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面白かった!始めは、そうでもないかな、と思っていましたが、読み進めるうちにどんどん面白くなっていく。時系列の構成も効いています。文中に出てくる『憐れ』や、ちょっと怖い話や、切なさや…人の世のいろいろな心が詰められたいい本でした。
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知っている土地、坂の名前が出てくるので、距離感も分かり易いのだけど、内容が無かった。
淡々としており、「で?」と一人ツッコミしたくなる内容だった。
一話から少しづつ次の話しに絡んで行き、時系列で書かれているのだが、
明治から昭和にかけての文学作品へのオマージュなのかな?
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新種の桜造りに心傾ける植木職人、乱歩に惹かれ、世間から逃れ続ける四十男、開戦前の浅草で新しい映画を夢みる青年―。幕末の江戸から昭和の東京を舞台に、百年の時を超えて、名もなき9人の夢や挫折が交錯し、廻り合う。切なくも不思議な連作物語集。
一見、バラバラの物語のようでいて、時おり、それが繋がっているのを見つけてうれしくなる。「隠れる」と「てのひら」が好き。
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茗荷谷は私の母校がある土地なので、タイトルに惹かれて購入。
木内さんの文章とか、話の流れは読んでいて本当に心地が良い。そしてどこかせつない。すべてひっくるめて私は好きです。
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「隠れる」が一番良い。ちゃらんぽらんな性格の主人公が、善意の隣人に翻弄されるコミカルな話。内田百閒を扱った「仲之町の大入道」が次点。百閒の性格が良く現れている。映画監督の夢を紡ぐ青年を描いた「庄助さん」がその次。純朴な庄助さんの性格が暗い話を明るく見せてくれる。この作家はコミカルな描写に長けているのかな。
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不思議なバランス感覚の本だった
幕末から昭和30年代の江戸・東京に住む人たちがそれぞれの章に出てきて
大体が浮世離れしている人たちで、少しずつ関係がある人たちなんだと
途中できがついた。夢の中で生きている人たちみたい。
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この本を予約しているときに、ちょうど受賞なさったようで、へーと思っていて、その後この本を読みやはり、うまいなあと思わされた。うまくできた短編集。前の短編の登場人物が別の短編にも出るという構造の小説はたくさんあるが、下手な人がやるととんでもないことになる、もちろん、それは上手にクリアしているが、それをやりつつ時代をずらしていっているところが、面白いと思った。江戸時代から戦後まで。1つの短編内で解決されたなかったもやもやが、かなり後のほうの短編で回収されたりもして、あ、そうだったのかと思うことによって、死んでもわからないけれど、死んだ後にわかることもあるのだなあと思う。百?や乱歩などのモチーフもうまく使っているなあと思った。
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時代の流れに沿って繋がる市井の人々の不思議な連作短編集。短編同士のつながり方がとても上品。さりげない描写の中に人々の心の底を透かし見せるような、力をもった作品。ふんわりした存在感なのに、のぞき見た者をすっかり世界に取り込んでしまう磁力をもっている。
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ひとむかし前の日本。
目に見えないものを想像し信じることが、自然にできていた時代ゆえに、こんなに味わい深い話が生まれるんですね。
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堅実でありながらふわっとした空気感を持つ文章。
当方未熟な故、難解さが残った。
めずらしく衝動買いした本だったので再読予定。
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「茗荷谷」という地名が好き。
全然 詳しくないんだけど、なんとなく好きな町。
頭の良さげな学校が多いんだよね(笑)
下町っぽさが漂いながらも、小洒落た建物があったりして雰囲気が良い。
で、茗荷谷を舞台にした小説かと思って読んだら
短編集だったのです。トホホ。
ちょっと残念。
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内容(「BOOK」データベースより)
新種の桜造りに心傾ける植木職人、乱歩に惹かれ、世間から逃れ続ける四十男、開戦前の浅草で新しい映画を夢みる青年―。
幕末の江戸から昭和の東京を舞台に、百年の時を超えて、名もなき9人の夢や挫折が交錯し、廻り合う。切なくも不思議な連作物語集。
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文庫が出たんだ〜、と再読。
染井吉野のような夢が咲く中、
短いような長いような人の営みが大きく小さく廻り合い離れていく。きれいで悲しいけど幸せな物語達でした。
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「漂砂のうたう」がちょっとすごく気に入ったので読んでみた。期待を裏切らない傑作!短編という形を取ったことで、さらに鮮烈な印象を残す、まさに珠玉の短編集。雰囲気は淡々としていて、どちらかというと硬質で静謐な文章のイメージ。紡ぎ出す物語の幅も広く、次回作はどんな仕上がりになっているのか、新刊がとても楽しみな作家さんになりました。内田百間、江戸川乱歩、永井荷風といった作家への言及も作品へのスパイスになっていて良かったです。ちなみに最後まで名前の出なかった、「庄助さん」のモデルは、山中貞夫監督ではないかと思ったんですが、どうなんでしょう!?
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どこか少しずつ繋がっているのが面白い。というか好き。
ずっとレトロな薫りというか、哀愁というかそういった切ない感じが漂っていてそれも好き。
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幕末から昭和にかけて、目には見えない不思議な縁の糸で繋がった9人の市井のひとびとの連作ものがたり。
表紙の画も装丁もうつくしい。