投稿元:
レビューを見る
変わった雰囲気の歴史の本だ。
オレがこれまで読んできた文化大革命に関する本は、どれも凄惨で、こんなとこに住んでなくて良かったー、というカンジのものばかりだった。
今回も、そういう本だと思って読んでたら、なぜか、途中から、ポストコロニアリズム、ポストモダンの話が出てきて、フランスの知識人と、未開の社会のネイティヴが出会う文化人類学の分野からそれらが始まったのは必然だった、などと出てくる。
これは、ようするに、オレがこれまで読んできた、革命の美名のもとに行われた悲惨で凄まじい暴力の歴史の記憶ではなくて、もっと懐疑的な、というか、歴史の方法論そのものについて書かれたような、・・・・・そんな本。
しかも、この人、公務員と結婚して、専業主婦にどっしりと落ち着こう、と思っていたのに、公務員の夫が「キャリア・ウーマン」フェチだったために、就職することを余儀なくされ、さらに「フェミニズム」フェチの夫から、上野千鶴子をムリヤリ押し付けられて(笑える)、いつの間にか、指導教員である上野千鶴子から指導されながら、この書を書き上げた、という・・・。
なんだか分けが分からないが、おもしろかった。
表紙のデザインも良いじゃん。