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絵引民具の事典 みんなのレビュー
- 岩井 宏實 (監修), 工藤 員功 (編), 中林 啓治 (作画)
- 税込価格:7,150円(65pt)
- 出版社:河出書房新社
- 発行年月:2008.9
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紙の本
読んで見て楽しい事典
2009/12/31 07:09
2人中、2人の方がこのレビューが役に立ったと投票しています。
投稿者:狸汁 - この投稿者のレビュー一覧を見る
大掃除などのときにすっかり忘れていた古道具が出てきたりしますよね。本書はなつかしい日本の古道具をイラスト入りで解説している事典です。
ぱらぱらとページをめくりながら、民具のイラストを見ていると、いまのわれわれは実に味気ない道具を使って暮らしているという感慨にとらわれます。土間があり、そこで煮炊きされていた時代には、大きな釜や土鍋があい、粉篩(こなふるい)やたわしの用途の簓(ささら)があり、炊き上がったご飯はお櫃に入れられたでしょう。いまは何でもチンですんでしまいます。
民具とは、言葉通りに庶民の生活用具のことです。衣食住、生業にかかわるものだけではなく、信仰行事や玩具も含まれれます。本書は1500の項目すべてにイラストがあり、読んでも見ても楽しい事典です。特に中林啓治さんのイラストが緻密で良く、実際の工具が目に浮かぶようです。
雑学を仕入れるにはもってこいの本ですね。たとえば杓子(しゃくし)には飯杓子と汁杓子の2つがあります。汁杓子は、かつてはホタテやハマグリの貝殻に木の柄をつけていました。杓子はご飯を分配する道具ですが、それは家計をまかなう主婦に絶対的な権限がありました。姑が嫁に主婦権を譲り渡すことを「シャクシワタシ」と呼んだ地方もあったそうです。
衣食住に関しては、金属やプラスチックなどに形を変え、現在でも使われているものが多いですが、玩具・楽器などをまとめた「たのしむ」の章をみると、いまでは見慣れないものが多くなります。たとえば人形をとってもさまざまで、千代紙細工の衣装を着せた姉様人形、絡繰(からくり)でお茶を運ぶ茶運人形、お公家さまから流行した体全体が真っ白な肌の御所人形‥‥挙げていくときりがないですね。
少し値段が張る本ですが、昔のレトロな生活に思いをはせるのがお好きな方は、時間を忘れてずっと読んでしまうかもしれませんよ。
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