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紙の本

自治は本能にあり

2011/04/10 16:42

1人中、1人の方がこのレビューが役に立ったと投票しています。

投稿者:kc1027 - この投稿者のレビュー一覧を見る

「人間には自治の本能がある。」
本書に収められた後藤新平の『自治生活の新精神』の最初の一文だ。
自己の生命を守ろうとする全ての生物には、共通する生存本能とも言うべきものから発する「自治意識」があると、伯は考えた。

自身のキャリアを医師から出発し、生物学的原理から個を育み、地域を組織し、国家に奉仕することを主張した著書『国家衛生原理』の発表によって世に出た伯にとって、自治とは生活の根本であり、活力の源泉であった。自己を治めずして、人の役に立つことは有り得ない。伯の残した言葉、「人のお世話にならぬよう、人のお世話をするように、そして報いを求めぬよう」という自治三訣は百年の時を越えて震災後の現代のわたしたちに突き刺さってくる。

1923年の関東大震災後に帝都復興院総裁を務め、大風呂敷と言われながらもその後の都市のグランドデザインを描いた伯の思想の根幹たる「自治」は、生物としての人間が生きていく上での「野生の思考」に立脚していて、その根源的にして遠大な人間観に、わたしたちはこれから何としても追いついて我がものとして自治を実践せねばならない。

その実践すべき自治の射程は、日本にのみ留まっていない。自治を人類の共同責任とし、人類生活の大改造を行うことによって、旧文明の総決算と新文明の創造をすべし、と伯は語る。自治によって、生活様式、生活気分を大革新すべしと語るのだ。第1次世界大戦後の混乱期に記された伯の主張は、人類は常に自らの文明を創造し続けなければならない運命にあることを教えてくれる。

そして文明の病とでも言うべきものに長らくどっぷり浸かっていたわたしたちは、伯のこんな言葉をこそ今、噛み締めるときなのだ。

「自治制に対してわれわれはどのような覚悟を必要とするのか。答えは簡単である。つまり、紳士としての本分体面を体得し、何らの催促を受けずに社会税、精神税を払うことである。これで万事が解決するはずである。すなわち社会税、精神税の支払いに対して無尽蔵の力を有する確信があって初めて紳士であることができ、この紳士の努力のあり方が直ちに自治制の消長に関係するのである。(中略)一人前の以上の努力をしても一人前の報酬は必ずしも来ない。のみならず時には五人前、十人前の非難攻撃を加えられる。そして予めそのことがあることを知って避けず、厭わず、毅然としてその矢面に立ち、あくまで自己の真骨頂を顕し、それによって社会公衆のために尽くすということである。」

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