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食べ物の話し
渋滞の話し
外来種の話し
ウイルス 回虫の話し
ヒトの時間 ナマコの時間
遺伝子捜査の話し
ガンの話し
定説への触れ方
雑学的な読み物として楽しめました
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日垣隆氏による対談集。前回の『常識はウソだらけ』に比べるとややトーンが落ちているような、良く言えば落ち着いた内容になっているような気がします。それでも、常識と信じられていることに片っ端から反論していく方向性は毎度のこと。
今回のテーマは、渋滞やウイルス、生ゴミリサイクル、遺伝子などなど。
いちいち書いているとレビューが長くなるので省略しますが、『定説』という磐石に思えるものに対抗していくというのは、現代人に欠けている視点ではないかと思います。クリティカルに現実を読もうとする人にはうってつけの本だと思います。
個人的には、最終章の『定説をくつがえす』が好きです。現実に反論する内容というよりは、研究とはいかなるものかを痛感させられるような内容になっていると思います。
自分の常識にメスを入れてみたい方は、ぜひご一読。
「研究者が個々の分野に細分化してしまうと、学問の全体像が見えなくなってしまう弊害があると思います。日本の大学の一番の問題は、研究分野がどんどん細分化していることではないでしょうか」(p220)
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第4章 ウイルスの逆襲(藤田紘一郎)
・寄生虫博士。
・結核や寄生虫がいなくなって、免疫細胞が戦う相手がいなくなってしまった。そのため、本来は戦う必要が無かったダニや花粉と戦い始めた。
・エイズウイルスはもともとミドリザルと共生していた。アフリカ人がミドリザルを食べているうちに人間に感染。膣は吸収器官ではないので男女のセックスでは滅多に移らない。肛門は消化器官なので吸収してしまう。但し、寄生体は宿主を滅ぼしたら自身も死んでしまう。エイズウイルスと共生していけるようになるかもしれない。
第5章 ヒトの時間 ナマコの時間
・江戸時代、時計などしている人はいなかった。日本人がきっちり時間で動くようになったのは明治以降。
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いくら大きな新聞やテレビの情報でも丸々信じちゃいけない…とか思いつつ、でもどうやって見極めるのか、凡人にはやっぱり流されちゃうなぁ。退治が定説なものが多い中、ここは共存が多く謳われている。優しさを感じました。…アメリカシロヒトリは嫌いだけど。でも虫のナオミちゃんはちょっと可愛いとか思ったり。ダイエットや花粉症に効果あるなら飼ってみたい…かな…いやでもやっぱりちょっと無理…かな。
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お気に入りな日垣さまの本。
マスコミが言っていることを、そのまま信じるのではなく、少しは自分の頭で考えないといけないかな。
ゴミの話・遺伝子の話etc. たくさん。
おもしろかった。
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日本国内、あるいは世界的に「定説」「常識」とされているテーマについて、違った視点を与えてくれる一冊。この一冊だけを読んで「違った視点」を鵜呑みにするのは行き過ぎだけど、「○○は××だよね。」くらいに考えていた定説や常識について、「○○は××なのか?」と疑問符を抱くにはいいきっかけの書だと思います。
第6話、遺伝子研究と倫理のくだりで出てくる「倫理の反対は慣れ」という日垣氏の主張はなるほど、と思わされました。倫理という規範に穴を開けていくのがヒトの慣れ、と考えれば、慣れの罪深さが少し実感できます。一連の個人情報保護の狂騒を見るに、YahooBBの大量情報漏洩事件のときは対象の数百万人に謝罪の商品券を進呈する事態にまで至ったのに、以後Winnyによってすっかり「情報漏洩」という言葉に慣れてしまったのか、いまや漏洩の加害者ですらその事実を「ホームページ上で謝罪」する程度しか罪の意識を抱かないほどにこの事態に慣れてしまっているとも言えるわけです。
第3話 恐怖を煽ってはいけない―ゲスト・池田清彦氏
P.79 しかしこと京都議定書に関してはブッシュの言っていることが間違っているわけではありません。CO2を削減するためには、経済成長にストップをかけなければならない。アメリカとしてはそんなことはできないので、CO2削減を義務づける京都議定書にはサインしない。この理屈は政治家としては一応筋が通っています。
日本ではCO2削減に反対する学者はほとんどいませんでしたが、アメリカには大勢いました。(中略)アメリカは変な国ですし、ブッシュもバカ者だとは思いますが、何につけディベートが充分になされるところは健全です。京都議定書をめぐり、日本ではディベートが全くなされませんでした。「環境を守るためにはCO2を削減しなければならない」と誰かが言い出した瞬間、異論を許さずCO2削減の一辺倒になってしまいました。
P.90 (ブラックバス駆除やダイオキシン騒動時の焼却炉撤去運動などを例に)
100%何かを達成しようとするときには、最後の10%、5%の壁で加速度的に大変なコストがかかります。
第4話 ウイルスの逆襲―ゲスト・藤田紘一郎氏
P.109 インドネシアには、喘息やアレルギーにかかっている子どもはいません。アトピーや花粉症のようなアレルギーは、先進国に圧倒的に多い症状なのです。ウンチと一緒に暮らしているインドネシアの人たちは、アレルギーにかからない。反対に、清潔社会はアレルギーだらけになっています。どうもアレルギーと寄生虫の関係は非常に深いのではないか、と僕は考えるようになりました。
P.101 本来人間には、花粉に過剰反応する必要などありません。では、なぜ花粉を敵だと思ってしまうのか。寄生虫に対応するための免疫担当細胞は、誰の体の中にもあります。その細胞は、カイチュウが体の中に入ってきたときに「ようこそいらっしゃいました」と挨拶するのです。結核菌などのウィルスがやって来たときには、「お前に来てもらっては困る」とケンカをする免疫細胞があります。免疫細胞がカイチュウやバイ菌とつきあっている間は、自分の仕事だけで手一杯です。ですから、ほこりの中に入っているだ��の死骸や花粉に反応しているヒマなどなかった。ところが、我々が「カイチュウは気持ち悪い」と言って追い出してしまったものですから、カイチュウ担当の免疫細胞が職を失ってしまったわけです。
結核も寄生虫もなくなり、免疫細胞は仕事を失ってしまいました。そこで何を始めてしまったかというと、本来は反応する必要がないだにの死骸や花粉とケンカをしているのです。寄生虫が皆さんの体の中にいた時期、たくさんのバイ菌と皆さんがつきあっていた時期には、花粉症や喘息など日本にはありませんでした。
第5章 ヒトの時間 ナマコの時間―ゲスト・本川達雄氏
P.136 ナマコのように省エネに徹すると、額に汗して働かなくても生きていける。この世が天国になるのです。現代人はこの世をいかに天国にするかということに、一生懸命エネルギーを注いでいる。人間が忙しく働いている一報で、ナマコは私たちより100倍のんびり人生を満喫しているのです。
P.147 子どもの時間は速いから、同じ時計が進む時間中にたくさんのことをしているので、あとから振り返ってみると時間が密に詰まっていて長かったと感じる。つまり、時間というものは、後から振り返ると、逆の長さに感じられるものでしょうね。いずれにせよ、子どもはエネルギーをたくさん使って忙しく活動する。大人や老人はエネルギーをあまり使わずマイペースで過ごす。同じ時間を過ごすにしても、生物によっても年齢によっても実感は変わってくるのです。
第6話 さらば遺伝子幻想―ゲスト・岡田正彦氏
P.164 倫理とはいったい何だと思いますか。
「人として正しい道かどうか」ということでしょうか。倫理は、宗教と切り離せない問題のように思います。
倫理の反対は「慣れ」ではないか。そんなふうに、ふと思ったことがあります。何か新しい技術が生まれ新しい事態に直面したときに、歯止めをかけようとするのはたいてい倫理でしょう。倫理が最初からあるのではなく、新しくできたものを後出しじゃんけんでストップをかけるようなところが、倫理にはあります。
倫理が忘れさられるころには、慣れが生まれます。試験管ベビーの第一号が1978年に生まれたときに、「神をも恐れぬ無謀なことだ」と強い反対意見が出ました。ところが今では、試験管ベビーは万単位で生まれています。試験管ベビーを生み出す人工授精についても、反対意見はあまり聞かれなくなりました。新しく起こった事態に歯止めをかけるのは「倫理」という構えであり、その構えを崩すのが「慣れ」ではないか。非常に俗っぽい言い方かも知れませんが、私はそんなことを考えています。
第7話 ガンで死ぬのは不幸なことか―ゲスト・近藤誠氏
P.187 逸見さんは最初入院したときに、初期の胃がんだという診断を受けました。それから何度か手術を繰り返し、「手術は成功した」と言われながら早い時期に亡くなっています。胃がんがもう治らないということは、診断の初期段階で分かっていたのでしょう。もし手術をしなければ、それから4~5年も充実した人生を送れた可能性は極めて高い。にもかかわらず、大量に臓器を摘出することによって体力を奪い、余命を奪ってしまった可能性はかなり高いと言ってよいと思います。
第8��� 定説をくつがえす―ゲスト・赤祖父俊一氏
P.222 仮説を立てるためには、創造性がなければいけません。日本の科学者を含めて多くの人は、「創造=無から有を作り出すこと」だと思っています。ですからそんな難しいことは出来ない」と思ってしまう。創造とは、無から有を作り出すことではありません。既に存在する二つのものをくっつけて、新しいものを作り出すことなのです。ニュートンがいい例ですよ。
第1話 食べ物をめぐるウソとホント―ゲスト・武田邦彦氏
第2話 渋滞の謎を解く―ゲスト・西成活裕氏
第3話 恐怖を煽ってはいけない―ゲスト・池田清彦氏
第4話 ウイルスの逆襲―ゲスト・藤田紘一郎氏
第5章 ヒトの時間 ナマコの時間―ゲスト・本川達雄氏
第6話 さらば遺伝子幻想―ゲスト・岡田正彦氏
第7話 ガンで死ぬのは不幸なことか―ゲスト・近藤誠氏
第8章 定説をくつがえす―ゲスト・赤祖父俊一氏
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人間に鳥インフルエンザが移ることなんてほとんどありえないのに、鳥を大量に殺すのはやりすぎ。
外来種を日本に持ち込むのは反対した方が良い。