紙の本
オリンピックをさほど愛さない(私のような)人のために
2008/07/22 14:35
4人中、4人の方がこのレビューが役に立ったと投票しています。
投稿者:カフェイン中毒 - この投稿者のレビュー一覧を見る
いつ文庫化されるんだろう、もしかして…と思っていたら、
やはり北京オリンピックに照準を合わせてきたのでしょうか。
たしかになぜかオリンピックとなると、関連のものも盛り上がりますね。
ちなみに、内容はアテネ五輪。
追っかけています、かの地まで。
理由がなければ出歩かないと言い切る、あの奥田英朗氏が。
選手たちと深くコミットするでなく、
オリンピックにまつわる諸々ついて、愚痴は言うけど、
説教するでもないところが、やはり、そしてさすがです。
そのテのものは、他の書き手に委ねているようです。
でも、きっちり毒は吐いています。
奥田氏ですから、そのあたりは期待通りに。
アテネオリンピックが終わったとき、
そういえばテレビ観戦もロクにしなかったなあと思い返していて、
ちょうど出版されたこの本を手に、
別の意味で「観ればよかったかも」と、少しだけ後悔したのを覚えています。
『泳いで帰れ』。
なにやらカッコイイではないですか。
こういう言い切り口調のタイトルに、素敵な小説もいろいろありますしね。
ラスト近く、すっかりタイトルのことなど忘れたころに、
いきなりそれはやってきます。
え、そういう意味だったんだ、このタイトル?
それまでの含み笑いが台無しで、爆笑しました。
ああ、奥田英朗だなあと思えた、忘れられない一瞬です。
紙の本
熱く冷たい
2017/10/21 06:02
0人中、0人の方がこのレビューが役に立ったと投票しています。
投稿者:Todoslo - この投稿者のレビュー一覧を見る
オリンピックの熱狂に包まれるアテネの街並みが美しさ溢れていました。冷めた眼で眺める著者の姿も印象深かったです。
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北京オリンピックをみていたら、読みたくなった。
北京の本も出してくれるかなあ、、、
ぜひ読みたいわ。
これを読むとオリンピック観戦に行きたくなるよーーーー
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シドニーオリンピックのことは、村上春樹さんの「シドニー!」で後から追体験。
今回は、北京オリンピックの最中にアテネオリンピックの追体験をこの作品でしてみました。
柔道の試合の臨場感だとか、バスケットボールの試合の迫力だとか、涙が出てきてしまいましたよ。本当に。
いや、ホントの話。
野球観戦の話を読むにつけ、私は、奥田氏に同感だなぁと思いながら読んでいたのですが、アテネのあのときの雰囲気って、新聞の論調とおんなじだったのでしょうか?ま、いずれにせよ、「ふがいないぞプロ野球」という気持ちは変わりません。
今回の北京オリンピックだってそうだった。まあ、試合を最初から最後まで食い入るように見ていたわけではなかったので、応援してもいないのに、そんなこと言うなって言われそうですが。とにかく、普段厳しい環境(経済的にね)で練習し、プレーしている女子チームの方が、サッカーも野球もやっている姿そのものがきらきらして見えたのは、私だけではありますまい。
私だけかな。まあ、いいや。
で、今回の北京オリンピック。
どなたか作家さんがやっぱりこういう本を書くために、会期中ずっと観戦していたのなら、4年後のロンドン大会の時にまた読みます。
『泳いで帰れ』・・・いいタイトルだ。
メダルが取れるかどうか、ではなくて、自己のベストが出せるかどうかが問題なのよ。
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奥田秀朗は本当に何を読んでも面白い。
コレはアテネオリンピックを現地に見に行った際のエッセイなのだけど
オリンピックもスポーツもまったく興味のない私ですら
ものすごく面白かった!
この人のゆるーいキャラクターや、そんな事かいちゃっていいの?
的素直すぎる感想なんかが奥田秀朗のエッセイの魅力なんだろなあ〜
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アテネオリンピックを観戦する奥田英朗ののエッセイ。奥田英朗のエッセイはおもしろい。ちょっと口が悪いところも好き。最後の「私は旅に生きる人間ではない。居場所は変わらない。旅することで日常に耐える人間だ。」の文がいい。ギリシャへ行きたい☆
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何気なく手にとってみたら、これ小説じゃなくてエッセイでした。
この人エッセイも書いてたんだねぇ。知らなかった。
アテネオリンピック(主に野球!)観戦記。
著者の野球に対する熱い思いが弾けまくってます。小説家ならではの深い考察…というより、野球大好き親父の自論語りみたいな感じ。
野球を全く知らない人には、ちょっと理解しがたい部分が多いかも。
ですが、普通に野球を知っている人にとっては「そうそう」って頷いたり「いやいや、アレはね…」と反論したくなったり、語りたくなるテーマがちりばめられているんじゃないかな。
タイトルは、アテネ五輪でプロとしては不甲斐ない結果(銅)で帰ってきた長嶋ジャパン(中畑監督代行)に対する著者の怒りの声。
著者はかなり辛口コメントしているけど、うん、わかるよそれ。
選手や監督コーチ陣も皆その場で思いつく全力は尽くしていたんだと思う。見ているだけの人間に批判されたかないでしょう。
だが、プロとしてお金を取っている人間としては観客の不満を甘受する義務もあるかも。
著者の言い分もわかるなぁ。そういう野球が見たかったんじゃないもんね、結果勝っても負けても。
チームとしての戦略が見えなかった、小手先だけで勝負しているように見えたんだから仕方ないよね。
でも、同じ野球を見て心から「感動をありがとう」という人がいてもいい、しかし同じだけ「つまんない野球すんなよ!」と批判する人がいてもおかしくない。のに、メディアは大半前者のスタンスを取る…それは、その方が客に求められているからだし、そっちの方が害がないからだろう。だけど、メディアとしては冷静に分析して敗因をさぐってくれる方が価値ある気がするんだどねぇ。
これを読んで溜飲を下げられた野球ファンも少なくない事でしょう。
で、アテネでの日本チームに憤慨している著者が北京オリンピックをどう見たのかかなり気になる…本出てるかなぁ?
野球ネタは置いといて。
アテネ滞在記&他競技の観戦記も面白かった。
食べ物事情とか、ギリシャ人の人柄とか、各国の応援風景とか、一市民視点からの民族・領土問題に関する考察とかね。
エーゲ海の景色を艶がない。深い緑を愛する日本人には物足りない。と、評していたのが印象的。
白い家や教会の統一性とファンシーさが受けているんであって自然はさほどのもんじゃない。って。なるほど。
あと、著者が「北島について私は書けない」と語ってるところが印象的だった。
この人が伊良部シリーズの著者とはさもありなんという紀行でした。
締めの部分がさすが直木賞作家!カッコイイですね。
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アテネオリンピックを観戦したときのエッセイです。
泳いで帰れという題名のように、ある選手も本当に泳いで帰ればいいのにと思いました。
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オリンピックの興奮が伝わってきて行きたくなった。柔道見てみたい。
軽快なタッチで小刻みに笑わしてくれるのもいい。
くつろく旅のお供にちょうど良かった。
野球への目線は高く、同感する部分も多々あり。
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アテネオリンピック観戦記。
大した、オリンピック好きでもない作者がちょっとずつ楽しくなってくる雰囲気を醸し出しながらも、つけたタイトルは選手への強烈なメッセージ、「泳いで帰れ」。旅先のホテル暮らしの煩わしさがここまで伝わってくる観戦記もめずらしい。
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もう次のオリンピック始まるのに……という時期に読んだ。なんだか実際に野球好きのおじさんと一緒に海外まで野球を見に行った気分になる。この「泳いで帰れ」という台詞に著者の気持ちが込められてます。
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作家奥田英朗が行く愉快なアテネオリンピック観戦記。柔道日本、長島ジャパンの奮戦の記録が読んでいてとても楽しかった。ああ、あのアテネは日本はメダルラッシュで凄かったなあ…読んでいて毎晩徹夜しかけた興奮の記憶が蘇った。やっぱりオリンピックって良いもんだ。ガンバレ〜!!ってスポーツ選手を心から応援したくなりますねえ。オリンピック観戦。いつか一度は実際に行ってみたいなあ…
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アテネオリンピックの取材旅行記です。野球好きの著者は、野球を見るためにアテネまで行ってきたのです。タイトルは「泳いで帰れ」ですが、ニュアンスとしては、「泳いで帰ってこんかい、わーれ」ってな感じでしょうか。誰に向かって言った言葉か。それは読んでね。読まなくてもわかるか。
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奥田氏のアテネオリンピック観戦ルポ兼旅エッセイ。奥田センセのエッセイは本当に面白い。小説もモチロン面白いですが。なんというか、現在進行形な感じの文章が実に良い。旅先でブツブツしゃべってるのをオンタイムで聞いてる感じ、という感じの文章がじつに心地よいですね。加えて、本音丸出しの小市民的視点がまた良し。いやいや、楽しめましたぁ。んで、このタイトルの意味するところは・・・、う〜む、そういうことだったのか。
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「どちらとも言えません」に大笑いし、これまで読んでなかった奥田スポーツエッセイをあわてて注文。これも面白かった。今となってはアテネ五輪の記憶は薄いけど、ああそうだったなあと思いだしながら楽しんで読んだ。
直木賞の授賞式をすっぽかしてまで(先にこっちの仕事が入ってたそうだが)長島ジャパンの試合を見に行くというあたりが、筋金の入った野球好きの面目躍如。ところが肝心の日本代表チームはなんとも情けない試合ぶりで、奥田さんの怒ること怒ること。マスコミがまた妙に優しいことが作家の憤りをあおるのだが、ここら辺はもう芸ですね。
その日本の出ない決勝戦はキューバ対オーストラリア、この観戦記がとても良かった。オリンピックの素朴な祝祭感にあふれていて、こういう雰囲気ならオリンピックを生で見てみたいなあと心から思った。全体にアスリート達への敬意が流れていて、そこが気持ちのいい読み物になっている。
奥田作品はあまり読んでこなかったのだけど、毎朝楽しみに読んでる「沈黙の町で」をはじめ、今ちょっとしたマイブームが到来している。