紙の本
幼い頃,シートン動物記を読んだ方は是非
2010/06/21 12:59
1人中、1人の方がこのレビューが役に立ったと投票しています。
投稿者:金曜日のらいおん - この投稿者のレビュー一覧を見る
1987年ごろより同社から出版された少年処女向きの単行本の文庫化と思われる。「ですます」調であった少年少女向きの単行本と異なり,「~である」という文体に変わっている。挿絵も大人向きとなっている。
収録作品
ぎざ耳ウサギの冒険
黒いくり毛
あぶく坊や
ビリー
通常,作品のタイトルは比較的有名どころを採用することが多いと思いますが(一巻のように),あえて綿尾ウサギが主人公のこの物語がタイトルであるところに編集者のマニアックさを感じさせます。
この本の元となっている少年処女向きの単行本は,話の本数が46本と多いようですので,是非全て文庫化してほしいところ。
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むかーし昔、アニメのシートン動物記は大好きでよく見ていたのですが、本を読むのは初めてでした。
決して過剰に書かれているわけではないのに、シートンの動物への愛情がひしひしと感じられて、ぎざ耳坊やのお母さんが命を落とすところは、電車だったのにも関わらず涙しそうにもなりました。
ただ、愛玩ペットとしてねこかわいがるだけではない、動物のありのままの姿に対する尊敬と理解、そして真の愛を持ったひとでないと描けないような場面がたくさんあって、そんな彼に比べれば、私はにわか動物ファンというか。修行が足りないというか。もっと、大きな心で動物と自然界と接しなくては、という気持ちになりました。
イノシシは、これまでそこまでの思い入れもなかったのですが、感動しました。こんなに雄々しい生き物だったんですね。クマとの対決シーンは、そこいらの少年マンガバトルを遥かに上回る決戦でした。
勝者がいれば敗者がいて、メリットを手にする者がいればデメリットを抱え込む者がいて、どちら側から見るかによってまったく状況が変わる、というのは動物界に限ったことではありませんね。
人の振り見て我が振り直せとはよく言ったものですが、動物たちから教えられることもまた、たくさんあるのではないかと思います。
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シートン動物記の三冊目。
いのしし=レイザーバックの生き生きした活躍が見物の「あぶく坊」や、バカ犬ビリーの素敵なお話「ビリー」が個人的にはツボでした。
シートンの本はどれも毛色が少しずつ異なりながらも、読者の心をつかんではなさない何かを持っているような気がします。
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入院中に同室の方から借りた作品。
有名な小説だけど、初めて読んで動物の描写が凄いなと思った。意外と読みやすい。
●ぎざ耳ウサギの冒険
大蛇に子ウサギのぎざ坊が襲われる描写がけっこう生生しい。犬への仕打ちもなかなか…。母ウサギから子ウサギへ生きるための術を教えるため訓練をするシーンがあるが、この母親はウサギの中でもとても聡明(?)なウサギなんだなぁと思った。野バラの茂みや水は友達、とあってなるほどと思った。母ウサギモリーの最期が悲しい。
●黒いくり毛
黒いくり毛のじゃじゃ馬っぷりがすごい。でも最終的には自由になれたようで良かった。この話は他と比べ短編だからか特に可もなく不可もなく。
●あぶく坊や[すごく長い]
子ども時代のあぶく坊やから大人になり、家族を得て守るべきものができたイノシシの人生譚。けっこう残虐な描写あり。人間との関わり合いのシーンもイノシシならではといったところ。背中を掻いて、や、両の前足のおめかしとして黒ずみを塗ってもらう描写がかわいい。
因縁の熊との死闘も文章ながら迫力が伝わってきて、とてもハラハラする。
●ビリー
おばかさんな子犬から立派な猟犬となった話。
やってきたブルドッグの老犬オールドサンダーへの仕打ちがひどい。クマの顔に襲いかかったビリーすごい!ブルドッグの最期はまぁ自業自得かな、と。犬同士の階級?と、奔放なビリーのギャップ加減がまた良い。
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4話収録。『ギザ耳ウサギの冒険』時には我が子を蹴飛ばして叱る厳しくも温かいモリー母さん。冷たい川の中で力尽きていく最期が辛い。
『黒いくりげ』人を背に乗せないどころか時には仮病を使う賢いじゃじゃ馬。さっさと逃げていく場面は痛快。人間がなんでも飼いならせると思うのは大間違い。
『あぶく坊や』クマと戦える程強くなってもリゼットの指笛で飛んできて両手を差し出すあぶく坊やが憎めない。クマの命さえ奪えるほど強いとは猪って結構危ないのだな。
『ビリー』一気に英雄になったビリーだがその後もちゃんと活躍できたのだろうか。