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紙の本
SBIのCEOが語る未来の読み方
2008/11/16 22:58
3人中、3人の方がこのレビューが役に立ったと投票しています。
投稿者:MtVictory - この投稿者のレビュー一覧を見る
著者がCEOを務めるSBIホールディングスが提供中のネット会員向けコミュニティサービスで著者が書いているブログの単行本化。2007年4月からの連載記事をテーマごとに組み直して再構成している。第1部の第1章と2章では日本や世界の経済などについて、第3章では企業と経営について、第4章は趣味や個人的な話題について語っている。第2部ではソフトバンク孫正義氏との2007年9月の対談、日本のM&Aの先駆者・佐山展生氏との同年12月の対談を掲載。
「未来を考えるためのヒント」になればいいと「はじめに」で書かれているように、経営者である著者の考えを知ることで時局を見極め、変化に対応していくための参考になることだろう。孫氏との対談では経営者の志について考えさせられ、佐山氏との対談では日本におけるM&Aの状況について知ることができた。
第1部の第2章では2005年に日本の所得収支(海外から得た配当や金利)が貿易収支を上回ったことから、日本の「製造業を主産業とした貿易立国が終わった」と述べている。これは日本が投資立国になってきたことを意味し、また巨大な「海外純資産を持つ債権大国」になったことも意味していると言っている。日本の製造業も製造現場はどんどん海外にシフトし、また新興国メーカーの台頭もあり、今後輸出の伸びは期待しにくいだろう。国内生産が減れば資材の輸入なども減るから、少子高齢化による人口減少もあって、ますます貿易量は減っていくだろう。では日本の製造業は駄目になるのか?投資だけで生き抜けるのか?新興国に追いつかれ、おいていかれないためにはどうすべきか?貿易立国はあきらめても、技術立国はあきらめてはいけない。
中国では北京大学のように産学協同ビジネスが「世界的に見て、最もうまくいっている」と著者が言うように、日本も中国を見習えばいい。シリコンバレーにはスタンフォードという産学一体モデルもある。産学の連携を強化する必要がある。しかし若者の理系離れやそもそも学生が勉強しないこともあり、日本の大学へ期待してよいのか不安もある。中国の共産党指導者たちには理工系出身者が多く、海外留学後に帰国して成功した若い経営者も多いと聞く。それが大学生たちのよいモデルとなり、勉学への動機付けになっているらしい。そこそこ豊かになってしまった日本ではまず教育の現場から変えないといけないだろう。そして技術者の待遇をよくし、国を支える者として尊敬されるような社会にしていく必要がある。
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