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みんなのレビュー7件

みんなの評価3.8

評価内訳

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紙の本

中世と現代を結ぶ

2011/11/09 22:35

4人中、4人の方がこのレビューが役に立ったと投票しています。

投稿者:SlowBird - この投稿者のレビュー一覧を見る

中世は12世紀、イギリスのある学者が、ヨーロッパ各地で収集した奇妙な話を国王に献上したということ。学者というのは、当時にあっては聖職者、司教であり、民間の迷信や伝説を調べて、それを公式な文書とするという思惑はどういったものだったろう。
彼が当時の学説で説明できないことを堂々と事実として述べているのは、つまりそれらは奇跡であり、人間の論理で理解できない奇跡のあることこそ神の存在を証明するのだという。本気でそう思っていたのか、とにかく記録の保存のための方便だったのか。後者の方と想像する方が面白い。
そして作者の思惑がどうあれ、本書の解説に曰く「欧米の中世史家のあいだでは、現在人気急上昇中の作品である」。公的な歴史書や教義に現れない、民衆の思いがそこには現れている。歴史というものは長いこと権力者のものだった。彼らは文字と資力を持っていたから歴史を記録することができたから。民衆視点の歴史の研究というのは、アカデミズムが権力から独立した近代以降のもののような気がする。その記録の無い歴史を探るためのいくつかの断章の一つがこの本ということらしい。作者がリスクを冒してまで残した民衆の記録は、立派にその意図通りに働いたということになる。
堅苦しいことは抜きにして、しかしこれらは面白いのだ。特に気になるのは、魔術師ヴェルギリウスに関する多くの伝承。各地に様々な足跡を残し、その自在さは役小角ののようであり、民衆からの絶大な尊敬は空海か日蓮のようで、天才的な能力は菅原道真のよう、つまり民衆に求められたスーパースターであるらしい。
インドやアフリカについての言い伝えは、相当いい加減だと思うが、驚異の風物が溢れる未知の土地への憧れの憧れなのだろう。奇妙な動物や人間の生態は中国の「山海経」もどきにも取れる、いや実際に影響を受けているのだと思う。
不思議な岩や川などの伝説といったごく素朴なものも、アウグスティヌスや聖書などの古典に依っている事蹟も多く、とにかくありったけ集めた。その目的に宗教的な意味付けをしているところは、「日本霊異記」にも共通していそうだ。性格はまったく同じではないかもしれないが、人々の発散する時代のエネルギーを掬い上げて記憶に留めたいというのが、両者ともに根本的な動機なのだろうという気もする。
自身の赴任地であったフランスやスペインで実地に採集しているわけで、当時の評価はどうであれ、その意欲は一つのニューウェーブであったのかと思う。土着的であったり異教的であったりする霊や神秘をキリスト教的教義に結びつけようとしたところは、どのくらい本気だったかはさておき、総合学問的性格もありそうだ。ここに現れる地獄(煉獄)像などは、結局は主流教義も犯していったりする。
人々の日常を支配していた観念の多くがこれらのような形態であったならば、結局文明のメインストリームとは高尚な学問や教義、それらに付随する権力や財力よりも、民衆のささやかなイマジネーションの積み重ねの方にパワーがあったのではないかと幻視してしまったりもする。

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紙の本

中世の雰囲気を味わえる一冊

2015/01/27 01:21

1人中、1人の方がこのレビューが役に立ったと投票しています。

投稿者:ぶろっこ - この投稿者のレビュー一覧を見る

ティルベリのゲルウァシウスが暇をもてあました皇帝に語って聞かせたヨーロッパ各地の伝説を集めた一冊。
文章は学者が皇帝に語って聞かせるという形式のために仰々しい文体で訳されていて正直なところ少し読みにくかった。しかし、肝心の内容は荒唐無稽な伝説ばかりで面白い。奇怪な植物、遠い異国、幽霊、あの世、不思議な角笛、そして魔術師ウェルギリウス。この本を読むことで当時の人々が考えていた不思議なものに沢山触れ、中世の雰囲気をたっぷり味わうことができた。

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2018/10/21 23:47

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2015/08/10 19:47

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2014/11/21 21:44

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2015/02/03 23:31

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2023/07/27 21:39

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