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本書は、ブラウン&レヴィンソン(Brown&Levinson 1987、※以下よりB&Lと表記)のポライトネス理論を日本語の用例を使いながら紹介するポライトネスの入門書であるとともに、日本語の敬語、呼称、指示詞「コソア」、会話スタイル、言語行為、終助詞「か/よ/ね」を取り上げ、〈距離〉の語用論として論じたものである。〈距離〉という概念は、滝浦(2005)『日本の敬語論-ポライトネス理論からの再検討-』で敬語分析に際に主張されている。本書は滝浦(2005)の延長上に位置し、上記のように研究対象を「敬語」以外にも向けられ拡大されたものとなっている。
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BL理論から指示詞や終助詞まで「〈距離〉の語用論」としてまとめたもの。
ポライトネスの文化差も問題にしており、
(特に挨拶や詫びについて)対照研究を行なうヒントにもなりそう。
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本書は、西洋で発達してきた言語形式とポライトネスの関係についての考え方を紹介するものです。ポライトネスとは、相手に対する対人的配慮のことです。日本語でポライトネスと言えば、敬語を最初に思いつくと思います。日本語で会話をする際には、敬語を適切に使えるか否かが、話し相手との良好な関係を維持するために極めて重要です。一方、敬語以外にも相手との関係を構築する方法は豊富にあります。例えば、仲間でないとわからない内輪言葉を使って互いの連帯感を表現することもポライトネスの言語的手段になります。ポライトネスは、どの言語を話すかに関わらず、コミュニケーションの場面で重要な役割を果たすため、私たちは様々な言語的手段を駆使して人間関係構築に努めるのです。本書では特に、現在のポライトネス研究に大きな影響を与えたBrownとLevinsonの研究を中心に概観することで、言葉と人間関係の関わりを浮き彫りにしています。言語学専攻の学生だけでなく、社会学や人類学といった隣接分野を専攻する学生にも役に立つ一冊と言えます。
(ラーニング・アドバイザー/人社 IKARASHI)
▼筑波大学附属図書館の所蔵情報はこちら
http://www.tulips.tsukuba.ac.jp/mylimedio/search/book.do?target=local&bibid=1327305
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話かけることはことばで相手に触れることと。そのいみで相手に踏み込む行為で侵害しすぎるリスクがあるので、大事なのはもとめる距離感をつくること。相手がしたいことに距離を狭めた直接的なアプローチがポジティブポライトネス、したくないことに適切な距離をおいた間接的なアプローチがネガティブポライトネス。ネガティブだからわるいわけでなく、適切な距離をつくるのは敬意や尊重のあらわれでもある。敬語がそれ。こそあ の指示語や終助詞かよね も相手との距離感や相手へ求めることのあらわれ。このへん意識すると相手の認識だったりフレームだったりが浮かび上がってきそう。
NVCのニュアンスとくみあわせると、より相手を侵害しないコミュニケーションができそうに感じた(自分ができるとは言ってない。。