
製本:本間製本(株)
イラスト:小泉英里砂
装丁:鈴木久美(角川書店装丁室)
最初の一文:「袋物屋の三島屋は、筋違橋先の神田三島町の一角にある。」
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今回はお得意のふしぎ話で宮部ワールド爆発って感じです。
それぞれのふしぎな因縁話を、自分もひどい経験を持ち自分に閉じこもってしまった「おちか」が聞いていき、
相手も自分も少しづつ癒されていき、最後にそのおそろしいものから解き放たれるというオムニバス。
今の時代でも十分にありえそうな、空恐ろしい話。
誰でもそういう経験を胸にしまって生きているものだということを、年若いおちかがだんだんに知っていく。
苦しいのは自分だけじゃない、今すれ違った楽しそうに笑う人だって、心に悲しい経験をしまっているのかもしれない。
何かにとらわれそれを引きずってしまいがちな私たちに、そういって元気づけてくれるような涼味のある読後感でした。
しかし、宮部みゆきの筆力は本当にすごい。
景色やしぐさの細部まで細かく表現されて、読んでいるとありありとその様子や色使いまでも浮かんできます。
特に今回特筆したと思うのが着物や帯の柄の名前。和服についてものすごく勉強したなという感じがします。
こういう時にはこういう柄行や色使いのものを着る、柄の意味、半襟や帯をどう合わせるのかなどなど。
それによって、今まであまりなかった登場人物の「色」というものがひきたちますます生き生きと動き出している感じがしました。
番頭さんの襷の素材までもがすーっと頭にイメージできて映画を見ているようでした。
ああ・・・・1日で読んでしまうにはもったいない作品です。
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副題が「三島屋変調百物語事始」。女主人公を聞き手とした連作に見えて、実は起承転結にまとまっている。詠み易いし、それほど怖くなくて展開に引き込まれるが、頷けない部分もあり。主人公の見落としをうまく気づかせているが、漏れたままのが気になってしまう。まぁ、そこを見抜くのが読者の役割ってとこかな。
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宮部さんは現代物もよいけど時代物もやっぱりよいですね。
人の心の中にしまいこまれた怖ろしいものを百物語にすることで癒し癒されて、
ひとつひとつの物語が最後には繋がりをもち連作短編となるのも宮部さんのお得意なんですけど今回は繋げかた終わらせかたが少し強引なのが少し気になりました。
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江戸のちょっと怖い不思議話。
夏の夜に背中を風が通る。
人生のメモに刻んだフレーズ
"真の商人は、金のやり取りを決めるとき、
相手にとっての価値を先に考えて駆け引きをする。
自分がどう思うか、どれほど利益を得るかということは二の次"
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神田三島町の一角に店を構える袋物屋の三島屋の叔父叔母のもとに
わけあって居候することになった17歳のちか。
主人・伊兵衛の乞いで、百物語を語りにくる客人の話を
ちかが聞くことになった。
ちかが抱える苦しく哀しい過去は、
他人の話に耳を傾けることによって消え去るのだろうか。
そしてちかに語ったことで、
胸に黒いものを抱える人々の心は晴れるのだろうか。
宮部作品。ひさびさだったけど、やっぱうまい!!!
江戸のこれ系の作品はやっぱうまい!!!
ちかと兄の喜一との場面なんて、思わず涙しちゃいった。
どの人の話もやり切れない重いものばかりなんだけど、
少しずつ開かされていく、ちかの過去とリンクしていって、
ぐいぐい読ませていく。ほとんど一気に読んでしまった。
続編がありそうな感じね。
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宮部さんの、割と新しめのお江戸物作品。
ある事件をきっかけに、叔父叔母の家に居候
(というか女中?)している少女が、
百物語を語るため招かれた客の相手を
しているうちに、自身の心の傷も治してゆく、
というお話。
客の語る短編を織り交ぜながら、ちゃんとひとつの
長編にしている、というのが上手いよなぁ、と。
終盤が亡者の皆さんと一緒に元凶の祟りと異世界で戦う、
というファンタジー調なのが、少し微妙かも。。。
どうでもいいけど、本の最後のページと背表紙の間の紙が、
真っ赤な千代紙のプリントで、ぞっとしました。
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2009.10
読売新聞朝刊連載中の話の、前段階。最後は天狗風と似たような感じ。蔵の家族はかわいそうだったなぁ。
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現在、読売新聞朝刊にて連載中の「三島屋変調百物語事続」の前作。
読み始めは短編仕立てかと思っていたのですが(新聞が短編仕立てっぽいので)、読み進めていくうちに各話の区切りが徐々に無くなっていきました。
おちかが聞く物語は後半に行くほど不思議話になり、この世のものではない話となります。
この話の展開が、最終話での話のまとめ方が今までの宮部作品(「霊験お初」とか)と似ている展開だったので少々残念な気分になりました。なぁーんだ…みたいな。
不思議なもの、理解できないもの、この世のものでないものを物語に持ち出すことはよいのですが、最終話での持ち出し方が大雑把な感じがしました。
本当におそろしいのはこの世のものではない存在ではなく、人の心なんだよぅ…という意味の「おそろし」だと思っていたのですが…そうなんだとは思いますけども…うぅん。
黒白の間で語られる物語はどれも人の気持ちの揺れ動くさまの複雑さが根底にはあり、その複雑な気持ちの揺れ動きが実に細やかに描かれていたので読み手はおちか同様にその語る物語に引き込まれるようで面白かったです。
しかし、なのに、だのに、どうして最後にその展開?みたいな…。
最終話の演出については、お福が亡者は心のうちにある、と言っていたのが基礎になってこの演出なのかとも思ったのですが…それは謎の男の出現によってまた違った方向になってしまいました。
謎の男については具体的にどうのようにして商っているのかが気になり、またおちかについての指摘も的確で、この謎の男は今後も出てくることを期待しています。
ところで、「凶宅」でちらっと出てきた呉服問屋の座敷牢の話がひっかかり、どこかでこんな話なかったかなぁと思ったのですが…そんな気がするだけでしょうか。
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新聞小説で「三島屋変調百物語事続」を読んでいて、その前段を
知りたくなって読みました。
おちかが三島屋に住み着くようになるまでの話がおもしろかった。
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十七歳のおちかは,人に言えない事情を抱え,叔父の営む江戸の三島屋で奉公人として働いていた。ひょんなことから三島屋の一室で様々な怪異譚を聞くことになったおちかは,やがてその怪異に巻き込まれ,同時に自らの重い過去と対峙することになる。憎悪・執着・恋慕…人の情念が生み出す怖くて切ない物語が江戸の情緒たっぷりに描かれた,宮部流百物語。
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宮部版『アッシャー家の崩壊』
話の筋は違いますが読後の感想はそれでした。
『遠野物語』の「迷い家」のような人格を持った【家】にとらわれてしまった人たちの供養話。
その供養が主人公の心の供養にも繋がっていく。
悲しい事件に心をふさいでしまった主人公・おちかが同じく心にしこりを抱えて生きてきた人たちの話に耳を傾けていくことで少しずつ心持ちを変えていくお話。
懺悔というほどのことではないけれど、自分の閊えを一時誰かに預けて一息つくことで人はまた歩き出せるんだろう。
その閊えは一生背負って生きていかなきゃいけないものなんだけど、それにこだわりすぎて沈んでしまう前に避難場所を見つけるもの生き方のひとつ。
それが人の世の情けというもの。
人は人と繋がることによって生き直すことができる。
逆に言えば人は人が居なければ人として成り立たないということなんだろうなぁ、なんて昔の人は良く判っていたんでしょうねぇ。
おちかと<番頭>との対決、最終章の書き方ではなんだか続きそうなんですが『初ものがたり』のことがあるから宮部さんは油断できない。
ああでも、一番続きが読みたいのは『日暮し』シリーズなんですぅ!
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私の中で宮部さんの時代物とファンタジーものは失敗がない!
と思っていたのですが、これは買わずに図書館で借りればよかったなと・・・。借りれるまでに何年かかるかわからないけど・・・。
繋がってる短編!?