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紙の本
極めて王道なラブコメバトル物
2009/01/22 20:27
2人中、2人の方がこのレビューが役に立ったと投票しています。
投稿者:DSK - この投稿者のレビュー一覧を見る
決して貶し言葉では無いが、極めて王道、実に無難な作品である。特殊能力あり、異世界あり、バトルあり、ラブコメありのボーイ・ミーツ・ガール。いろいろな設定には他作品での似た世界を幾つか思い浮かべることができる(コレとか、コレとか、コレなど)。全体のバランスが程良くとれており「似ているから」といった不快感はないし、本作全体にさほど重い雰囲気もないので気楽に読める。思わせぶりなセリフが何を意図しているのかも容易に予想できるのでサクサク読み進めていける。むしろ秘め事隠し事が少なく解り易いストーリーは物足りないほど。脇を固めるメンバーもバラエティ豊かで良い。クラスメイト【一ノ瀬千影】の、年頃の男らしい物言いも面白く、それを大人の女が言うとこうなる、を実践する【澪】のキャラも光っている。むしろヒロイン【瀬良明菜】の方がツンデレとしても暴れ姫としても少し中途半端に思ったくらい。そして、物語を通してせっかく築いてきた主人公【小野寺冬馬】と明菜との関係がラストでああいう形を迎えたのは、悲しくも切なくもないが、何となく残念というか勿体ないというか、それでも仕方ないというか、そんな複雑な気分になる。次巻以降にに含みを持たせる話にはなっているので、シリーズ化されるのであれば続きは気になるところ。やや小粒な印象は否めないが楽しめた作品である。
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