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2008/8/23 メトロ書店御影クラッセ店にて購入
2011/11/5〜11/6
風邪に伏せりながら読了。生後5ヶ月の娘の前で妻を殺された桧山。犯人は三人の少年であったため、罪に問われなかった。四年後、そのうちの少年の1人が、彼の経営するお店の近くで殺される。疑いをかけられた桧山であるが…
少年犯罪、被害者の人権、残された家族の感情など、色々考えさせられる内容に、これでもか、というどんでん返し。第51回江戸川乱歩賞をダントツで受賞したのもうなずける。
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第51回江戸川乱歩賞受賞作品。
少年法にスポットに当てた作品で、ぜひ「さまよう刃」と両方合わせて読んで欲しい。
そして、どれだけの人が泣き寝入りしているか考えて欲しい。
ラストは涙なしでは読めませんでした
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生後五ヵ月の娘の目の前で妻は殺された。だが、犯行に及んだ三人は、十三歳の少年だったため、罪に問われることはなかった。四年後、犯人の一人が殺され、檜山貴志は疑惑の人となる。「殺してやりたかった。でも俺は殺していない」。裁かれなかった真実と必死に向き合う男を描いた、第51回江戸川乱歩賞受賞作。
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面白かったです。堪能できました。第51回江戸川乱歩賞受賞作。文庫になるのを楽しみに待ってた作品です。重いテーマですが、読みやすかったです。物語が二転三転、いったい何転したんだ?そして最後の大どんでん返しと言うかサプライズの真相、う〜んとうなってしまいました。おすすめです。
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三人の少年に妻を殺された男のまわりで、4年後、犯人の一人が殺された。そして、また一人。。。
犯人探しは、前半あたりまでは推理小説の典型的パターンかなと思っていたのが、アレ?違ったかなとなって、最後のあたりでやっぱりだったんですけど、まだまだ裏があって、もう一つ。そして最後にこれでもか、、、となっての脱帽ものでした。
犯人探しの面白さもありましたが、少年法の問題と真正面のガチンコ対決といったあたり考えさせられる面も多くあって、2005年の江戸川乱歩賞。ぶっちぎりの受賞作品だったそうで、うなずけます。
(2008/11/28)
(2010/12/15)再読
半分あたりまで読んで、既読であることを思い出しましたが、ストーリーはほとんど忘れていたので、最後まで読み直しました。やっぱり良かった。
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大切な人を奪われた悲しみや虚しさ、そして憎しみのお話です。
法律は残酷だ。
「誰も守ってくれない」っていう映画に通じるものがあります。
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ミステリと社会派の合間みたいなお話ですね、大好きです。笑
お話的には、晩鐘や風紋と同じジャンル、かな?
でも凄く好きです。妻を愛して子供を愛する主人公の姿に胸打たれました。
いいなぁああいうお父さん。
最後の結末も、「まさか」という気分が。
……だ、騙されました…っ!
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読み始めは、「無実の疑いを晴らすために、自分で真実を明らかにしていく」というパターンの話かと思いましたが、後半あたりから二転三転。
過去の犯罪が、更なる犯罪を生み、事件と人間関係が繋がって行き、最終章で語られる真実は、予想出来ないものでした。
キーとなる登場人物が多いです。
そのため、各登場人物の人物像を描き切れていない点があるかもしれません。
そして、人間関係をしっかり押さえて読んでいかないと、途中で混乱します。
少年犯罪という難しいテーマを扱った作品ですが、加害者と被害者のそれぞれの視点から語られており、偏ることなく問題提起されています。
その点では、色々と考えさせられることも多い作品でした。
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重そうな題材から息苦しくなる作品かと思ったら・・・
一気に読まされた。たしかに悲劇の連鎖で内容は重いのだが、真相につぐ真相、そして最後にまた真相とまくしたてるような内容にイッキ読み。
だいたい序盤は緩慢になりがちなのに、最初から最後まで話にどっぷり入り込めた。
誰でもが加害者にも被害者にもなりうる犯罪多発の時代に生きていて、その法の裁きには考えさせられることが多い理不尽な世の中を痛感。
非常に深い内容ですが、エンターテイメント的にもお薦めの1冊。
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これはすごい。
ちょっと文句のつけようのない本。
ただ、あまりに不幸過ぎて辛いので、ここはマイナス★1つ・・
加害者の苦悩があり、本当の悪意があり、希望もある。
すごいなこの本。デビュー作がこれなら、次回以降も本当に期待大!
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子供も簡単に殺人者になる今の時代、少年法の在るべき姿を問う作品。前科ではなく前歴として扱われ、犯罪の過去を拭えるシステム。更正は何を基準に判断されるのか。加害者に比べて被害者を守る法律があまりにも少ないことに愕然とする。
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個人的にはミステリー史上最高の傑作でした。
なぜ知名度が低いのか不思議で仕方ない。
ドラマ化しても見るぐらい良かった。
これから読書をはじめる人に勧めたい
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江戸川乱歩賞受賞という売り文句に惹かれて買ったんですが、江戸川乱歩賞恐るべし!メジャー作家以外で久しぶりのヒットミステリーでした。江戸川乱歩賞は書店でもあんまり大々的にコーナー作ったりはあんまりないんですが、結構良作が多いんですよね。今回みたいに想定していないところで良作に出会えると楽しいですよね。
で、内容ですが、少年犯罪物です。主人公の奥さんが殺され、犯人が捕まるんですが、犯人は14歳以下のため被害者は犯人について何も知ることもできず、犯人も裁判にかけられることもなく被害者の人権だけが守られていく。そんな少年法についてテーマにした作品です。犯罪被害者にとっての少年法の残酷さ、少年法の理念、1つの犯罪から連鎖していく犯罪。重いテーマなんですが、展開はスピーディーなうえ、あっと驚く展開を見せてのどとうの終盤はまさに読むのがとまらない1冊です。
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妻を少年に無残に殺害された主人公は、無遠慮に彼に殺到するマスコミに感情的になり、こう言い放つ。
「国家が罰を与えてくれないのなら、自分の手で犯人を殺してやりたい。」
その4年後、加害者少年の一人が何者かに殺害され、主人公は警察から疑惑の目を向けられる。
このような序章から幕を開けるこの物語は、重厚な社会はミステリーを読みたい人に文句なく勧められる質の高い作品だと思います。
また、ミステリーとしての完成度の高さの一方で、人を殺害するという重大な事件を起こした少年の退院後の心境の変化や、被害者が癒えることのない悲しみを抱えながら懸命に生きる姿も丁寧に描かれ、「本当の更正とは何か」ということを真剣に考えさせられる作品にもなっていて、ミステリーが苦手な人にも勧められる作品にもなっていると思います。
尚、少年法についても詳しく書かれていて、少年による凶悪事件が起こるたびに叫ばれる厳罰化が、少年法の理想と矛盾していることなどもこの本で分かると思います。
(たとえば、「少年はまだ人間として完成していないのだから、適切な教育を施せば更正させることが必ずできる」という理想を「可塑性」という言葉で表現することなど、普段聞きなれない専門用語にも詳しくなれます。)
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第51回江戸川乱歩賞受賞作。
桧山貴志は今、幼い娘と2人暮らしである。妻は四年前に殺された。犯人は当時13歳の少年3人だったため、罪に問われることもなかった。当時は恨んでいたものの、今は娘との生活が何よりも大事と前向きに生きているつもりだった。そんな時、当時妻の事件を担当した三枝刑事が再び現れ、ある殺人事件の発生を知らせてきた。被害者は沢村和也。桧山の妻を殺害した3人のうちの少年Bであった。
よくとりあげられるテーマであるが、これは本当に難しい問題だなぁと改めて思う。少年法が守るのはあくまでも加害者である少年とその未来であり、被害者家族には何も知らされず蚊帳の外。”少年の可塑性”という言葉が何度も出てくるのだが、本当にそんなものがあるのかと、そしてそれは被害者達よりも優先して守らなければならないものなのかと、この小説を読む限りでは思ってしまう。もちろんこの中には、過去には罪をおかしたが今は立派に生活を営んでいる人も出てくるのだが、それよりも少年法を逆手にとって、さらに罪を重ねる人間がひどすぎて・・・。
現ライターで昔は法務教官をしていた貫井の言葉。
罪を犯した少年たちに教育を施すのは絶対に必要なことです。
少年院でもさまざまな方法で矯正教育に取り組んでいます。
でも、自分が被害を負わせたり、命を奪ってしまった被害者や
その家族に対する贖罪教育と、それをきちんと
被害者の方たちに伝えていくシステムが欠けているんです。
ここに大きく頷く。やっぱり今の少年法は、被害者側に対する配慮がどう考えても足りないと思う。